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2014年10月25日

ミスター・ベースボール(1982)

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- 後味良し -

MVPを獲ったこともあるメジャーリーガーが主人公。トレードで中日に移籍するが、成績不良、喧嘩も絶えず最悪の状況。しかし恋人が出来、周囲との理解も進んで、ついにリーグ優勝戦に挑むことになる・・・

・・・10月7日BS放送で鑑賞。公開当時も評判は悪くなかったと記憶するが、実際に観てみても、まとまりのある後味の良い作品。家族で楽しめる作品とは言えないかも知れないが、子供が観てもそこそこ理解できるし、恋人と観るのも悪くないテーマではないか?今でも鑑賞に耐えうると思う。

ただし大きな盛り上がりがあったとは言えない。肝心な勝負でホームランをかっ飛ばすような歓喜の場面はなかった。その点はいただけない。やっぱ興奮するようなシーンもあったほうが良い。何か起承転結の流れに欠けている面があったのでは?

類似したストーリーのマンガを観た記憶がある。同じようなストーリーであったが、マンガの方は主人公がメジャーに復帰したら、厳しい日本の監督もいっしょにメジャーに来ていたというオチがついていた。

80年代の風俗がおかしい。松田聖子か飯島直子のような髪型の女史、安全地帯のような男子がうろついて、西武球団が強く、クロマティより前の馴染まないタイプの選手が問題を起こしていた時代。たぶん、日本の球団の評判が米国選手のほうから漏れ出て、映画化のアイディアが生まれたんだろう。

赤鬼マニュエルの印象は強烈だった。80年頃のホームラン王だったろうか。田淵選手が活躍しても、マニュエルが打ちまくるのでホームラン王になれないという話を描いた「頑張れタブチ君」というギャグマンガもあった。おそらく彼はメジャーでは活躍できないタイプの選手だったようだが、日本の球種には対応できていた。メジャーで凄かった選手が逆に日本では弱点を突かれることもあるので、何か特色があったのだろう。

もしかすると日本の球界の特徴を分析し、自分の対処法を考え出す対処の能力、元々の体力や技術力の違いが、アメリカと日本の状況の違いに適合できるかどうかを分けているのかも知れない。そのへんの力を見抜くことができれば、助っ人の選択も間違いが少なくなるだろう。

マニュエルは日本での経験を生かしてか、バッチングコーチや監督としてかなりの好成績を残している。まさに、この映画の主人公のこれからをイメージさせる選手。それならクールで手厳しい管理野球の広岡監督は、映画の敵役にはうってつけの個性。良い材料だった。

この作品での監督は高倉健で、かなりの熱血漢。広岡のようなクールさはなく、その点で言えば面白くない。映画は王や長島監督をイメージしているのかもしれない。広岡氏のような個性は海外では理解しにくいと判断されたのか?激情型で、人間的な魅力があるから、海外からも理解されやすい点では正解だった。

監督の娘役は日系ハリウッド女優かと思ったが、高梨亜矢という方で、全く記憶にないのは直ぐ引退して行った才媛だったからのようだ。黒人選手役のデニス・ヘイスバートは、最近では大統領役で有名になった体格の良い俳優で、デンゼル・ワシントンによく似ている。上手い演技をしていると分かる。

音楽もよく考えてあったようだ。球場のBGMを楽曲に取り込んでいるのか?小品ながら、手の込んだ職人によって作られたような印象。斬新さはないけど、良い作品だなあと感じる。

 

 

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