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2014年2月28日

フォーガットン(2004)

Columbia

- まとまり良し -

子供を事故で亡くしたショックが心から離れない女性。カウンセリングに通いながら、社会復帰しようとしている。しかし彼女はある日、夫やカウンセラーから重大な記憶違いを指摘される・・・

・・・怖い雰囲気が漂うサイコスリラー。作品としてのまとまりが非常に素晴らしかった。スリラーだけど、近年よく見るような生首ゴロゴロ、血まみれ、目玉えぐりだしのような悪趣味なスリルはなく、画面の雰囲気と音楽、役者達の苦悩の表現などで成り立つ、オーソドックスな作品。

途中でCG映像もあった。このシーンは非常に出来が良くて、単純なSF映画よりずっと迫力があったのだが、小出しにされた印象で、CG満載の作品ではない。その点にも好感を持った。ものには加減が必要だから。

ジュリアン・ムーアの表情は、他の映画で観る限り、日本人には少し解りにくい印象を持っていたが、この作品での母親らしい表情には感動した。なまじっか表情豊かなオーバーな女優だと、この役をやったら安っぽいメロドラマのドロドロ状態に陥るかも知れない。この役は彼女の特徴に合っていた。

不思議な女優だと思う。スタイルの良い色っぽい美人とは言えない印象だが、妙な顔でもない。普通の白人女性を代表する顔でもなく、アイルランドか北欧系のオジサンに似た顔の娘がおばさんになったら、こんな顔かなという際どい個性。

演じ方次第では、とても嫌われそうな悪役にも向く気がする。悪女役を見たことはないが、そのうち凄い悪女を演じてくれないだろうか?

あちらの映画では、最初はメロドラマのように思わせ後半はサスペンス、または推理ものから悲劇といった、作風やジャンルが大胆に変っていくものが結構多い。よくアイディアが出てくるなと感心するが、脚本家などが毎日頭をひねって搾り出して、何か面白い作品を作ろうとしているからできるんだろう。この作品のアイディアも素晴らしい。

ただし夫役や、協力者役、刑事役、保安局員などは、特に強い印象には残らなかった。脇役や端役にも、それぞれの個性らしきものが浮き出たらよかったのではと少し思った。例えば、怖がったり失敗する保安局員がいてもいいのでは?ちょっとした味付けが、意外に好印象につながることも多い。

何か喜劇の部分が足りなかった印象を受けた。場違いなギャグを飛ばす刑事、近所のおじさんなど、いかにも役に立たなさそうな人物がヒロインを笑わせたりすれば、心和むような効果もあったはず。真面目にストーリーばかり集中させ過ぎていた印象。

種明かしが少し早い印象も受けた。ヒントはあって良いが、全体のスケジュールを考えると、観客が「おや?流れが少し変ったぞ。」と、少しずつ小出しのヒントで気がついていったほうが良い。綿密に計画し、鋭い観客は早めに、鈍い観客はラストで合点が行くような、そんな風にはなっていなかった。

タイトルにも疑問。私はFor Gatton つまりガットンという名前の人のために・・・という涙の映画なのかなと勘違いしてしまった。フォーガットンではなく、ファガトゥンなら正しい発音に近いと思うが、関係者はなまってる?勘違いする私のほうがアホウかも知れない。いずれにせよ、他のタイトルのほうが、日本人には解りやすかったろう。

 

 

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