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2013年6月19日

ロックアウト(2012)

- 痛快アクション映画  -

CIAエージェントのスノーは、任務中に濡れ衣をかけられ刑務所送りとなる。しかし刑務所で暴動が発生し、大統領の娘が人質になる。救出を命じられた主人公だったが・・・

・・・期待しないで観たら、非常に躍動感ある痛快な映画だった。近未来の地球と、人工衛星の間で起こる活劇の表現やストーリー、主人公のキャラクターなどが実に上手く調合された高度の出来栄えを感じた。

フランス映画になるらしい。ハリウッド製の作品と少し作風が違っていたかもしれない。その関係で、ハリウッド流わざとらしさが減り、出来栄えの良さにつながったのかも。

ロックアウトは、カギを忘れて閉めだされた状況をさすと思っていたが、ストライキで工場を占拠された状態を差すほうが一般的らしい。この作品では通信を遮断され、内部を把握できなくなった状態を意味していたようだが、たぶん軍隊が反乱勢力と交渉する際に、通信が取れた状態、遮断された状態でロックアウトかどうかと定義しているのか?

主人公を演じていたのはガイ・ピアーズで、どちらかと言えば細身の俳優。元々はボディビルダーだったらしいから、筋肉質ではあるのだろうが、兵士としてアクションを激しく演じることは多くない。「メメント」「ハート・ロッカー」などでも、アクションが中心だったとは言えない。今回のキャラクターは、ジェイソン・ステイサムのような純粋のアクション俳優の役柄だった。

Lockouteuropa

冒頭で尋問中に殴られるシーンが秀逸。タフでとぼけたキャラクターを際立たせ、一発で好かれる効果があった。実際には防御しないで殴られたら意識朦朧となり、下手すれば話すらできなくなると思うから、完全にB級映画向きの演出だったが、効果は抜群だった。

アクションは実に凄かった。特にバイクで逃走するシーン。走行中のスピード感も半端ではなかったが、駅に飛び込んで体が滑っていくシーンの迫力は、実際に滑り込んでいったようにしか見えないほど。あれはハリウッド映画のスタッフがやっていたのでは?CGに関しても、おそらくハリウッド~東海岸~ヨーロッパの区別はないと思う。独立プロダクションに依頼して、高度な合成がなされているだろう。

刑務所となっている人工衛星内部のアクションは、CGが少なくて実際の組み手がほとんどだったが、これも現実味を感じさせながら、無理のない程度の迫力を維持し、センス良くまとめられていた。あんまり主人公が強過ぎるとおかしい。カンフーアクションも宇宙船内部でやらかすのは興ざめする。

Lockouteuropa2

重要な敵役は、痩せた犯罪者だった。気味の悪い表情、優れた兄に怒られながらも最後までヒロインに迫ってきた怪人ぶりは素晴らしかった。敵が腕力に優れている必要はない。その方面は他の役者に任せて、自分は変人ぶりを担当すればいい。今回の変人は大成功。

ヒロインは、意外に色気が足りない印象。普通ならアクション映画のヒロインはセクシーな胸や足を必要以上に見せることが多い。ラブシーンらしき濡れ場もほとんどなかったが、これも考えあってのことだろう。逞しい女性をヒロイン像にしたのか?

もう一人、政府内部で主人公に指示を下していく黒人スタッフも存在感があった。特にストーリー上の工夫が素晴らしく、よく考えてあった。ハリウッド製映画との違いの一つかもしれない。

この作品は、おそらく大半のシーンは子供も観れないことはないと思うのだが、途中でクビが吹き飛んだりするので、R指定と考えたほうがいい。恋人と観るには悪くない痛快なアクション映画。

疑問点がある。宇宙服を着て地球に落下した場合、どのようになるか?去年だったか、気球に乗って成層圏からダイビングした冒険家がいた。あれは、いちおう大気圏内の話なので、気圧が低いこと以外には問題はないと思うが、大気圏外の場合は、まず熱に耐えられるかどうかが問題になると思う。服の素材では、まず無理では?

また、重力の表現も気になった。落下し始めて直ぐは、おそらく急激には落ちないのでは?衛星軌道に乗っているわけだから、慣性が働いて無重力に近い状態だと思う。また、宇宙船内部は重力発生装置なる物がある設定だったが、変な換気扇かドリルのような装置で重力が生じるのか?宇宙空間で重力が出るのは、普通なら遠心力か移動による慣性だけだろうに。細かいが、そのへんは再現しても良かったのでは?

 

 

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