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2014年5月19日

ショーン・オブ・ザ・デッド(2004)

Universal

- マナーを守っていた -

主人公は恋人にふられ、自棄酒を浴びる。酔い覚ましに出かけた彼は、町の様子がおかしいことに気づく。ゾンビが多数発生していたのだ・・・

・・・・並々ならぬ才能を感じる作品だった。観たことはないが、ゾンビ映画の代表作に「ドーン・オブ・ザ・デッド」という作品があるそうだ。それをパロディにしたらしいのだが、センスの良い仕事だった。

ゾンビがあちこちに出現しているのに、能天気な主人公が気づかない場面がおかしい。ゲームや酒に溺れて社会生活の落伍者に近い彼は、恋人にも当然ながら捨てられる運命にあるが、そのへんの情けない状況が、主人公としては最高。

こんなキャラクターは珍しくはない。ぬけた人物は、たいてい大事なことに気づかないトンチキで、そこを極端に演出するとおかしい。この作品では、その表現が的確だったと思う。やりすぎるとシラけるのだ。

生意気なバイト店員、辛辣な義父、手厳しい態度の恋人や、その同居人の個性もよく考えてあった。どれも適切で、手馴れた技量と一種のマナーのようなものを感じる。アメリカ映画でないからか?

娯楽作品としてのレベルは高い。でも、この作品は子供には見せたくない。自堕落な生活ぶりに悪影響を受けないか、そんなことを心配してしまうから。でも、これはきっと子供が観ても満足する作品だろう。基本的に若い人向きの作品と思う。

恋人と観ても楽しいような気はする。冗談が通じる関係の間は、きっと楽しい。シリアスな状況で観たら、もっとしゃんとしろ!結婚しろなどと、要らぬトラブルを引き起こすかも知れないけど。

主人公を演じていたサイモン・ペッグは、特に演技が上手いようには感じないのだが、アイディアが素晴らしかったせいで、いまや売れっ子になっている。トム・クルーズと共演するまでだが、なぜ彼が選ばれたのか理解はできない。役柄が全く違うと思う。

彼の相棒役のニック・フロストも、特に素晴らしいキャラクターとは感じないのだが、この作品のような描き方をされると、ダメ男のキャラクターとして最高の存在のような気になってくる。これは基本的に映画のアイディアが素晴らしかったせいだろう。

彼らのようなキャラクターがメジャー映画に進出できる理由が解らない。パロディやちょっとしたユーモアだけでは、普通なら長続きはしないはずだが・・・? ひょっとすると、アメリカのコメディアンよりもマナーが感じられること、つまり派手すぎないことが好感につながっているのかも。アイディアが良くてやりすぎないこと、それが大事。

日本人のコメディアンにも凄いアイディアを持つ人は多いが、あくまでテレビや演芸場で人気者になるだけが多く、映画に進出し、しかも国際的な活躍に至れる人は稀。ビートたけしだって、ハリウッド映画に出るには出たが、次々とではない。語学力や人種の壁は大きいようだ。

主人公の母親役は目立たなかったけれど、良い味を出していた。理解力のない様子、でも子供の親としていかにもありそうな話し方など、実際の母親の悪い面を強調して最高の存在だった。

何でもない酒場の客や主人のキャラクターを、御丁寧に解説している点も良かった。細かい設定は後で生きてくるから、キワモノのような客を次々紹介するアイディアは素晴らしかった。あれも基本中の基本だが、どうキャラクターをストーリーに結びつけるか、その辺にはセンスが要る。

朝起きて、よろよろ歩く足元は、確かにゾンビに近いものになる。そこを写すと笑える仕掛けも良かった。サッカーボールを蹴ってくる少年がソンビになっても同じ行動をとるという細かいギャグもおかしい。その細かいギャグを並べる早さも大事。遅すぎると興ざめするから。

オチも予想通り、期待を裏切らない。くだらないけど、娯楽に徹していて好感を持った。

 

 

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