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2013年11月 3日

グランド・イリュージョン(2013)

Summit

- お色気はダメよ -

4人組のマジシャンが壮大なショーを始めた。遠く離れた銀行を襲って、金を観客にばら撒いたのだ。さっそく警察の捜査が始まるが、4人は警察の先を行っていた・・・

・・・イリュージョンは映画の題材に向いていると思う。テレビショーでさえ、迫力たっぷりのマジックには感心する。そもそも映画は、マジックと共通する部分が大きい。観たこともないものを、人は見たいのだ。だから、この作品はスクリーンで観なきゃと考え、劇場で鑑賞。

出来の良い作品だった。本当のマジックをただ写すのでは限界があるが、CGを使って映画でしかできない映像のマジックを見せていただいたので、満足できた。とてつもない傑作とは正直思わなかったが、よく出来ているなと感心した。

この作品は子供も大人も楽しめる内容と思う。殴り合いのシーンも多少はあるが、血まみれにはならないし、退屈するほど迫力不足でもない。カーチェイスや逃走のシーンは結構な緊迫感があるし、CGも美しく、ステージのシーンは非常に綺麗。欠点が少ない。

主演は、マジシャンというより刑事役のマーク・ラファロだった。彼の捜査や追跡のほうが話の中心にあり、マジシャングループは影で何か壮大な計画を進めているだろうという時間がほとんど。我々は、その仕掛けを期待し、いかに警察側がやられるのかを待っている構図。

刑事役は、もっと徹底的にやられ、バカにされて怒り狂うべきだと思った。できれば喜劇役者の雰囲気がある俳優のほうが良い。もしくはクールな二枚目を気取っていた役者。酷い目に遭うと、観客が笑えるほうが良い。

マジシャングループの中で、ウディ・ハレルソンの存在感は大きかった。独特の個性だと思う。しつこさが売りの刑事、えげつない手を打つ犯罪者などをやらせると、不思議なことに変な好感を感じてしまう。顔つきのせいだろうか?

ジェシー・アイゼンバーグのほうは、頭の回転の良さそうな早口の会話がおかしい。好かれるタイプの役柄ではなかったと思うのだが、頭脳明晰でクールな印象は役柄に合致しており、彼の存在が結局は作品の成功につながっていたような気がする。

女性マジシャンの役割は、ちょっと不足していたように感じた。もっと比重を持たせることもできたのではないか? 仲間を裏切る役割、敵と通じる役割、いわば峰不二子的な魔性の女タイプの役柄だったら、もう一段面白い話になっていたかも。

カードを集めて木にかざしたら、光が発生して回転木馬が回りだす・・・あのシーンは、ちょっと感心しなかった。カードでなぜ光が出る?ごまかしに近い印象を持った。あそこは古式のマジック的な演出のほうが味わい深いはず。旧式では興ざめすると思ったのだろうか?

作品の味のようなもの、何か古めかしく、歴史を感じさせる雰囲気が足りない気もした。昔ながらのマジックの要素を使って、緊迫のシーンに一息入れさせることができたら、本当に映画らしい映画になったのでは?

とてつもない美人のメラニー・ロラン嬢だが、首のあたりに大きな黒子があって気になった。職業病だろうか、皮膚に何かあると悪性度を確認したくなってしまう。女性からはイヤラシイ男に思われそうだが、見落としは嫌だ。はっと気がついた皮膚がんも数人いるので、たとえ非難されてもジロジロ見続けないといけない。

それが気になって、作品のほうから注意がそれてしまった。そう言えば、ロラン嬢もアイラ・フィッシャーも、充分にお色気を発揮してはいなかった。それで子供用、家族用の作品に留まれたとは言えるが、少しくらい期待してはいけないのか?と、おじさんは思った。

マイケル・ケインとモーガン・フリーマンの役割は非常によく考えてあった。彼らの黒幕ぶり、狙いと最後に勝つのがどちらかといった興味は、この作品を非常に面白くし、また途中から流れを読み辛くする良い手だった。案を作った人~人達に敬意を表したい。

似たような謎解き、大泥棒ものの映画を観たような気がする。二転三転、黒幕の黒幕、裏切りと偶然、しつこい刑事と大胆な犯罪者達、お色気、コワモテのボスなどなど、複雑にからまる話は多い。でも、ほとんどは大金をゲットして終了。この作品は、それだけに終始しておらず、後味が良い点で他の作品より優秀。

 

 

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