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2014年7月15日

オール・ユー・ニード・イズ・キル(2013)

Warner_3

- キャスティングに難 -

時間をループし、繰り返し戦闘を体験する能力を身につけた主人公。謎の生命体との戦いを繰り返す中で、徐々に敵を殲滅する秘密にたどり着くが・・・

・・・日本のSF小説が原作なんだそうだが、そんな作品があるとは全く知らなかった。SF小説を読むことができるのは、相当に余裕がある人だけだろう。読んで駄作だと判ったら後悔すると思うので、それが怖くて読めない。強迫神経症のようだ。もっと余裕を持てると良いのだが・・・

7月12日劇場で鑑賞。この作品は人気があるようで、劇場の前の方にかろうじて座ることができた。あんまりスクリーンに近すぎて上の方が見えにくく、首の角度がよくなかったが、その分迫力はあった。ただし、細かく激しい動きはよく見えなかった。たぶん、トランスフォーマーと同じような画像処理がなされているようで、人間の視覚の限界を考えていないセンスで作られている。この作品は少し離れて見た方が良いだろう。

ある程度の重さと力を持つ物体は、早い動きをした場合は当然慣性力のせいで、体が軋むか、支えている地面が大きくへこむかするはず。それがないまま凄いスピードで暴れる敵は、まだまだリアルさにおいては改善の余地があると思う。

この作品は、でも非常によく考えてあって感心した。主人公は繰り返しヒロインに殺されるのだが、脳みそが吹っ飛ぶようなシーンは直接写さない。敵が人間を殺しても、血まみれになるシーンは少ない。物凄く激しく人を吹っ飛ばしたりはするし、兵士があっさり押しつぶされたりはするが、グロテスクな死に方、血まみれで苦しむシーンは少ない。子供が観れるように、残虐さを抑えている。その点はギリギリ守っていた。

大金をつぎ込んで製作された映画だから、家族や子供が観れる作品にすることが絶対の条件だったはず。これで生首が飛ぶようなシーンを出していたら、親からクレームが来る。ヒットしないといけないから、古い映画のように表現をぼかしている。あれで正解だったと思う。バーホーベン映画のような悪趣味な路線では、資金を回収できないはず。

どこかのダムが重要な敵の居場所らしいこと、もしくはノルマンディーの海岸からどうやって逃れるか、ヘリを使ってどうやってダムまで行くか、最終的にヒロインを救うために一旦見殺しにするなど、主人公の選択によって謎が解明されていく流れはよく考えてあったと思う。原作通りだろうか?

もっと話をひねることさえ出来たかもしれない。裏の情報で主人公達をおびき寄せる敵の策略や敵側の個性があっても良かったかも知れない。主人公達がタイムループをやっていることに気づき、ワナをかけようとする敵のキャラクターが出せれば、戦いのレベルは上がっていただろう。一様な姿の敵では面白くない。そのためには、敵はもっと人間的になっていないと無理だから、企画の根底が大きく違っていただろうが。

トム・クルーズのキャスティングは失敗だったと感じた。彼のキャラクターじゃなかった。もっとマッチョ派か、もしくはずるそうな面を出せる悪役俳優でないと本来はおかしい。年齢的にも無理だったと思う。少し人気に翳りがあるものの、ウィル・スミスでは無理だったろうか?白人のアクション俳優・・・ポール・ウォーカーは死んでしまったし、ブラッド・ピットも似合わない・・・そう言えば、あんまり適任が思い当たらない。

ズルさやタフな感じが漂う男優が、今は少ないということか。真面目路線ならマット・デイモンがベストかなあ?ジェームズ・フランコは少しマイナーだが、良い味を出せると思う。彼と大物女優なら、良い取り合わせになったかも。マシュー・マコノヒーもきっと凄い演技をしてくれそうな気がするが、一般受けはしないかも。

ヒロインもミスキャストだったと思う。もっと体力が感じられる女優が望ましい。体格の面で、役柄に合っていなかった。兵士仲間にも焦点を合わせるべきだったと思う。少し話がくどくなった面があるので、繰り返しの戦いを少し割愛し、兵士達が徐々に彼の仲間として共同して戦えるように、段階を踏むと最終的な感動は大きくなったろう。

最初主人公をいびっていた連中が、最後は主人公のために命を捧げてくれたら、どうなったろう?きっと観客は涙したに違いない。

 

 

 

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