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2013年1月25日

ケープ・フィアー(1991)

- スペクタクル? -

ある弁護士のもとに、かって弁護を担当した人物がやってきた。彼は獄中で法律を勉強し、自分が充分な弁護を受けていなかったと考えたらしい。弁護士に対する男の復讐が始まる・・・

テーマは何だったんだろうか?究極のサイコキラーの表現?ヒチコック・スタイルの踏襲? 法律家のモラルへの警鐘?とにかく、復讐する男を演じたロバート・デ・ニーロには鬼気迫る迫力があった。作品の狙いや意味はよく解らないのだが・・・

監督がスコセッシとなると、「タクシー・ドライバー」と同じコンビ.。当時から15年も経っているのに、デ・ニーロは充分に若く、またまた役のためにトレーニングをしたんだろうと想像。贅肉がない体を冒頭で見せていた。昨今はさすがに贅肉だらけになってしまったので、役柄にも影響しているように思う。

裸のシーンは、効果的な映像だったのだろうか?いかにトレーニングしようとも、大男に棒で殴られたら簡単に反撃できるはずはない。贅肉も打撃に対する緩衝材になるから、殴られ強いのは太った人間のはずである。今回は知的な戦いに絞るべきではなかったろうか?襲おうと計画したけど、相手はちゃんと見張りを用意していて通報され、警察の邪魔が入って襲撃は最初から失敗し、弁護士先生が窮地に陥るといった流れが望ましい。

用意周到に戦うなら、デ・ニーロ氏はまずボディガードを雇うべきだったかもしれない。それなら、万が一の攻撃にも安全性が増す。彼はなぜそうしなかったのだろうか?いかに体力があっても、武器を持った複数の人間に襲われたら無事で済むはずがなく、そうすると復讐も果たせないはず。

彼が弁護士を体力まかせに襲ったりしなかったのは正解だった。暴力沙汰を起こせば、有利なのは弁護士側のほう。知的に、法的に葬る陰険な戦いが効果的である。もちろん、相手が法律家なんで、簡単にはいかないだろうが。

ラストはスペクタクル映画風であったが、スタジオで撮影していることが感じられる映像で、少し興ざめしてしまった。大変な風雨の表現を充分にやっていても、それまでの流れとは趣きが違うせいか、嘘っぽく感じられた。これは私だけだろうか?

この作品はリメイクだそうだが、脚本の権利上の問題がない限り、襲ってくる敵は暗がりのどこかに潜み、なかなか正体を現さず、しつこく恐怖を味わわせるだけで姿を見せないほうが良かった。サスペンスは必要だが、スペクタクルは必要ないはず。客は、最後のような映像を期待したとは思えない。

この作品での流れは、実際にも起こり得ることなんだろうか?弁護士が自分のクライアントの弁護の手を抜くなどは滅多にはない話だと思うのだが、凶悪犯の場合はないとも言い切れない。他者には解りにくい手段で、こっそり非積極的な弁護をするといった方法でならあるはず。実際に、法律に詳しくない素人の犯罪者は、不当に扱われたことがないとは言い切れない。だから、ありえる話。

刑務所で法律を学ぶことは、おそらくアメリカの刑務所なら可能ではないか?かなり自由が利くらしいし、時間はたっぷりあるはず。でも自分の捜査資料や裁判記録を自由に見ることもできるのかは知らない。内部の記録を開示させる場合には、おそらく日本の場合は担当した弁護士の許可がいるようなシステムではないか?本当は、弁護士の不正行為の可能性も考えて、例外なく開示させるべきとは思うがどうだろう?復讐が増えるので、無理だろうか?この点については解らない。

医者の場合、カルテの開示は、ほとんど義務である。患者の中には「治療に失敗したらお前を殺す。」と本当に言ってくる人間がいるが、こちらが一人の場合は非常に怖い。白衣姿のまま誰かに襲われたら、逃げるのも難しいだろう。経験はないのだが、復讐に来られたら戦えない。

知り合いの先生が襲われたことがあった。診察室でいきなり刃物を突きたてられて、意味も解らないまま刺されたそうだ。実際には、その犯人は別の先生を襲うつもりだったがいなかったので、その先生を代わりに襲ったという信じられない不運。私は今のところ、運が良いだけかもしれない。

マーチン・バルサム、ロバート・ミッチャム、グレゴリー・ペックらの大御所俳優が出演していた。もしかすると、この作品はリメイクなので、旧作と縁があったのかもしれない・・・と思ったら、旧作「恐怖の岬」に彼らは出演していたようだ。それぞれの役柄は知らないが。

 

 

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