映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主

  • 乙女座 AB型 どの占いでも最悪の運勢 内科クリニックやってます。

Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« 50回目のファーストキス(2004) | トップページ | アイアン・スカイ(2012) »

2013年4月20日

コロンビアーナ(2011)

Europaco 

- 少女が素晴らしい -

コロンビアマフィアに両親を殺された少女はアメリカに逃げ延びる。そこで叔父に殺し屋として育てられ、復讐に乗り出す・・・

・・・・リュック・ベッソン監督の出世作「ニキータ」と同じ系統の作品。女殺し屋が活躍するストーリー。今回のヒロインはよりセクシーで、より重い過去を引きずっている。クールな殺しぶり、ヒロインの表情は「ニキータ」以上だったかもしれない。

コロンビアーナは、コロンビア人という意味だと思うが、最初は少女の偽名、または殺し屋としての仮の名前かと想像していた。劇中でヒロインがコロンビアーナと呼ばれることはなく、勘違いだったようだ。

少女時代を演じていた子役の表情が素晴らしかった。賢こそうで、身軽で、いかにもヒロインとして成長しそうな美しい女の子だった。真直ぐに表情を捉えたカメラの位置や、少女の表情、敵役の質問の仕方なども総て非常に迫力あるシーンだった。

他の映画でもよく出てくるスラム街を下に下りながら逃げるシーン。ボゴダが舞台なのか?あんなに家々が密集し、水道や下水施設等はいったいどんなになっているのだろうかと気になる。あんな街の公共設備を維持できるなら、そこはきっと素晴らしい管理が出来る国となるが・・・

ヒロインを演じていたゾーイ・サルダナは、細身でしなやかな動きをしていて、とてもセクシーだった。軽くダンスを踊るシーンは、この作品の趣向から考えると余計だったような気がしたが、セクシーさにおいては素晴らしい。

もともとはバレリーナらしいので、しなやかな動きに関しては問題なかった。ただし、あまりに華奢な感じもあり、殴り合いには無理を感じた。隠れること、素早く忍び寄ること、的確に武器を使うことのほうに重点を置いたアクションの方向ではいけなかったのだろうか?

なぜだか解らないが、「ニキータ」のヒロインのほうが悲しさを強く感じてしまった。ニキータは肉親を殺されたわけではなく、ただの不良あがりだったと思う。感情移入させたのは、恋の話や脇役だった「掃除屋」などの存在ではないか?

この作品の脇役としては、悪役ボスの手下が最も目立っていたが、「掃除屋」ほどのインパクトはない。そのせいだろうか?もっと残虐性を際立たせると印象深くなったろうが、R指定度が上がって興行的にマイナスになるからダメだったのか?

風呂に入りながらライフルを抱えて標的を殺すシーンは、ニキータの焦りや悲しみを感じる緊迫したシーンだった。今回は拘置所内部で敵を倒すシーンには緊迫感を感じたが、何の趣向が足りなかったのか?

個人的には、彼女が自分の運命を呪う設定が足りなかったと感じた。自分は復讐を最初から望んでいたわけではないのだが、敵が次々と肉親を襲うのでやむなく殺し屋になるほうが、観客の共感を生むと思う。その点がニキータと決定的に違っていた。これが決め手だったと私は思うんだが・・・

ヒロインがシカゴで世話になる叔父さん役はオーストラリア出身のはずだが、これもドスの効いた役者でコロンビア出身の犯罪者として違和感がなかった。でも演技の仕方は、東映ヤクザや香港映画と同じような印象で、ちょっと無茶な印象も受けた。

少女に生き方を理解させるために、走ってる車をいきなり銃撃するもんだろうか?それこそ直ぐに捕まってしまいそうな気がする。オーバーに演出するヤクザ映画独特の表現方法だったのだろうが、リアルさを失ってしまうから良くなかったと思う。

そこで思うに、この作品は香港ギャングや東映ヤクザ映画が好きな人を対象と考えるべき。あの手の映画が嫌いな人には、たぶん受けない。恋人と観る作品としては、非常に勧められるものではないと思うし、子供にも同様。

小さいことかもしれないが、FBIの追っ手から逃げる途中、同じマンションの別な部屋に侵入し、住人をドツイて天井裏から狙撃銃を取り出していた。あの住人はどうなったのか?可哀想だと思うんだが、そんなことを気にしていたら映画にならんだろうなあ・・・

 

« 50回目のファーストキス(2004) | トップページ | アイアン・スカイ(2012) »