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2014年5月 4日

クロニクル(2012)

20fox

- 絶望の表現は? -

高校生の3人が超能力を手に入れる。彼らには友情が芽生え、その能力は次第に進化する。しかし、些細なことから力の暴走が始まる・・・

・・・非常によくできたSF作品。劇場映画というよりもテレビ映画的な演出と感じたが、今の映画は劇場版もテレビ特番用のドラマも、基本的な技術は似たようなものらしく区別がつかない。どちらも高度なCGで処理されている。この作品は若々しい独特の魅力を持つ佳作と思った。作ったスタッフも若いのでは?

SF大作ではないはずだが、20世紀フォックスが製作しているし、CGの出来栄えは充分なものだった。演じていた俳優は父親役を除いて知らない人ばかりで、たぶんテレビタレントではないかと思うのだが、この作品に限れば充分な演技力だったと思う。

少年役のひとりは、スパイダーマンでも同じような役を演じていた。独特の個性があるから、この種の役には最適だろう。でも、ジェームズ・フランコのように役柄を代えられるタイプの役者かどうか疑問に感じた。

クロニクルは叙事詩といった意味だろうと思うが、ちょっとピンと来ない。そのままズバリのタイトルでは格好悪いと思ったのだろうか?もっと高級なドラマにしたなら、こんなタイトルでも良かったと思うが。

黒人の友人が登場していたが、生徒会に立候補するようなキャラクターの人物が、白人をからかっているのは不自然な印象も受けた。実際にそこまで人種的に自然な関係になれているのが普通の状態だろうか?学生時代では、まだまだ大人より野蛮な関係が多いのでは?つまり、作られた不自然な設定ではないかと疑った。

残虐なシーンも出てくるので、小さな子供には良くない影響がありそう。恋の話は出てこないので、恋人と選ぶべき作品とは思えないが、テレビの特別ドラマを見ると思えば、高級な出来上がりに満足できるかも。

ストーリーは新しくない。「アキラ」で鉄雄君がやっていたのと同じ展開を、主人公の少年がやらかすだけと言える。ストーリーで湧かせる映画ではない。CGなどの技術でもって、表現力を上げてきただけだろう。

少し友情の話が出てくる。この部分は必要だったと思う。でも中途半端に終わってしまったかも知れない。さらに、この年代の少年の物語だから、恋愛の話がもっと多くないとおかしいと思う。女の子のことを全く意識しないと、せっかくの設定が無駄になってしまうだろう。

片思いの話くらいは出てきて欲しかった。長く憧れていた美少女に嫌われ絶望する、そんなエピソードがあれば主人公に共感もできたのだが・・・

「アキラ」の劇場版のときも感じたが、主人公本来の持つべき悲しみの表現が足りない。どうしても暴走せざるをえないような絶望感が、まだ表現されていなかったと思う。

暴走は、絶望から始まると思う。夢にあふれていたり、自分の力に自信があれば、無茶をするより希望や自慢の能力に賭けようとするだろう。思い通りいかないから無茶するのだ。そこを表現しすぎると暗い作品になって、後味が良くない。でも、表現しないと薄っぺらな作品になる。バランスが難しい。

ラストでチベットに旅立つ話が出ていた。でも怪しい米国人の若者を、中国政府が許すかどうかは分からない。

 

 

 

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