映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主

  • 乙女座 AB型 どの占いでも最悪の運勢 内科クリニックやってます。

Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« チャップリンの黄金狂時代(1925) | トップページ | 甘い生活(1959) »

2014年1月 5日

ゼロ・グラビティ(2013)

Warner
- 映像美 -

宇宙で活動中だった主人公は、突然の事故で宇宙空間に放り出される。かろうじて宇宙船に戻れたものの、地球に帰る手段を失ってしまった・・・

・・・劇場で鑑賞。アルフォンソ・キュアロン監督やCGスタッフたちは素晴らしい仕事をしたと思う。この作品はストーリー的には単純で、要するにノンストップアクションの宇宙空間バージョンに過ぎないが、その映像美が素晴らしく、一見の価値はあると思った。

登場人物は非常に少ない。ほとんどのシーンはヒロインのサンドラ・ブロックのみが演じており、前半だけジョージ・クルーニーが共演しているくらい。一人で戦うほうが、宇宙空間の怖さが際だつ面はあると思うので、良い趣向だった。

この作品は子供には向かない。中学生の次男は、感動できない、名探偵コナンにすれば良かったと言っていたし、小学三年の三男は途中で「グルグル回るシーンで気持ち悪くなった」とかで、外に出さざるをえなくなってしまったくらい。そのため、実は私自身もこの作品の後半を観ていない。

おそらく、あのままアクションに徹したストーリーだったのでは?何か人物の掘り下げ、普遍的な教訓など哲学めいた話にはなっていなかったのでは?子供が気分悪くなるくらいの迫力があったと言うことも出来る。もし恋人が気分悪くなったら、そのデートは最悪の結果になるだろうけど。

ジョージ・クルーニー演じた人物の描写は非常に良かった。彼のシーンは短かったが、印象に残った。陽気でジョークが好き、でもプロフェッショナルに徹した行動を採り、勇気がある好人物だった。問題の別れのシーンは、ちょっとおかしい印象も受けた。無重力の世界なので、彼が手を離さないといけないような力は加わっていなかったはず。彼らが回転して遠心力が発生しないないかぎり、手を離す必要はなかったはず。

とにかく、非常に美しい映像。相当に手が込んでいた。どうやって撮影したのだろうか?高性能のコンピュータで物の運動の具合を再現したに違いないが、たくさんの物が飛び交う無重力空間を違和感ないまで合成していくのは、気が遠くなるような膨大な作業を必要としただろう。その甲斐は確かにあった。

たぶん、本当の宇宙空間を再現した、過去最高の映像だったのでは?物語性、ドラマに重点を置こうとすると、リアルさが失われてしまう。宇宙空間は、たぶん味のない、真に怖ろしい危険な世界であり、それを前提として映画を作るべきと考えるべきなのかも。

この作品は、劇場で観れたらそのほうが良いと思う。3Dメガネは相変わらず重くて困ったが、できれば3Dのほうが迫力があるのではないかと思う。たぶん、DVDでも充分に美しいだろうとは思うけど。

映像美の点では、ヒロインが国際宇宙ステーションにたどり着いた時、安心して一息つく際に、明らかに胎児のポーズをとっていた。「2001年宇宙の旅」を意識したものだろうと思うが、あれも絵になるシーンだった。ノンストップアクション映画と言っても、完全にノンストップでは観客が疲れてしまう。小休止、そして再び危機がやってくる、そんな趣向に最適のシーンだった。

DVDが出たら必ず観てみたいと思った。なにしろ、後半を観てないのだから。ブルーレイが必要かどうかは解らない。DVDでも大きな画面なら充分ではないだろうか?

 

« チャップリンの黄金狂時代(1925) | トップページ | 甘い生活(1959) »