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2014年10月10日

マラヴィータ(2013)

Europa

- ユーモア不足 -

マフィアのファミリーを裏切ったボスが、フランスで逃避行を繰り返している。その妻も気に入らないスーパーを爆破し、子供も転向した学校で騒ぎを起こし、大人しくはしていない。でも、ついに追っ手が迫ってくる・・・

・・・リュック・ベッソンとマーティン・スコセッシが共同して製作したらしい作品。劇場公開は知らなかった。DVDで鑑賞したが、かなり面白かった。終わり方から考えると、続編が誕生してもおかしくない印象。でも、この作品は興行的に成功してないようなんで、次回作の企画は通らないかも。

マラヴィータはペットの犬の名前で、これをタイトルにつけるなんて洒落ている。そしてマラヴィータ君も家族と同様、立派に戦ってくれるから、その意味でも良いタイトルだった。

マフィア家族のキャラクターがおかしかった。実際に隠れている家族なら目立たないように行動すると思うが、そこは脚色してあって、学校でもスーパーでも無茶な行動をとるし、主人公も直ぐ人を殺したり暴行したり、凶暴そのもの。もっとユーモア路線に傾けたら、後味の良い家族の戦いになったろうと思うのに、血を流すシーンがあるから陰惨。

バットで人を殴るシーンが数回あった。実際にバットで殴ったら、頭の場合は直ぐ頭蓋内出血を起こし、脳外科の御世話になる必要が出る。よほど慣れていて上手にやらないと、ただの骨折で済ませるのは難しい。だから、この映画を観て誤解した少年達が学校で暴行をはたらき、バットを簡単な気持ちで使ったら、死者が出てしまう。この作品は、その意味でも教育上良くなかった。せめてテニスラケットだけに止めて欲しい。

教育上のことを考えると、家族で楽しめる作品ではない。その点が興行に響いてくる面はあったと思う。大人限定となると、基本的に昼間の上映中はガラアキとなり、夜だけの上映になって、直ぐ他の映画がかかるといった具合になるはず。もう少し表現を変えて暴力シーンをぼかし、ユーモアでごまかすようにすべきではなかったろうか?

アイディアは良かったと思う。乱暴者の家族が暴れると、ちょうど怪物ファミリーが無茶する怪奇映画と同じく、現実離れした痛快さが出る。「うわあ、無茶するなあ」といった驚きで面白くなる。だから、その方向を徹底し、敵の殺し屋達が家族によって酷い目に合い、ユーモアたっぷりに気絶していくようにしていたら、「ホームアローン」と同じようなドタバタ喜劇が誕生していたろう。普通はそっちの方向を狙うと思うが・・・

ディアナ・アグロンの活躍が目立っていた。テレビドラマ「Glee」の頃には表情が解りにくい女優だと思っていたが、メイクを変えたのか、演技力か年齢のせいか、以前より正統派美人になっているように思う。彼女をアップで写すシーンも多く、この映画の中での扱いがかなり重かったと感じた。乱暴するシーンは喜劇としてクールすぎるように演じ、怖い場合に正直に怖がっていて、リアルな演技も上手かった。

主人公のロバート・デ・ニーロは最近くだらない映画にもよく出演している。あまり作品を選ばない方針なのか、何か経済的な理由があるのか知らないが、毎年数作は彼の映画を観ているから、未だに売れっ子の状態を続ける需要があることも確かだろう。ただし、この役は彼でなくても良かったような気もした。

ヒットしなかったとしても、この作品は退屈極まりない駄作ではない。大人なら、気楽に楽しめる人が多いと思う。

 

 

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