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2014年11月21日

ミセス・ダウト(1993)

Fox

- 伝統的 -

離婚した後も子供に会いたい主人公が、特殊メイクと声色を使って家政婦になりすます話。10月26日のBS放送で鑑賞。有名なんだが、そう言えば今まで観てなかった作品。公開当時はくだらないギャグの映画だろうと思っていた。

実際に観てみると、心温まる話をギャグ風な設定で描いた名作といった印象。単純なアイディアの話で、最初から筋書きも読めてしまうんだが、それでも構わない、そんな話。昔からのハリウッド映画の伝統を感じる。まとまっていて、起承転結もはっきりしている。

伝統の雰囲気は、人によっては嫌悪感や退屈な印象を生むかも知れない。いまどきの子供に受けるかどうか判らないのだが、小さい子には笑ってもらえるかも。ただし、途中で際どい会話も多少あるのだが。恋人と観るのは悪くないように思うが、さすがに少し古いので、ギャグの古さで笑えない可能性はある。

ギャグの一つ一つが懐かしい。昔のギャグ番組のテンポ、決まったパターンの表情、演じるのに最適な俳優、色彩や音響、ピントの合わせ方までが懐かしい。法廷の場面で妻の代理人の女性弁護士の顔!いかにも強気で攻めてきそうだし、立場が良い時の勝ち誇った表情がピントをぼかしても分かり、ぼかしたことでかえって目立つようにちゃんと考えてあった。

この手のストーリーの場合、結局のところ「いつ嘘がばれるのか?」が大事。バレそうでバレずに何度か危機を乗り越えるシーンがおかしく、最終的には派手な失敗、ドタバタ劇でバレてしまう、その展開がいかに見事にいくかが重要。この作品は、レストランのシーンが山場になっていたが、最高の出来だったと思う。派手すぎてもいけない。

主人公を演じていたロビン・ウイリアムスは、この作品の頃が最も活きのよさを感じる。もっと齢をとると、こんな役では可哀相になりすぎる。若い時代だからこそ。主人公が不幸でも観ていられる。

声色は、たぶん本人の声を使っているように感じたので、技術屋が作った音声ではなく、本物の芸人の力で演じていたのでは?少し異常さを感じるくらいの素晴らしい芸だった。

ヒロイン役のサリー・フィールドも実に魅力的に写った。彼女も色々な作品で観てきたが、この頃が最も魅力的に感じる。非常に美人とは思わないが、やはり適度に美しいし、人好きのする印象。不幸な出来事における困ったような表情が実に素晴らしい。喜劇では俳優が笑っていては始まらない。困った表情が上手い俳優が大事で、彼女の魅力は困り顔にあるようだ。

古いギャグが多いのだが、それでも笑わせる。別人になりすました人物が、自分のセックスの印象を聞くと、大したことないと返答されガッカリするシーンは、よく使われるパターン。その返事を聞いた時に、大げさにガッカリしたらおかしいので、表情が微妙になる。そこを写すと大抵は笑いを誘う。期待通りで、お約束のようなシーンだが、でも必要。

この作品のメーキャップ技術は本当に凄い。たぶん本当のところ、一回外したマスクは、繰り返しの利用は困難ではないかと思うのだが、見事な変身のシーンが何度かあって、その表現も上手かった。

監督のクリス・コロンバスの仕事ぶりもソツがない印象。でもテンポの面で多少の違和感は感じる。その後のハリー・ポッター・シリーズでもそうだった。

 

 

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