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2013年3月17日

映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)(2013)

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- オリジナルの限界か -

ドラえもんの首の鈴が奪われた。鈴は思い出の品らしい。鈴を追って未来に来たドラえもん達は、そこで秘密道具の博物館に潜む謎の怪人と対決する・・・

・・・・今回のドラえもんは復刻版ではなく、新規のストーリーだったようだ。画像に関しては最近のシリーズに共通するプロダクションが大勢参加していたようだが、気のせいか日本のスタジオが大半を占めていた。制作費をケチって海外のスタジオに頼むと、何かセンスの違いを生じてしまうから、そこを検討したのかも。

上の画像の擬似太陽。恐怖の対象として最高の設定だったと思う。さあ、これを解決するために、今までのドラえもん達なら血まみれになりながら泣きながら、必死の戦いを繰り広げていただろう。でも今回は冗談みたいな解決策。盛り上がりを破棄してたのでは?

今回は普通のストーリーだった。鈴には何かの謎があるらしいという設定があり、それに加えて怪人の存在、のび太とドラえもんの友情、友人達との協力、複数の敵の登場、敵にも何らかの事情があること、壮大な建造物、異空間の中でのスケールの大きい戦い。それらはシリーズに共通する特徴。今回の話が特別目立った点は特になく、可もなく不可もなしという評価になるのだろうか。

だから最近のネタギレ気味だった復刻版作品の中では、高い仕上がりと思う。結果的に拍子抜けになった感がちょっと後味を悪くしたと思うが、子供たち、家族で観るのは可。非常に受けるとは言えないかも知れないが。恋人とはまず止めたほうが良いのは当然。

我が家の子供達も随分成長し、末っ子が小学校2年生で、ぎりぎり観たい気になるようだが、中一の次男は他に映画がないから仕方ないので鑑賞する状況。つい最近まで強硬にねだっていたので急な変化。こうやって皆が成長し、自分は老いさらばえていくのかなあと寂しくなる。周りの観客席を見ても、他の父親とは一世代違う気がした。

ドラえもん達の声優が代わってから、感覚的になんとなく慣れないままでいる。イメージが長い間に固定化されてしまっているようだ。今の子供は直ぐに慣れるのだろうが、そもそもドラえもんシリーズがいつまで持つのか解らない。来年分は製作決定だそうだが、そのうち終了後に何も次回作が決定していない状況になったら、非常に寂しいだろう。

今回は悲しい話ではなかった。誰か悲劇のヒーローが何かを回復するために戦う、それをのび太達が助力し、緊迫した戦いのシーンがあり、涙の別れが来る、そういった流れから少し外れていた。

今回の復讐の鬼のような存在は名誉を失った老博士だったが、彼はヒーローではなかった。共に暗躍する少年達も、ヒーローや悲劇のヒロインといった共感する対象ではなかった。その点が解せない。ヒーロー、ヒロインのいない子供映画はヒットしうるのだろうか?製作者達がどう考えたのか、気になる。

以前のシリーズなら、絵は子供抜きでもストーリーは大悲劇だった。活躍した怪盗が、厳しい捜査によってついに捕らえられる。しかし、怪盗には悲しい過去があったのだあ!警察が正しいとは限らない、むしろ悪玉に騙された手先である!本物の悪者を暴きだせ・・・といった過去の流れではいけないと判断したのか?過去の物語と似てはいけないという、何か権利上の問題か?オリジナルストーリーは作りにくいのか?子供映画に帰ろうという判断?

テーマとなった友情の描き方は素晴らしかった。でも涙が出るほどの熱い友情秘話ではなかったが、あのほんのりとした友情の感覚は、子供時代にさかのぼる懐かしさを感じた。いつも熱い想いばかりでは疲れてしまう。

ただし、懐かしいと言っても自分は友人達の好意を理解しきれていなかった気がする。当然そうするといった傲慢な感覚で理解してしまい、彼らをがっかりさせたのではと気になる。自分は将来この町にはいられないのだと、子供の頃から思っていた。田舎町で産業もないし、家に財産もないから、出るしかないのは当然。よく遊んでても、一生の付き合いとは違うような予感がしていた。誰でもそうだろうか?

とにかく、この作品は大人も泣けるほどの感動作ではない。映像のセンスが向上し、安心して観れる作品だが、劇場にぜひとも行くべき映画とは思えなかった。子供でも感動作を期待する割合は高いのではと私は思っているのだが、これも私だけの考えだろうか?

 

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