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2014年7月21日

武士の献立(2013)

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- ヒロインが素晴らしい -

調理を担当する武士の一家の跡取り息子に、年上の女房が嫁いだ。しかし、おりしも加賀藩ではお家騒動が起ころうとしていた・・・

・・・平たい顔族の代表である上戸彩をテレビで拝見していた頃、失礼ながら彼女はさほど美形ではないと感じていたが、昨今の映画を観ていたら全くの勘違いであったことを認識した。この作品の上戸は実に美しく、時代劇に映える。そこらの美人女優が敵うものではないと思った。

ヒロインを盛り立てるための工夫が充分に機能したからかもしれない。器量良しとして出演していた成海璃子は本当の美人のはずなんだが、上戸が着物を着ている間は負けていなかった。そのような演出だったとは思う。たぶん現代劇に出演したら全然歯が立たないような気がするのだが、この逆転が発生するメカニズムに関してはよく判らない。

切れ長の細めの目や細めの体型に意味があるのだろうか?可憐な町の娘を演じさせたら、彼女に敵う女優は少ないと思う。もう娘として演じるのには無理があるが、残念なこと。そのうち、良き母として出演してくる日も近いかも。

作業をする奥さんである上戸が、非常に目立つ白い服を着ている。あれでは汚れてしまうから現実的な格好ではない・・・でも、それがヒロインを目立たせるためには必要な事だったと思う。くすんだ衣装ではいけなかったのだ。

とにかく、上戸の魅力が非常に有効に働いた作品だった。相手役の高良健吾は役者らしい顔をした俳優。今回の若者の持つ生真面目な性格や、不満そうな表情を上手く演じていた。ヒロインの相手役としては非常に便利な個性のように思った。真面目に演じても嫌悪感を感じさせない点が素晴らしい。でもヒーロー役には合わない。

この作品の原案は原作の書物なんだろうか?「武士の家計簿」という良い企画に連想されて、料理本を元に研究した本が発売され、それをヒントに映画化の企画が通ったのだろうかと想像。家族の危機を乗り越えるストーリーも同じ。「たそがれ正兵衛」ともよく似ている。お家騒動による危機を乗り越える点は同じ。

権力争いに巻き込まれた家族が、友情や人情に引きづられながら、家族内で対立しながら、必死の努力で乗り越えるストーリーは、時代劇の中でも一番の定番。この作品は、ちゃんと古典的な手順に乗っ取っていたので、安心して見られた。

実際に料理で藩の意気込みを見せることが可能だとは思わない。上手いと感心させることはできるし、まずいと絶対に言わせないことは必要だと思うが、いかなグルメをもってしても、幕府がお家お取り潰しを決定していたら、断固そうしただろう。料理に関係なく、判定は下ったに違いない。

実際の料理を女中連中がやらなかったのか、気になった。毒殺を怖れて、家来達が自分でやったのかもしれないし、戦場でも料理ができる腕を維持するために、男達が中心となってやる必要性もあったのだろう。でも、大奥を描いた作品では女性達が中心だったような気もするが、勘違いか?

加賀藩の前は、確か丹羽長秀が一時期100万石以上の領地を持っていたと思うが、秀吉の時代だったかに排除されたはず。100万石は大きいから、分割しようという意志が働いてもおかしくなかったと思う。前田藩はどうやって乗り越えたのだろうか?ワイロやら接待やら、相当な工作をやっていたのかも知れない。

 

 

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