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2012年11月13日

ALWAYS 三丁目の夕日’64(2011)

Seisakuiinnkai 

- ドラマぶりが鼻につく -

シリーズ御馴染みのキャストの面々が巻き起こす物語。小説家の茶川氏はライバルの出現で連載を切られる、修理工場の従業員は恋人が出来たようだが、遊ばれている様子・・・・

・・・シリーズ第一作は非常に雰囲気が良かった。懐かしい思いに浸ることが出来た。セピア色に統一された色調や、街並みの細かい再現ぶりが素晴らしかった。

この第三作は、その後の物語を作った‘後日談’的な意味合いではないかと思う。ドラマとして大きな流れは、茶川先生と義理の息子君のやり取りと、堀北真希演じる娘の縁談、そして小雪演じる妻の出産であり、まあテレビドラマ的な話であった。

金曜日だったか、ホームドラマのシリーズがあって、恋愛や出産、親子喧嘩などの問題が次々発生しながら、なんとなく話が進んでいく、そんなドラマが次々繰り返されていたが、あれと同じ状態になっている。子供時代は親から怒られることもあって、あんまり見れなかった。でも、あんなドラマに似せても悪くはないと思う。

エレキギターにかぶれる少年は、絵に描いたように映画的な不良。映画の青大将のような身振りで自分の意見を述べるが、悪さが感じられない。実際にエレキかぶれする青年は、もっと暗いと思う。

演技も演出も、約束に基づいてホームドラマ的に統一されている。そうする必要があった。観客の多くは、東芝か日立提供のホームドラマの映画版を望んでいると思えるから。新しいALWAYSを期待している観客は、たぶん少数派だろう。

ただし、自分としては不満足な出来だった。ストーリーにヒネリのようなものがあっても良かったのではないか?多少は不幸な話があってもいいと思う。思い出は、悲しみも含めて強烈な感情を思い出させるから素晴らしいのだ。映画も、悲しみが基本であって良い。

経済成長の時期でも、事件や事故はあったし、夢やぶれることだって稀ではなかったはず。それでも何とかやってきたという、より実際に近いストーリーのほうが共感につながると思う。不幸や試練を乗り越えることが、当時の一般的なテーマでもあったのだから。簡単に急成長したわけではない。

個人的には吉岡秀隆の演技には不快な印象を受ける。彼の個性でもあるのだが、発音が聞きとりにくいし、リアルさを感じない。個性にもなっているので、芝居めいた仕草は仕方ないのだろうが、共感できるタイプの演技ではない。

堤真一も同様。彼はもともとは理想肌の人間が失敗する役柄が似合う。この映画の場合は、悪役のような迫力を持ち、頑固でケンカっぱやい人物を演じるはずなんで、もともと合ってないと思う。オヤジかヤクザ役の俳優のほうが良かった。

堀北真希には好感を持った。純粋そうなキャラクターに合っていると思う。彼女の場合は役柄に限界があって、今のところ悪女役はイメージできない。こんな役が向いている。カワイコちゃんだから褒めるという面もあるが・・・

このシリーズは、さすがに終わったほうが良いような気がした。第一作のファンだった方が観るのが唯一の鑑賞のパターンで、子供、家族、恋人と観るいずれのパターンも好ましいとは思えない。

 

 

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