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2013年6月16日

若草物語(1949)

Mgm

- 江戸時代末期! -

南北戦争に従軍した牧師の家族の物語。妻と娘たちが、裕福ではないながらも仲良く暮らし、不幸を乗り越え新しい人生に乗り出していこうとする話。

・・・名作映画シリーズで紹介される作品だが、初めて鑑賞。DVDの質はあんまり良くはない印象。でも、声を聴き取り難いほどではなく、充分鑑賞に耐えられる程度だった。

出演者の中で主人公と言えるのはジューン・アリソンという女優さん。活発な娘であることを強調するために、冒頭で柵を乗り越えるシーンがあったが、演出過剰な気がしたものの、可愛らしい娘さんが演じるので嫌な気はしなかった。

長女役はサイコで殺されるジェネット・リーだったが、メイクが全く違うので、古風で目立たない女性のような印象しかない。演じ分けも完全にできていたということだろう。浴槽でギャーと叫ぶシーンはもちろんない。エリザベス・テーラーが3女役で出演していて、こちらは非常に有名。有名子役のマーガレット・オブライエンも名前だけは知っていたが、観たのは初めて。いずれも可愛らしい女優達。

それぞれの人物の個性を強調し、しかも愛らしさは大事に描き、物語もちゃんと解りやすく解説しており、手馴れた手腕を感じる。でも、それは逆に古めかしい演出とも言える。安心して観れるから、本来は家族で観る映画だと思うが、今の子供達は飽きるかも。現代の恋人達が観るのは、ちょっと趣味の面で無理を感じる。

この作品の舞台となった時代はリンカーンが大統領だった頃だから、日本では江戸時代の末期ぐらいか?そんな頃に、こんな暮らしをしていたのかと思うと、多少の演出はあるとしても、やはり文明の違いを感じる。

でもたぶん、日本の家のほうが衛生的だったかもしれない。掃除=命といった衛生観念の発達した女史が多かったはずだし、土足とそうでない家との違いもあったろう。アメリカは乾燥した大地だし、家の大きさから考えて掃除も大変なので、映像では解らない埃が舞っていたかも。

末の娘さんが猩紅熱に罹患していたが、当時だとそのまま心臓弁膜症や腎炎に移行する子も多かったに違いない。体が弱くて・・・というより、後遺症から脱出するのが難しい慢性の病態に陥ってしまうのを、ただ見守るしかできないのは家族にとって辛いこと。

食べ物は、出演者達は貧乏と言いながら凄く豊かな物を食べているように見えた。江戸時代の日本のほうが低カロリーで現代風に言えばヘルシーメニューだったろうが、おそらく御飯と漬物が中心の偏った内容だったに違いない。「武士の家計簿」の記録を読んだら、通常はそんな食事だったようだ。娘さんたちのようにケーキで喜んだりはできなかったろうが、代わりに和風のお菓子は楽しめたろう。

娘たちの家の広さは、偉く立派に見えた。構造の違いか、地震のあるなしの違いか、幾部屋も持って日本なら結構裕福な家庭でないと持てないような作りの家だった。庭も日本なら考えられないくらい広大な面積。日本だって、土地がないわけじゃないから、一軒一軒の敷地をもっと大きくするといいのに、皆が貧乏性に慣れているのか?

実際に当時の人達は、映画のような会話をしていたのだろうか?現代風の味付けをしていたのか?「・・・でござる。」「拙者・・・」といった、同時期の日本のような古めかしい言い方はなかったのか?セリフの言い回しに、もしかすると時代劇のような違いがあったのかもしれないが、私の英語力では同じにしか聞こえなかった。

原作は1860年頃には刊行されていたそうなので、当時の言葉のままの会話があるはずだ。今のアメリカ人が違和感なく読める言葉だろうか?

この当時の牧師の家庭は、こんなものだったのだろうか?経済的に没落したというセリフから考えると、この牧師さんは株か別な商売をやっていたのだろうか?日本の牧師は株取引にはそぐわない印象があるが、宗教で禁じられているのでなければ、結構稼ぐ牧師もいるのかも。悪徳企業に投資しても、それはそれで彼らは納得できるのか?

没落といっても、私より裕福な家庭に見える。ヨーロッパ旅行するなんて、今と当時では予算の規模が違うと思う。数ヶ月かける間に、いったいどれくらいの金を使ったのか想像できない。今の日本の感覚だと、数百万ではすまないのでは?飛鳥Ⅱのクルーズの料金を見ると、世界一周は平均でも500万くらいと書いてある。

お金持ちの叔母さんの家は、いったい何をやっていたのだろうか?まさかインディアン相手にウイスキーを売った商売人や、元奴隷商人なんてことはないと思うが、もしそんな商売だったら、この美しい物語も結構怖ろしいものになる。

 

 

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