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2013年10月31日

続・荒野の用心棒(1966)

- B級佳作 -

流れ者ジャンゴは娼婦マリアを助け、町にやってくる。町を支配するジャクソン一味とメキシコのゲリラ達と対峙したジャンゴは、金の強奪を計画するが・・・

・・・マカロニウエスタンの作品。韓国製のDVDをホームセンターで発見し、購入。韓国製のためか、日本語訳が丁寧語すぎておかしい。殺し合いの場面でも、「殺してしまいます。」のような言葉使いで、明らかに変だ。翻訳者の修練不足だろう。

画像は鑑賞に耐えられるレベルだった。でも、大きな画面で観るとドットの大きさが気になった。画像のデジタル化にも様々な処理方法があるのだろうが、このDVDは初期のソフトを使っていたのだろうか?

そもそも買ってみようと思ったのは、タランティーノ監督作品「ジャンゴ」を観たからだ。オリジナル版がどうなっているのか気になり、比較でもしてみようかと思った。ただし、「「ジャンゴ」の題材は、別な作品らしい。この作品の原題もジャンゴであり、荒野の用心棒は日本での営業のためにつけたものだろう。確かに日本の「用心棒」はおおいに参考にされているようだ。

この作品はかなり面白かった。B級映画の傑作といった印象。ジャンゴのキャラクターが良かったし、敵の首領のジャクソンもしぶとくて存在感があった。ジャンゴの印象は相当残ったようで、いろんな作品にジャンゴという名前が出てくる。大成功のキャラクターだった。襲撃、銃の乱射、殴り合い、裏切り、形勢逆転など、盛り上げに必要なプロットも確実にこなされていたようだ。

でも子供が観る映画ではないと思う。子供が最も観たがるのも確かだが。恋人と観る映画としては、当時なら良かっただろうが、今では古めかしい点で勧められない。オリジナルの黒澤版「用心棒」もそうだろう。リマスタリングを大々的にやらないと観るのも辛いし、芝居がやはり古めかしい。

ストーリー展開は、タランティーノ版と共通する部分も多かった。妻を救おうとする点は、もしかすると同じフランコ・ネロが主演した別の作品から採ったのかもしれない。この作品のジャンゴのほうが、よりクールだったとは思う。タランティーノ版の主人公では、続編を期待できない。

政府軍の陣地を襲撃するシーンは良くできていた。あのシーンでは、札束をも袋に入れていたような気がしたが、後で倉庫にしまったのは金の小石のみ。札束はどうなったのか?ちょっと疑問に思った。私が何か見逃してしまったかも。

それに金の小石なら、簡単に持てる重さではないだろう。人間一人が担いで逃げることは困難では?細かい指摘だが。

独特のいい加減さ、演出過剰な面は他にも認められる。ジャンゴが機関銃を手にしたら、銃を持った連中はちりじりに逃げてしまうに違いない。映画のようにたくさんの人間が黙って撃たれるはずはない。横に回ってジャンゴのほうがやられるだろう。

棺おけを引きずって遠い道を行けば、棺おけが壊れてしまうはず。地面にこすれる部分から擦り切れていくはず。棺おけを持つガンマンは良いキャラクターだったが、何か荷車のようなものに積むべきだ。頭悪いのか?

ラストシーンも上手く行き過ぎではないか?いちいち問題視しては映画を楽しめないが、演出のための演出が多すぎると思う。この時代の後にニューシネマの時代が来たのも解る気がする。

ヒロインは美しい女優だった。マカロニウエスタンの女優は、本場の女優より美しく、表情もキリッとしていることが多い気がする。インディアン系の女優もセミヌードを披露する役割を果たしていた。娼婦仲間の他の女優達も、それぞれの役割をきっちりはたし、演劇のレベルを感じた。

そして、主人公を演じたフランコ・ネロは圧倒的な存在感。顔の作りとメーキャップが良かった。三船敏郎も素晴らしかったが、ネロも凄い。クリント・イーストウッドやジュリアーノ・ジェンマよりも迫力を感じる。

 

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