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2014年5月22日

ホビット 思いがけない冒険(2012)

- もっと真面目に -

ドワーフの王国を滅ぼしたドラゴンに復讐しようと、ホビット族の青年達が旅をする物語。DVDで鑑賞。

「ロード・オブ・ザ・リング」の前の世代の物語を、同じスタッフらが集まって作った作品。三部作になっているそうだ。

本当によくできた話で、原作も大作らしいのだが、映画のほうも実に長く、しかも手抜きを感じさせない、ちゃんとした時代劇風の演技、演出が素晴らしい。日本でも時代劇は家族で安心して見られる。この作品も家族で楽しむことができると思う。ただし、幼稚なストーリー、陳腐な演出は覚悟しないといけない。

あまり知らないのだが、欧米では日本の時代劇に相当するドラマが絶えず制作されていて、剣劇や時代劇風の演出、演技の下地というか、約束事の類が蓄積されているのではないだろうか?何も言わなくても皆のセンスが合致しているかのような、独特の盛り上がりを感じる。

キャラクターも非常に素晴らしい。最も魅力的~もしくは奇異なキャラクターは、指輪の魔力に犯された二重人格のゴラム君だろう。彼の動きはモーションキャプチャーで描かれているのだろうが、その表情の微細な表現が実に上手い。気味は悪いけど、可愛らしさもちゃんと表現されている。よく考えたキモカワ系キャラだ。

基本は童話程度の物語で、いい大人が賛美するのは少々恥ずかしい。でも、技術的完成度に関しては誰も批判できないのでは?高度な映像技術で、時代劇を作れば・・・そこが、このシリーズや「ロード・オブ・ザ・リング」の企画の基本コンセプトだろう。それが成功している。

厳粛な雰囲気も漂わせるが、特に険しい山々の風景を写す場面では、子供映画のレベルを超えた、何かのドキュメンタリーのような雰囲気になる。ニュージーランドには映画の撮影場所をめぐるツアーがあるそうだが、本当に美しい。

主人公のキャラクターは、少々オトボケが過ぎる感じを受けた。大真面目なキャラクターのほうが良かったと私は思う。無理やり押し入ってきた客人達に対する態度は、漫才のギャグに近い子供向けの態度だったが、作品のレベルを下げてしまうような気がした。本気で怒らせたほうが、かえって観客にはおかしかったりすると思う。

リチャード・アーミテッジという役者さんが実に良い顔をしていた。日本の時代劇にも、時代劇でないと存在感が薄い役者がいるのだが、アーミテッジ氏も現代劇では少しオーバーすぎるかも。ギャング映画には向くだろうが。

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