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2014年2月16日

明日の私に着がえたら(2008)

- 女性映画 -

ダイアン・イングリッシュ監督作品。  

脚本は監督自身が担当していた様子で、もしかすると脚本のアイディアが良くて企画として成立したのかもしれないと思った。リメイク作品らしい。The  Womanという原題の通り、この作品は女性のための映画だったと思う。 DVDで鑑賞。 

したがって私が感覚的についていけない部分もあったかもしれない。女性達にとって素晴らしいシーンを、特に感傷もなく観てしまったりはあるだろう。同じような経験をした女性達には、涙なくして観れない映画だったかもしれない。

セリフが非常に良かった。特に主演の二人、メグ・ライアンとアネット・ベニングが交わす言葉の中で、夫のことを言っていると思って返事し、二人の友情の大事さを言っていたことに気づく勘違いのシーンは、それに気づいたアネット・ベニングの表情の良さもあって素晴らしいシーンだった。

また、他で非常に良かったのは、悪役であるエヴァ・メンデスの表情や態度。不倫を咎められても堂々と自説を展開し、ひるまない点が素晴らしい。実際には何か逃げ口上みたいなものを吐く人が多いと思うのだが、映画的には最高の個性だった。悪役なのに、妙に親近感を感じてしまう不思議な個性。

メグ嬢が出演していても、この作品はラブコメとは言えない。ヒロインとヒーローは、電話以外では何も語り合わないのだから、そうだろう。そうなら、主役としてメグ嬢が登場する必要性も、あんまりなかったかも。他の、メロドラマ専用の女優でも良かったかも知れない。

この作品には有名な女優達がたくさん出演している。キャンディス・バーゲンやキャリー・フィッシャーまでいるとは!企画の趣旨に賛同したのかも。

大人しい作品に終始し、激しい口論や殴り合いなどがない点は、コメディとしては少しマズイ気がした。客受けを考えないといけない。女性達の友情を静かに描くのか、もしくはドタバタの路線で行くのか、検討がどのようにされたのか疑問に感じる作風。男性も楽しめたほうが絶対に良いと思う。

この作品の特徴として言えるのは、不倫をしている夫が登場して来ないこと。これによって女性達に焦点が集まり、夫の狼狽などに観客の焦点が移る危険性を排除できていた。面白い趣向と考えたのかも知れない。

でも、逆に言えば観客が期待する夫の右往左往ぶり、情けない言い訳や殴り合い、涙や懇願の姿が見れないわけで、盛り上がりを自ら排除したとも言える。どうしたら最高の盛り上がりになったのか解らないが、私としては夫と女性達のバトル、情けない夫の姿を見てみたかった気もした。後姿や、ちょっとしたセリフだけの出演でもいいから、笑いの対象として夫君にも登場させるべきだった。

敵役に対する復讐が少し描かれていたが、その部分をもっと大きく扱っても良かったかも。作戦が成功したらハッピーエンドになるし、爽快感が大きくなる。綿密に計画したものの敵もさるもの、途中で逆襲されて失敗しそうになるドタバタなどがあれば、コメディの部分が面白くなると思う。あっさりし過ぎていなかったか?

この作品は、子供には向かないと思う。セリフも途中で非常に明け透けになるし、教育上のことを特に考えて作られた作品とは到底思えないから。恋人と観る映画とも思えない。別れ話、女の友情を描いた作品をカップルで観る気はしない。

トヨタが協賛していたのだろうか?結構裕福な家庭を舞台にしていたようだったが、レクサスのセダンやハリヤーが使われていた。同じ車に乗っている日本人は、たぶん彼女らの家より数分の一の大きさの家に住み、数十分の一の庭しか持たないだろうけど、車だけは同じ。ベンツでないのは、センスの問題かも。女性達が足とて使うには、ハリヤーなどのほうが良いから。

キャリアウーマンとして生きていく女性の気持ちは、私にはよく解らない。男性達からの視線も違うだろうし、身奇麗にしておかないといけない点で、男性よりも緊張感を保たないといけない点はあるだろう。さらに、生き抜くための競争も当然ある。戦いに疲れることもあるだろう。

お色気を上手に使って夫を奪ったエバ・メンデス女史のような生き方も、生きる路線としては立派に成立すると思う。あざといが、自分の能力を生かしたと言える。上手く行けば家庭に入って子供を育て、奪った夫と共に齢を重ねる・・・それはそれで完成された生き方。

キャリアを重視する生き方も、また立派な生き方だ。個人的には、そんな女性こそ多くの子供を生んで欲しいのだが、世間はどうも無理解が支配してて、「仕事に生きる女は、何か欠陥があるのかな?」といった視線を浴びないといけないから可哀相。女医さんにも独身は多い。非常にもったいない話。

理想は、子育てが終わったらキャリア再開し、立派に両立の路線なんだろうが、子供が次々生まれるとそうもいかず、特に問題児が一人でもいたら、それに引きづられる運命にある。しかも、昨今は御主人の生活力が相対的に低下してる現状もある。ますます、女性が頑張るには厳しい。

国会などでは絶えず外国人を労働力として招こうといった意見が繰り返される。単純に考えると労働力が不足するのは間違いないのだが、若者が仕事からあぶれている現状で、紙の上の統計から労働力不足を危惧しているように思える。専門家達の目は曇っているのだろう。ヨーロッパを参考にし過ぎ。日本の現状のような国は、過去にそうはなかったはずで、過去の学問は参考にならない。

基本として、人口が急に減らないように出産を優遇するのが最初に必要な方針。国ができることは、例えば出産奨励金、結婚を必要としない制度や法の整備、税金の優遇など。市町村は、育児を援助するボランティアや有給の人間の確保、それらが必要以上に整備されて、「これは出産しないとアホらしい。」と思えるようにしないといけない。

 

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