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2013年8月29日

エンド・オブ・ザ・ワールド(2012)

Focus

- 最後の時の過ごし方  -

小惑星が地球に衝突することが確実になった。主人公は妻に去られ、自暴自棄になるが、気の毒な隣人のために行動する気になる・・・

スティーヴ・カレルとキーラ・ナイトレイが主演。DVDで鑑賞。たぶん、熊本では公開されていないのではないかと思う。でも、これは実に素晴らしい作品だった。ちょっとしたラヴファンタジーで、心温まる話。最後に人のために役立ちたいと願う姿に共感できた。

大作ではない。芸術的な価値が特に高いとか、傑作ロマンスといった大仰な表現には該当しない。小品で、佳作といった印象。恋人と観るには最適な作品。観た後に良い雰囲気になれそうな予感がする。別れそうな奥さん、旦那さんと観ても良いかも知れないが、反応はさまざまだろう。子供には向かないと思う。

ローリン・スカファリア監督自身の脚本らしいので、おそらく御自身が原案から企画したに違いない。素晴らしいアイディアで、全体を通しての雰囲気、狙い、そして俳優達の演技と演出が上手くマッチして、高いレベルの仕事だったと思う。静かな雰囲気。

スティーヴ・カレルが主人公を演じる場合は、普通なら何かドジをこいてドタバタした喜劇があるだろうと考える。でも、この作品では二枚目俳優が演じそうなキャラクターを真面目に演じており、彼のキャスティングの理由はよく解らなかった。かえって、この作品にレオ様みたいなスターが出演していたら、新境地につながったような気もする。でも、カレル氏の演技も悪くはなかった。

キーラ・ナイトレイは、この作品ではスタイル、色気の面は強調されていなかった。せっかくのスタイルも、ダブダブの衣装でほとんど解らない。どちらかと言えば変人、人生の成功者ではない人物、どこにでもいそうな普通の女性の役で、それがかえって魅力的に感じた。

地球滅亡を扱った映画は、流行のCGで派手に閃光を見せたり、ダイナミックなシーンがきっとある。それを排除したら、観客ががっかりしそうで怖い。あえて、それを試みた勇気ある選択、アイディアに感心する。

悲劇的な面をどのように描くのかが難しい。あまりドタバタ喜劇的に描いても、やがては違和感が訪れるし、疎遠になった家族との和解の話ばっかりでも時間が持たないし、暴動ばかりのサスペンス映画でもワールドウォーZで食傷状態。主人公二人の関係に重点を置く演出が最高に冴えていた。

もし地球が壊滅的な災害に見舞われたら、いったいどうやって過ごすだろうか?と考えずにはおられなかった。仕事をするはずはない。基本的に人を長生きさせる役割だから、大災害に対しては存在意義がない。診療所は休診にせざるをえない。

普通の会社は総てそうだろう。電力会社、電話、ガス、交通機関は、家族のもとに戻ってすごし、友人らと話す人は増えるから、絶対に必要なインフラになるが、その社員の最後は?と考えると、どうなるか解らない。停電して、暗い世界で最後を迎えることになるのだろうか?ローソク、ランタン屋が儲かる?

教会やお寺、神社は大忙しになるのだろうか?やはり神頼みする人は増えると思う。創価学会や幸福の科学はどうだろうかと、少し気になる。逆に、もはや神も仏もないと、最後は誰も寄り付かない可能性はないか?

私は家族と過ごそうと考えるが、子供達は家内といっしょにお婆ちゃんの家にさっさと集まり、自分だけ置いてけぼりとなる危険性もある。娘は?と探すと、彼氏にべったりかも。こんなに遊んであげている末っ子だけは・・・と期待しても、やはり母親に抱きつくのだろうか?冗談ではなく、本当に孤独に死んでいく結果もありうる。

互いに感謝しながら死ねるだろうか?私はそうしたいと願っているが、家内は違うかもしれない。この際と悪態のかぎりをつくし、包丁でも投げてくるかも。浴びるほど酒を飲んで、2~3週間酒びたりになり、地球より先にあの世に行くのも仕方ないかも。

眠ったまま死ぬことを願う人もいるはず。滅亡の時間が解っていれば、眠剤を大量に飲んで寝てしまうこともできる。一瞬で事が終わればいいが、高熱や低酸素で苦しみながら死ぬことを、あえて選ぶ意味はない気がする。

生き残りを考えるなら、やはりシェルターに隠れ、食料品や日常雑貨の保管の努力をすべき。これは、小惑星の規模や場所、衝突の可能性による。生き残れる可能性が少しでもあれば、これを選ぶべきと考える。でも、いったいどこに行くのか?

衝突が太平洋付近なら当然山の上が望ましいが、衝撃でマントルまで襲ってくるような大災害なら、たぶん生き残らないほうが幸せだろうから、海に出かけたほうが良い。大西洋付近なら、チベットの奥地がお勧めか?でも移動は難しいし、衝突後に氷河期がやってきたら、急いで赤道付近に行かないといけないので忙しい。

たぶん、反省好きな私のことだから皆に謝って回ると思う。どんなに謝っても、皆が死んでしまえば、あまり意味があるわけではないが、いくぶんか自分の心の慰みになるような気がして甘えたい。「いまさら謝ってもねえ。」と言われたら最悪だが。

 

 

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