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2014年5月16日

映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(2014)

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- 腕相撲にこだわる必要なし -

しんちゃんの父親がロボットにされた・・・実は父親の記憶をロボットにコピーされたのだ。しんちゃん達家族は謎の集団と戦い、その野望を阻止する・・・

・・末っ子と劇場で鑑賞。客は家族連れがほとんど。原作者がいなくなっても、このシリーズの出来は悪化していない。ストーリーの中で家族の愛情、団結に関するエピソードが必ず出てくるので、後味の悪い映画ではない。数作前の戦国時代へのタイムワープの話に匹敵するほど、かなり悲しい別れのシーンもあった。良い作品だった。

子供映画だから家族で楽しむことができるが、この作品は大人のカップルが観ても、それほど退屈にはならないと思う。デート中に選ぶべき作品とは言えないが、退屈な時のビデオ鑑賞の際なら悪くはないはず。

ただし、この作品はそれほど評判になっていなかったようで、連休中にもかかわらず時間枠が1枠に制限されていた。連休明けに1日3回の上映に増やされていたが、妙な変化だと思った。劇場側の予想を外れて客が来たり来なかったりしたのか?

良かった点は、ロボットのキャラクターや動きの表現。これはCGの技術を使っていたのだろう、自然な形で首や体が回転する様子が、漫画的だが気味の悪い動きで、あれだけでも笑える。

「直せないのか?」と聞かれて、ゆっくりロボットが首を振る、あの時の表情や動きの早さは、ドラマ的に完璧だった。

気になった点は、ロボットになったキャラクターに、もっと焦点を当てて、懸命に家族のために働こうとする悲喜劇に重点を置いたらどうだったか?という点。残忍な敵によって無残に壊されたロボットに観客が涙するように、重点の置き方を変えることだってできたと思う。

腕相撲にこだわる必要はない。本当の父親は最後にだけ登場し、大半の時間はロボットだけが奮闘する話にした方が、明らかに印象は違ってくる。そんな原則をあえて外したのは、泣かせすぎてはいけないといった判断をしてしまったからだろうか?そんな判断では、大ヒットは難しい。

チャップリン映画に人気が集まったのは、彼が演じる主人公が懸命であり、ドジによって失敗するからだと思う。あんな役柄を忠実に再現すれば、必ず印象に残り、作品はヒットする。残念だった。

コロッケが声優をやっていたが、五木ひろしの物真似ギャグは、テレビで時々拝見する。あれをヒントに映画のギャグにしたのだろう。コロッケは稀有の芸人である。物真似タレントの領域を広げる活躍ぶり。完全に本家の姿を逸脱して、無茶をするところが面白い。

クレヨンしんちゃんの作品に携わるスタッフは質が高いと思う。劇画に関しては香港か韓国の名前らしいスタッフが大勢参加しているが、ドラえもんのようにセンスまで変わっていない。もともとのマンガが、かなり手抜きの印象が強い作風だったからか、表現の劣化(多国籍化?)が感じられない。この点は、日本人の観客にとっては大事。

もし、このまま日本の少子化が進んだら、市場の規模が縮小する関係で、センスをアジア諸国に合わせないといけなくなるかも。今年からドラえもんがアメリカ本土で放映されるらしいが、かなり設定を変えたそうだ。日本のギャグセンスは日本でないと笑えない。仕方ないだろう。

各国のスタッフによって、日本版~アジア版~米国版など、複数のバージョンのアニメ映画が作られ、CG技術によって、それが簡単になり、当然のようになると思う。元となる動きのファイルに、はい韓国版ギャグ、そらイギリス版表情の添付ファイルを貼りつけたら、あっと言う間に現地版の作品ができる時代も近い。

 

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