映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主

  • 乙女座 AB型 どの占いでも最悪の運勢 内科クリニックやってます。

Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« ルーパー(2012) | トップページ | G.I.ジョー バック2リベンジ(2013) »

2014年2月 4日

セレブの種(2004)

Mmv40acresetc

- セレブに疑問 -

新薬開発に携わっていた主人公は、会社の不正を告発したため解雇される。金に困った主人公に、ワリの良い仕事が舞い込むが、それは種付け役だった・・・

・・・生殖ビジネスを描いた作品。内容はかなり際どく、嫌悪感を覚える人も多いだろう。喜劇ではなく、悲劇とも言えない、サスペンス~裁判ものだけでもない、不思議なドラマだった。主人公の行為に関して否定的には描かれていなかったようで、倫理的な面については異論も多そうな印象。

したがって、この作品は大人限定だと思う。子供~ティーンエイジャーの時代の鑑賞は多少の問題がありそう。恋人と観る作品としては、逆説的にはお勧めといった印象。

タイトルの‘セレブ’には違和感も感じた。いわゆるセレブは、作品に出てくる女性達よりずっと桁違いの金持ちのイメージがある。主人公も高級取りだったようだが、セレブのイメージにはまだ到達していない。他のタイトルのほうが良かった。原題では‘彼女は私を嫌い’といった内容だったはず。でも、それもインパクトに欠ける気がする。

主人公のアンソニー・マッキーは、刑事役などでよく見かける俳優。真面目で優秀そうな雰囲気が、この役柄には合っていた。個人的には、美男子の白人が主人公のほうがしっくりきたのではないかと思ったが、それは人種差別の意味ではなく、現実的にWASPのほうが種として望まれる確率が高いはずだから、単純にそう思う。

それはそれとして、あちらでも有名大学卒業は良い遺伝子の評価につながるようだ。ハーバード卒にもいろいろいると思う。コネで入って、ぎりぎりで卒業できる人だって多いと思うし、アメリカの場合は特色ある大学が分散し、東大一本に予算が集中する日本のようなイメージはないような気もするのだが・・・

ヒロインに相当する女優は、最近の「ジャンゴ」でもヒロイン役だったが、際立つ美人には思えず、演技力もよく理解できなかった。下手くそでないことは解るが、役柄の持つずるさや個性のようなものは解らなかった。

スパイク・リーとタランティーノ監督は、個性がかぶる面がある。才気が走る傾向や、強調があざとい印象などが共通する。ヒロインも共用されてしまったようだ。

ジョン・タトゥーロが脇役で出演していたが、マフィアらしい迫力は不足していたように感じた。そう言えば、彼が「ゴッド・ファーザー」の映画のセリフを真似るシーンで、「ニグロのようなゴミにしか麻薬は売らない」といったセリフが確かにあった。あれは黒人達を大変傷つけるセリフだったと改めて思った。

作品中では精子が泳いでいくアニメ風CGや、一般人に対する主人公の評価のインタビューめいたシーン、過去の回想シーンや、妄想らしきシーンなど、様々な構図で多種多様な表現がなされていた。ふざけた印象を持つ人もいるだろう。

裁判のシーンは、狙いがよく解らなかった。主人公が懸命に不正を暴こうと努力した点が強調されるのは解るものの、それと種付け行為は別の問題。インサイダー行為は無罪で、種付けは有罪といった結果なら、良識に通じていたかもしれないが、この作品のストーリーだと種付け奨励になりかねない。

真面目な話、最近の技術では生まれてくる子供を精子の段階でかなり選別できるらしい。どんな技術を使うのか知らないが、身長や体力の概要はつかめるらしい。子供の選別は、やはり差別に通じると思う。彼はA級遺伝子、俺はC級ランキングと解ってしまうと、イジメや就職結婚の差別を生まないはずがない。

遺伝病の鑑別に関しては、ある程度は考慮する必要があるとは思う。高齢出産、濃厚な家族歴など、鑑みる必要のある場合に、運に任せるだけでは悲劇を生むことも確か。古い観念で、悲劇は我慢しなさいと押しつけるだけでは、出産の障害になるだろう。でも、具体的な線引きの仕方は解らない。

偉人の子供が優秀である傾向はあるかもしれないが、自分が知るかぎり、遺伝以外の要因のほうがずっと力があるように思う。学力に関しては、やはり勉強しないで優秀になれる人物は少ない。走る力や泳ぐ力はかなり生まれつきものだし、体格の概要に関しては遺伝で決まってくるようだが、それでも一流ランナーの子供が一流とは限らないようだ。足が早い親の子は早い傾向があるといった程度。

今の段階では、その程度の価値しかないと思う。でも今後、細かい操作が可能になれば解らない。人工的に筋力や免疫力を調節した卵子を作ってクローン化すれば、圧倒的な能力の子供を作ることはできると思う。iPS細胞やSTAP細胞なる技術を使って、多数の優秀な卵子を作ったら、儲けは大きい。

おそらく、その時は父親なしで出産することになるだろう。男の価値が下がる・・・と、心配する必要もない。女性側だって、出産が安全にできそうな体力さえあれば、顔がどうだろうとスタイルが滅茶苦茶だろうと構わなくなる。金で出産を請け負う人だって出るかも。圧倒的な能力の卵子を下さい、と卵子業者にお願いするのか?

どうなろうと、結局は育て方、躾がしっかりしていないと、才能を自分で伸ばす子供にはなれないと思うのだが・・・。

 

 

« ルーパー(2012) | トップページ | G.I.ジョー バック2リベンジ(2013) »