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2013年6月22日

電車男(2005)

- キターーーー! -

通称‘電車男’が、ネットの仲間とともに恋人を作ろうと悪戦苦闘する物語。BS放送で鑑賞。

主人公の仲間が、ネット上で交わす反応が面白い。他の映画でも最近は珍しくない構成だが、「キターーーー!!!」「おK」などの独特の表現法が楽しく、この作品の魅力になっている。

ネット仲間には、おそらく引きこもりと思える青年、会話をなくした夫婦、オタク童貞集団、いかにも失恋しそうな看護師などがいるが、それぞれ役柄に合った俳優達が演じていて、存在感があった。

でも、彼らが駅のホームに並んで主人公を励ますシーンは、センスが古い印象。青春映画のノリは、この作品にはそぐわない。CG、あるいは絵文字などネット上のアイテムによって友情を表現したほうが良いと思う。    

Touhou

ヒロインの中谷美紀は、ずいぶん痩せている。額に青筋が目立ち過ぎていたので、照明方法を少し調整すべきではなかったかと感じた。年齢的にも主人公との釣り合いに多少の無理があったようにも感じたが、清楚な雰囲気は上手く出していた。

主役の山田孝之は、やみ金ウシジマ君で有名だが、この作品の役とは全く正反対で、同じ人物が演じているとはとても思えない。この作品の演技は、個人的にはやり過ぎで、うわずった口調は少し抑えたほうが良かったとは思った。

こんな役は、森山未來の独壇場と思っていた。想像するに、森山のほうが良い味を出せたのではないか?と言うと、山田君はめげるかもしれない。 ・・・_| ̄|○ ・・・ テレビ版の伊藤も、おそらく真面目そうな雰囲気がイメージに合っていると思う。 ・・・_| ̄|○ ・・・

恋人をほったらかしにして、ネット仲間に意見を聞くシーンが、主人公の情けない状態を象徴していた。普通なら、こんな男とは直ぐに交際を止めるほうが良い。ヒロインのエルメス嬢は、よほど男に困っていたということだろう。普通の感覚では無理。

さて、この作品、子供達は楽しめるのだろうか?テレビシリーズになったらしいので、たぶん面白く感じてくれるのではないかと思う。恋人と観るのは、今でもオススメ。妙な主人公だが、いちおうは純愛物語になっているから。

この作品には原作者がいないらしい。あるスレッドが評判になって、自然発生的に劇画化、映画化されたそうだ。そもそも本当の話なのか、誰か作者が作った話なのかが明確でないという。でも真相がどうでもよいのは間違いなく、あら捜しをしないほうが夢がある。ただ、こんなスレッドが長く続くと、荒らそうとする連中が多数酷いことをするから、管理人がきっちり仕事をしない限り、存続は難しい。少なくとも何かの管理はあったはず。あるグループの仕事だった可能性は高いかも。

スレッドを簡単にまとめたサイトがあって読んでみたが、エルメスのカップをもらった時に、参加者が一気にヒートアップしている。それこそ、キターーーの連打、(( ;゚д゚))アワワワワ。の連続。エルメスがいかに偉大なブランドか解った。

複数の参加者によるBBS形式のネット会話は面白い。短文の中に愛嬌を入れるため、省略や独特の表現法が開発され、進化し、ひとつの文化が形成されている。内向きの文化とは思えるが。実際に何かのスレッドの文章を読んでると、そのままでは解らないほど独特な文章になっている。一般人用に加工が必要。

「モテキ」の中でもメールでの対話が紹介され、それを勝手に職場の仲間が盗み見して笑うシーンがあった。SNSに参加していないので解らないが、たぶん次々新しい形式のサイトが登場しているんだろう。複数の人間が書き込んで勝手な意見を言うのは楽しいが、やはり荒らされる危険性が高いだろうから、管理は難しい。

また、本格的に参加するためには時間的拘束が問題になる。仕事中も参加して、中毒になってしまうことも考えられる。できればネット利用は最小限にしたほうが、健康には良いはずなんだが・・・

この作品、引きこもり、オタク傾向の強い青年達が、外に出て行こうとする希望を持てる点は素晴らしい。それがテーマのひとつになっている。つまり、ネットに夢中になってることが健康的でないことは参加者達も自覚しており、常識なんだ。それが解っていて参加するのは、ほぼ麻薬のような意味合いもあると言えるかも。 (・∀・)ノシ

出会いや恋愛の形態も時代によって変化するとは思うのだが、私が今の若者であったとして、こんな形態に魅力を感じるだろうか? おそらく、普通に合コンしてても気に入られる確率は低いから、夜を徹してネット上で相手を捜そうと頑張ったかもしれない。もし誰かに出会ったら、情けないなあと思いつつ主人公と同じく、アドバイスを頂こうとしたかも。

自分には積極性がなく、出会いが少なかった。結局、学校や職場以外ではまともに話した人もほとんどいない。それでは世間が狭すぎる。なかなか積極的に出会いを求める気持ちになれていなかった。

恋愛も難しい。若い頃は落ち着いて異性と話すことはできなかった。自分にそんな魅力もないと自覚していた。卑下しすぎていたのか、それともペラペラ話せる連中は、もしかしたら自分を過大に評価していたから話せたのだろうか?親密でないとしても、付き合って相手の考え方を知ることができていたら、もっと豊かな人生になってたろうに。

 

 

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