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2013年10月25日

アラスカ魂(1960)

20fox

- サービス精神 -

アラスカで新しい金鉱を見つけた主人公。仲間のフィアンセを連れてくる約束だったが、フィアンセは既に結婚していた。困った主人公は代替を用意する・・・

・・・ジョン・ウェイン主演のコメディ、またはラブロマンスだろうか?冒険、喜劇、詐欺話などのいろんな要素が詰まった娯楽作品。殴られたジョン・ウェインが目を寄せてダウンしたり、オーバーな効果音なども使われ、シリアスドラマを期待した人には怒られそうな作品。

単純に面白かった。真面目に観るとアホくさいが、娯楽に徹した楽しい仕掛けがたくさんあって、バラエティに富んだ内容の作品。たぶん、瞬間的な笑いに関しては子供にも受けるのでは?ドリフのギャグに近いセンスの笑いだから。昔の映画らしい雰囲気が感じられる。その分だけ、いい加減な感じもする。

ストーリーがかなり複雑で、主人公の仲間のフィアンセを連れに戻ったはずが、代替の女性を探すはめになり、地元のキャンプに参加して一騒動があって盛り上がり、アラスカに帰ったら金鉱の奪い合いの銃撃戦に参加して一暴れ、フィアンセ候補をめぐって仲間同士で騒動があり、さらには自分の金鉱を奪われそうになったら実力で対抗、そして女性との仲は・・・など、焦点がぼけてしまいそうな無茶苦茶な脚本のように思える。

殴り合いのシーンがおかしい。実際に大男達が殴り合ったら、血まみれで皆が歯のない状態になるか、一発で意識をなくす者だって多いはず。笑顔を見せる余裕など滅多にない。少々ギャグに振りすぎたのでは?作品自体がチャチに見えてしまう。喜劇こそ、大真面目に演じるべきだと思う。

歌のシーンもあった。若い流行歌手だろう、登場人物として出ていた人物が歌っていた。にやけたプレスリーのようだ。いろんな要素をごった煮にしている。

原作があって、元々は舞台劇だったらしいので、ごった煮の印象はそのせいかも知れない。次々と人が登場しては去り、ドタバタ劇を繰り広げないと舞台がしらけるので、これはそのままの段取りを使っていたのか?

ヒロインは凄く色っぽく、フランスのモデル出身のキャプシーヌという方らしい。演技もちゃんとサマになっていて、喜劇女優としても、お色気担当としても最高の存在だと思うが、マリリン・モンローほど有名でないのは不思議。整い過ぎた美形だからだろうか?それとも、お尻を振るなどの特色が足りなかったのか?天使のような美女がひしめくハリウッドでは、何かがないと生き残れないのだろう。

主人公のジョン・ウェインは木登りができそうな体型ではないが、代わりにスタントマンが活躍していた。木登りをさせる必要があったのかどうか理解できなかったし、撮影も明らかにスタントマンと解るような適当さで、少し考えが足りなかったのではないかと思った。誰かのアイディアに、他の人が反対できない状況だったのか?

他にも妙な部分も多少あった。複雑すぎる脚本のせいかもしれない。詐欺師が主人公達の金を奪おうと最初から狙っているのだが、主人公がいない間に、結局は何もしていない。誰かの店を乗っ取り、他の誰かの金鉱を狙っていただけだ。既に手を出していないとおかしい。

詐欺師役のアーニー・コバックスという俳優は良い顔をしていた。でも少し演技が過剰で、キャラクターとして皆の印象に残れるような悪役にはなっていない印象。そこまで目立つのを、主役らが許さなかったのかも。もっと小柄で卑屈でしつこく、上手に抜け駆けを狙うイヤラシイ悪役だったら面白くなったのに。

サービス精神に満ちた娯楽作品だから、バラエティ番組に面白いものがないときなど、この作品は万人にお勧めかもしれない。ほとんど出てこない原住民には何の配慮も感じられない・・・彼らの土地から金を奪って・・・なんの権利が・・・などと気にしても仕方ない。サービス精神に免じて楽しむべき。

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