映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主


Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« ローン・レンジャー(2012) | トップページ | ルルドの泉で(2009) »

2013年8月20日

ナイアガラ(1953)

20centfox

- 今ならデブ -

ナイアガラの滝にやってきた若い夫婦は、中年の男と美女のカップルを知る。やがて、滝を舞台に殺人事件が発生。中年の男が自殺したかに思えたが・・・

・・・20世紀フォックスのサーチライトの画像が異様なほどに古い。当時はあれでカッコイイ画像と思っていたのだろうか?ギャグのような印象さえ受ける。

映画の宣伝文句を見ると、サスペンスとモンローの文句を繰り返して、何とか印象づけようとしていた印象。そのせいか、この作品でモンローの株は大きく上がったそうだ。スターを盛り立て、話題にすることで映画も盛り上げる戦略だったのだろう。あんまりクドク繰り返されるので、そこまで強調しなくてもいいような気がしたが、あれが当時流の宣伝方法か。

サスペンスのほうは、今ひとつだったような気がした。種明かしが早すぎる。観客に真相を探らせるようなことは全く考えていなかったのか?ラストにはスペクタクルが用意されていたが、当時の技術では今のような迫力は期待できない。明らかにスタジオで撮影しているなと解ってしまう。

モンローが何を狙っているのか判らないような演出があったら、もっと盛り上がったかもしれない。もしくはダンナから暴力を受けるか、ひどく罵られて気の毒な状況であるなど、同情の余地があれば良かった。観客がのめりこめるように、丁寧なプロットがあったほうが良い。

彼女のお尻だけで観客が同情すると思ったのか?確かに、それだけでも魅力的ではあったが、今の時代の感覚ではやや疑問のような気もする・・・

ドラマのほうの盛り上がりは、そこそこは感じた。ジョセフ・コットンの表情が良かったからかも知れない。「第三の男」の頃の彼は若者という印象だったが、この作品では中年の悲哀のようなものが出ていて、いかにも軍隊上がりの悩める人物でありそうな雰囲気だった。

若い夫婦を演じていたカップルは、ちょっと動きや表情に無理を感じた。特に夫のほうは歩き方がおかしい。

脇役で、若夫婦を接待する会社重役はおかしかった。元気が良過ぎて、人を引き回してしまう人物の再現が素晴らしい。

この作品は、既に古典の域に達している。家族で観たり、恋人と観るのは、もはや現実的ではない。楽しむことは難しいように思う。子供にも無理。飽きられてしまうだろう。

ナイアガラの景色を見るのには悪くない。ロープウェイが写っていたが、自分が観光した時には気がつかなかった。この当時しかなかったのかも。でも滝つぼを航行する船は、今も当時もあんまり変わりないようだ。

滝の直ぐ上流の流れは確かに速かったが、映画で見た距離の段階なら、岸を目指して泳ぐことは充分に出来そうな気がした。掴まる物もないないような川ではなく、所々に島のような洲があって、女の人でも泳いでたどり着けそうな気がした。水量が多い雪解けの時期などに限らなければ、たいていは助かると思ったが・・・

モンロー嬢は素晴らしかった。悪役なんだが、色っぽくて浅はかな感じが上手く出ていて、作品のキャラクターに合致していた。モンロー・ウォークは思ったほど頻繁に写ってはいなかったが、肉がだぶつきそうなお尻は今では流行らないだろうなあと思いながら見た。

死体の顔を見て驚くシーンや、恐怖の表情を見せるシーンでは当時のレベルでは適度に演技していたようだ。今日では、おそらくもう少し声をあげるのが普通かも。でも、それでは可愛らしい悪女にはなれないのも確か。

ダンスに興じる若者を眺めながら、目を細める独特の表情を見せるのが彼女のウリだと思う。あの表情は、この作品くらいから目立つ。あれは今では近眼かなと思われるかもしれないが、セクシーさを強調した武器となったように思う。

モンロー嬢は、セクシーな悪女役としてのイメージを続けるか、またはコメディにも挑戦して役柄を拡げるか、純愛物語のヒロイン目指すか、クレオパトラ風の大御所女優の路線を目指すか、いろんな選択肢があって、かなりの部分は成功していたと思う。幸運もあったろうし、自分でも激しい売り込みをやっていたのだろう。

もしかすると、本当に政治家の奥さんとして、とことん上流階級にのし上がろうと思っていたのかも知れない。大統領の愛人になれたようだから、他のVIPの愛人や正式な奥さんも可能だったと思う。この作品では、売り出し中の彼女の、そんな激しい意欲を感じた。

 

« ローン・レンジャー(2012) | トップページ | ルルドの泉で(2009) »

無料ブログはココログ