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2013年12月 3日

オブリビオン(2013)

Universal

- 画竜点睛 -

宇宙人との戦争で疲弊した地球。地球を警備する主人公らは、敵の残党に捕らえられてしまう・・・

・・・オブリビオンとは忘却を意味するらしい。ラテン語調の発音だから、文語や学術語のようなニュアンスがあるのかもしれない。

宣伝が繰り返し流されていた映画だったが、レビューの評価が低かったので劇場には行かなかった。子供が観れない残虐なシーンがあるらしいとの情報も関係。一人で観に行くのは、できれば評価の高い作品がいい。よってDVDで鑑賞したが、意外にまとまりがあるSFらしいSFで、血まみれのシーンは少ない。でも、人間が粉々に吹っ飛ぶシーンは多かったから、やはり大人限定かも。

展開の仕方は良かった。真相が暴かれ、勇気を持つ主人公が、愛と正義のために危険を犯して戦う・・・そんな映画らしい流れで、好感を持った。日本ではヒットしなかったはずだが、世界的には売れてるらしい。日本で受けなかったのはセリフのせいか?SFとしては珍しくない、ありきたりの話だからか?旧式のSFのほうが米国では一般受けする傾向を感じるので、要するに趣味の問題か?

主演のトム・クル-ズの動きは悪くなかった。充分にヒーローとしての役割を演じていたと思う。でも、もう少し若い俳優だったら、もっと自然だったかも知れない。ネームバリューがあって、もっと若いとなるとマット・デイモンあたりになるかもしれないが、彼は同時期に他のSFに出ているようだから、スケジュール的に無理だったかも。

もっと大柄の俳優のほうが良かった気もする。動きは遅くなるだろうが、迫力は出る。兵士らしい雰囲気の俳優のほうが、この作品には合っていたのでは?

ヒロインはスタイルの良い元ボンドガールだったが、この作品での表情に関しては、はたして非常に良かったのかどうか解らない。観ていて、どんなキャラクターの女性なのか、私にはよく解らなかった。本職の役者のほうが印象に残ったかも知れない。

もうひとりの相棒役の女性のキャラクターも、もうひとつ目立たない印象。とことんクールな仕事面だけの相棒、またはお色気モード全開のシャロン・ストーンのような悪役。そんな典型的パターンからは外れていた。充分に美しく、表情もはっきり演じきれていたが、その役割がよく解らなかった。極端に言えば男の相棒でも良かった。主人公を殺そうとする役割が生かせるから。

CGのシーンは素晴らしかった。実写の部分も景色が非常に美しい。はるか天空にそびえる主人公たちの基地。そこから飛び立つ飛行艇、雲の映像も美しい。撮影技術を紹介した映像を観たが、大きなスタジオを使ってガラス張りの高層マンション風の映像が撮られ、後で合成したんだそうだ。

実際にあんな家を建てたら、日射が強過ぎて暑いやら紫外線対策が必要になるやら、非効率的じゃなかろうか?相棒の女性は日焼け止めクリームを大量に消費していたのだろうか。

球形の攻撃機器も素晴らしいアイディアだった。建物の内部に侵入して、銃撃をしては探索という、無慈悲に人間を粉々にしていく様は迫力があった。でも、あの兵器だけでは、観客の納得を得るのは難しかったかも。銃撃されたら、さすがに反動で体制を維持できないはず。よほど姿勢を維持する機能がないかぎり、壁などに激突して壊れてしまう。

巨大な飛行艇や、ロボットめいた兵器と組み合わせると、興味をつないでおく効果があったように思う。手足を持った昆虫型の殺人マシーンのほうが、観客の視覚に訴える効果はありそうに思う。「次にどんな兵器が出てくるのか?」という興味は必要ではなかったか?

そのほか、細かい点に無理も感じた。

①ビーコン信号によって60年ぶりに地球に帰ってくる宇宙船の情報を、なぜ反乱軍側が知っていたのだろうか?有名な宇宙船だったから?それとも、反乱軍側に元宇宙飛行士か何かがいたから? 

②眠りから覚めた時、ヒロインは主人公を目にして意外にクールに思えたが、おかしくなかったろうか?なぜ生きているのといった表情が自然のはず。もっと驚かないとおかしい。

③結局の敵の目的は何か?水を吸い取ること?セリフを聞きもらしたのか、解らなかった。観客が納得できないといけないので、単純明快な目的、敵の本性などが解ったほうが良かった。

謎のまま済ますのは、映画のクールさにはつながるものの、画竜点睛を欠く結果ともなりうる。本来が娯楽目的の作品だから、単純明快を原則とすべし。

 

 

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