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2012年12月 8日

透明人間(1992)

- 哀感漂う -

実験施設の事故で透明になった主人公と、彼を助けるヒロイン、彼をスパイにしようとするCIAの間の戦いを中心としたストーリー。DVDで鑑賞。以前、テレビで観たことがあったような気がする。

コメディ映画なんだが、逃げ惑う主人公はかなり可哀相な境遇で、哀感も漂うなかなか雰囲気の良い作品。透明であることを利用して敵を派手に倒したり、悪ふざけを派手にやったりはしないから、爆笑ネタは不足していた。

爆笑ものにすることも可能だったのでは?CIAのスタッフの中に、誰かコメディアンを入れておいて、派手にやられる役割を演じてもらうと、観客は爆笑してスッとしたのではないかと思う。

うっかりオナラをやってしまい、誰がやったかでケンカが起こってしまう、女子トイレに隠れていて、下品な女性達の言動を目の当たりにしてゲンナリする、隠れるためにヌード姿のまま街を走るシーンが続くなど、笑いのネタはいくらでもあったはず。

サウナ室で事故に遭って、使っていたタオルだけは透明のままというのはどうだろうか?それによって、タオルを腰に巻いたまま街を走る設定が可能になる。

また、逃げ出す方法も、透明人間でないとできない奇想天外な方法を使って欲しい。かなり大人しいレベルに留めて、ラブストーリーを離れないように考えていたのか?

後年の「インビジブル」のようなエログロ路線は、興行的にも危険だし、ロマンティックな面を強調するためには、可哀相な主人公という演出にこだわる必要があったのだろう。でも、初めおかしく、やがて悲しき、最後に小さな幸せ・・・そんな流れも定石だと思う。

透明人間を扱った映画はたくさんある。その中で新たな魅力を出さないといけないので、コメディ、ラブストーリー、美しい話、悲しさといった要素を狙ったのは正解。でも何か徹底ぶりが足りなかったような気はする。

チェビー・チェイス、ダリル・ハンナが主演していた。

ダリル・ハンナは男のような顔つきだと思うのだが、スタイルは良くて魅力にあふれ、この映画のヒロインとしては最適だった。演技力に関しては、よく判らない。見た目だけで、充分にヒロインになれていた。

Darylhannah  

なんと言っても、「スプラッシュ」での海からの登場の仕方が印象的だった。この作品でも何かを期待してはいけないのだろうか?

チェビー・チェイスは、今は有名映画で観ることはなくなった。本当のコメディ俳優ではなかったようだ。この作品であらためて彼を観ると、大仰に驚いたり、泣きわめいたりする激しい演技がほとんどない。実に大人しいコメディアンぶり。コメディアンではなかったからと考えれば当然だが。

じゃあ、ラブストーリーのヒーローとしてはどうかと言うと、ヒロインがよく惚れてくれたねと驚くくらいの馬ヅラで、いっこうに実感がわかない。当時のテレビでの活躍によって、一時的に受けた人気者だったと考えるべきかも。

ではもっとハンサムな俳優が出ていたらどうだったか考えると、笑いの要素は減ってしまいかねない。難しいところだが、私はラブストーリーを重視して、配役を変えたほうがヒットしたのではないかと思う。

演出の面でも疑問を感じた。ラストシーンでは、背広姿の透明人間とCIAの職員がいっしょに死んでしまったように最後まで見せて欲しかった。落ちた後で主人公を写し、実は・・・といった演出が欲しい。種明かしが早すぎた。

 

 

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