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2013年4月29日

映画クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル(2013)

Etc
- 集客力  -

B級グルメの祭典を、A級グルメ志向の集団が占拠。ヤキソバが食べられなくなる。B級側の切り札は、秘伝のソース。それを巡ってしんちゃん達とA級側が対決・・・

・・・と、書いていてバカバカしくなるようなストーリー。誰が構想を練ったのだろうか?

末っ子の希望で劇場で鑑賞。その日は雨だったので仕方なかった。しかし、さすがに映画代がもったいなく感じた。客の入りは数十人くらい。土曜の午後、封切り日にしては人気が今ひとつだったかも。

敵に捕まった後、飛行船から脱出するシーンは面白かった。森に迷って食料が不足し、自分のお菓子を隠そうとする話、互いに責任を押し付け合い、仲間割れする子供らしい言い争い。あれは実体験にヒントを得たのか?私が子供の頃にもあったようなパターン。

シリーズの数年前の作品、戦国へのタイムスリップの話は高級だった。その後、実写化されたくらいだから、訴えかけるものがあったと思う。ギャグ映画でも、その路線や演出次第では完成度の高い作品ができる。路線をどうするかが難しい。

涙を誘う話ばかりでは、シリーズ本来のギャグや下品さが生きてこないから、ナンセンス路線に戻った今回は、派手なギャグにこだわってよかったと思う。

シリーズには必ず変態的な悪人が出てくる。小さい頃のトラウマによって妙な趣味を持つようになり、その趣味を押し付けてくるような変人が首領であるのがパターン。今回は、グルメ趣味がそれだった。

敵役のキャラクターが大事。敵が魅力的でないと、子供でさえ興味を失ってしまう。今回の敵は、キザぶりが足りなかったように感じた。グルメ評論家のウンチクを長々と語って聞かせ、皆がしつこさに嫌悪感を抱き、失笑を買うような傲慢さが必要だった。

敵の首領は幼少時から高級趣味に教育されたという設定だったが、それだけではキャラクターとして生きない。イヤミさ、自慢、ウンチクなどを強調する演出がもっと欲しかった。

B級グルメ側のヒーローは高倉健をイメージしたようなヤキソバ屋の親父だったが、確かにヘラを持っているし、ヤキソバを作る時には素早く仕上げないといけないから、自然と寡黙で必死に手を動かしている様になり、ヒーローには向いていた。寿司職人ではA級に近くなるし、タコヤキ屋では武器としてスピック一本という無理がある。ヤキソバしかない。

脇役として、彼に心を寄せるホステス風の女や、イタリアンシェフの川越氏も出ていたが、いずれもキャラクターとしては今ひとつ。川越シェフがなぜ登場していたのか疑問。自らB級であると宣言しているのか?実に珍しいキャラクター。シェフといいつつ充分な修行は積んでおらず、タレント性で売っている。

国内の一般的イタリアン料理の場合は、それでも経営的には成り立つと思うが、本格的なレストランからすると許されない人物だと思う。宮崎シーガイアのホテル内部には川越ブランドのレストランがあったが、名前に釣られて行く人もいるのか?

誰か料理店経営者が彼を取立てて、店の雇われ店主にしたことが成功のきっかけらしい。若い女性が集まれば評判になるから、集客力につながる。イタリア料理の場合は、本当の腕が解る人は限られていると思う。イケメンタレントを店主にする発想は正解だった。ただし、人気が出過ぎると独立してしまうので、店側の長期的な戦略としては難しい。

いっぽう、この映画の集客力は、やはり魅力的な個性の構築がカギだったと思えるので、私には疑問に思えた。

 

 

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