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2014年4月 4日

ペーパーボーイ 真夏の引力(2012)

Paperboy


- 汚れ役が好き -

フロリダで地域新聞を扱う家の次男が主人公。主人公の元に、冤罪事件の犯人の恋人を名乗る女が現れ、主人公は彼女に恋をしてしまう・・・

・・・DVDで鑑賞。しばらく熊本市の電気館でも上映されていたが、人気がなかったのだろう、観ないうちに別な作品に代わっていた。

よく出来たストーリーだった。現代アメリカを舞台にした小説を書くなら、かくあるべしと言えそうな完璧な舞台設定、人間関係。そろぞれの個性の設定や、その描き方、展開の仕方も、おそらく作者の意図を完璧に反映していたのではないか?

大人向けの作品。子供には向かない。恋人と観るのに向く作品とも思えない。オタク、暇人、同性の友人と観る場合、そんな時には良い映画かなと感じた。

役者達は皆が上手かったが、中心はヒロインのニコール・キッドマンだった。色気や毒々しさ、禍々しい雰囲気が漂いながら、結構よい人間ではないかと感じる微妙なキャラクターを、キッドマン嬢は本当に上手く演じていたと思う。歩き方が下品になるよう注意していたように見えた。

外国から来てスターになった女優は、自分の表現力や魅力に自信を持っているのだろう。凄い汚れ役を演じる傾向がある。強烈な競争心や、派手なことをやりたいという強い意識があるのだろう。シャーリーズ・セロンとキッドマンは、美しさと迫力が際だっている。

Paparboyinc

気になったのは、この作品の画質。70-80年代の古い青春映画のような、淡い色彩、ぼやけたような画質は、最近の劇場版映画では珍しい。この作品はメジャー作品とは言えないので、予算の関係だろうか?それとも、ヒロインのキッドマンの肌の衰えが目立たないように、客がゲンナリしないようにという配慮か?私は邪推してしまった。

もし彼女以外の女優が演じているとしたら、役柄を少し変える必要がある。もっと悪女の雰囲気を出す手もあるし、考えの足りない色ボケの可愛い女の路線を選ぶ手もあると思う。少し頭が足りない女の可愛さを強調したら、不幸な女の物語になって、作品はもっとヒットすると思うが・・・

脇役の俳優達も、嫌われそうな酷い役柄を堂々と演じていて、感心した。悪人役のジョン・キューザックは、過去の作品の印象ではのっぽの優男だが、この作品では犯罪者の雰囲気が充分に感じられ、上手いこと演じていると感心。主人公の父親役、メイドの黒人女性役なども雰囲気が出ていた。

設定として、救いようのない悲しいストーリー。夢にあふれるような良い話がほとんどない。性欲や変態趣味、暴力に満ちた物語で、観ていて楽しくなるはずがない。でも、だからこそ現実的な話とも言えるし、独特のインパクト、深みのようなものもある。楽しく美しい話ばかりでは飽きる。お笑い映画に飽きたら、こんな作品もいいのかも。

個人的には、もう少し美しいエピソードを増やすべきではなかったかと思った。黒人メイドと主人公が家族以上に心を通わせる部分と、主人公と兄との結びつきをもっと強調し、それと悲劇的な展開を同時に描ければ、さらに美しい話になったのではとも思えた。エピソードが足りなかった。時間的に無理だったろうか?

主人公の兄の本性には驚いた。あれが観客を驚かせる効果は確かだったとは思う。でも、救いがたい雰囲気にもつながるので、少し映像表現での工夫があっても良かったのではないか?つまり曖昧に済ませても良くなかったかと、多少思った。

サドマゾや女装趣味は、自分にはよく解らない。私は変人と思われているが、実は非常にマトモかも。整理整頓も最小限はするし、家事もこなし、子煩悩で、映画気違いでチョコレートとアルコール中毒で・・・ま、自分では正常だと信じる。

フロリダの湖沼地帯は、よく映画に出てくる。ワニが出てくるだけで気味が悪いし、密林地帯を探索するのはスリルにつながる。舞台として最高。仔鹿は、この作品では出てこなかったが、沼地に鹿がいるのは変な気もする。もっと別な地域の話だったのだろう。

アイスクリームをバケツに入れて回して食べるなんて、気持ちが悪くないそうなシーンだった。どんな生活をしているのか、たちどころに解る。実際に、あんな生活をしている家族がいるのだろうか?‘ハッシュパピー’のようなコロニーがあれば、あんな感じなんだろう。

行ったことはないし、足を踏み入れたら銃を撃ってきそうだから行きたくもないので、実体は全く知らない。プアホワイトの究極の人種がいるのかも。開発された地域は、ボートなどで遊ぶ老富豪も大勢いると思うけど、ジャングルの奥地に好き好んでかどうか、生きている漁師や農夫がいるのかも。

 

 

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