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2014年5月31日

めぐり遭い(1957)

20cfox

- 韓流ドラマの原点? -

プレイボーイの主人公と人妻のヒロインが客船で出会い、結婚を目指して半年後の再開を約束。しかし事故が発生・・・というメロドラマ的ラブストーリー。

ケイリー・グラントとデボラ・カーという美男美女スターが出演した作品だが、映画史に残るほど有名ではないだろう。下船前の目線のシーンだけは何かで観た記憶があるけど、他は知らない。悪い作品ではなかったが、インパクトには欠ける印象を受けた。邦題も工夫が足りない印象。

キスするシーンで、階段の中ほどで足だけ見える状態で二人の様子が解るような演出や、船から降りようとして互いに視線を交わし、間の乗客が二人に反応するシーンなど、オシャレでユーモアも感じられるものの、今風の演出ではない。だから今となっては価値が薄いだろう。

当時はどうだったのだろうか?それなりに広く興行され、カップルなどが集まったのではないかと想像するが、よく解らない。不倫映画は夫婦で鑑賞するわけにはいかないだろうから、そんな余計な事情によって敬遠されたかも。今の時代の家族が楽しく鑑賞できる映画とは思えない。

恋人と観る場合に、どんな雰囲気が出るのかもよく分からない。韓国ドラマが好きなカップルなら、おおいに感動する傾向があるかも。

今の時代、不倫を扱う映画の場合は、激しいラブシーンがないと受けないだろう。この作品では水着になるシーンはあって、当時としてはそれが限界だったのかも知れないが、ベッドシーンがない恋愛映画は考えられないから、人気の点では全く話にならないかも。

約束事はきっちり果たしている印象を受けた。子供達による合唱団が登場し、ヒロインと愛嬌のある歌を歌うが、可愛らしい子供は映画に良い雰囲気を出すから、悪い演出ではなかったと思う。少し唐突な印象も受けたけど。

歌のシーンも長すぎたかもしれない。歌がどうこうより、子供とヒロインが仲良く過ごし、強い絆を持っていることを強調したほうがストーリーの中では意味があったと思う。子供とのエピソードが足りなかった。合唱を長々やりすぎて、その辺の表現に要する時間が失われた印象。

主人公の祖母を訪ねるシーン(画像)も悪くなかった。祖母との交流が、ヒロインの心の変化には大事な場面。上手く演出されていたと思う。自然で、静かな良いエピソードだった。

悲恋のほうに比重を持ってくるなら、コメディタッチの船内の演出は逆効果だったということもできる。最初から真剣そのもので、完全にメロドラマとして全体を通すほうが、作り方としては一貫性があって、興行的にも良かったのかもしれない。

そういった演出の仕方のバランス感覚、戦略がチグハグだったのかもしれない。ユーモアがあって、悲恋があって、子供が可愛くて、俳優が美男美女の大スターでも、強いインパクトを残せるとは限らないようだ。

大戦後、10年少々しか経っていないはずなんだが、当時は既に客船に乗ってラヴ・アフェアに興味深々となる人が多かったのだろうか?日本にも成金は大勢いたはずだが、一般的には慎ましい家庭が多かったろう。欧米なら金持ちは多いだろうけど、大戦後には家を建て直し、好景気に乗じて商売を拡げるといった真面目路線のほうが主流で、若い遊び人達の動向には嫌悪感を含んだ視線が待っていそうな気もするのだが・・・

VIP階級の人のゴシップを報道する番組が成立していたくらいだから、既に社会的な余裕、退屈感が凄くあったのだろう。日本の場合は中心都市でも荒廃したままの地域があったろうに、富の備蓄のレベルが違う印象。豊かでないと、こんな作品は生まれないし、韓国などが豊かになったから、こんな作品を真似ることもできるようになったということか。

 

 

 

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