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2012年10月28日

BLACK&WHITE(2012)

20fox

- 約束は反古に -

諜報部で同僚である二人が、同じ女性と恋に落ちてしまった。互いに相手のデートを妨害するために、組織の力を使う。しかし、そこに二人を付けねらう暗黒街の大物が絡んでくるに決まってるでしょうが!というストーリー。

本当に判りやすい流れで、もはや最初からラストシーンが見えてきそうな、お約束の映画だった。でも楽しい。スパイ映画もどきのラブコメ。

セリフがかなりヤバイので、小さい子供には向かないような気がする。恋人と観るのはオススメ。

登場した人物で最も魅力を感じたのは、私が男性だからではないと思うが、リース・ウィザースプーンだった。主役として派手に敵を倒すわけではないのだが、二人を天秤にかけるシチュエーションの表現ぶりが彼女のキャラクターによって非常におかしくなっていた。

このヒロインのキャラクターは実によく考えてあった。元恋人に少し未練があって、見栄を張って嘘を言った後に直ぐばれるマヌケなエピソードなど、可哀想だが笑えるシーンが多かった。可哀相という感情は、観客の共感に等しい。自然と彼女を好きになる仕組み。ヒロインの友人の女性もからんで、男性選びの流れがおかしくなる話も面白い。

クリス・パインとトム・ハーディが問題の二人組みを演じていたが、非常に好感を持てたとは思えない。もし可能なら、野獣のような体力的な迫力、互いに相手を殺さんばかりの激しい感情を感じさせたほうが良かったと思う。少しばかり迫力が欠けていた。コメディだから仕方ないかも知れないが。

できれば、もう少しオーバーにキャラクターを際立たせ、トンチキな戦いぶり、派手な失敗ぶり、脱線ぶりを見せたほうが面白かったと思う。普段は極めてクールな役を演じている役者など、今までのキャラクターと違う意外性を狙うなど、もっと爆笑モードの作品にすることも狙えたような気がする。

どちらか、もしくは両方が下品なスラングを連発するキャラクターで、二人の会話で笑わせるというのも期待できた。黒人警官なら、それが自然だったが・・・

タイトルが少し意味不明。

吹き矢で相手を眠らせるシーン。あんなシーンは時々観るのだが、どうやって撮影しているのだろうか?少し早回しするのか、テグスなどで矢を誘導するのか、もしくはCGか?この作品では矢のスピードがゆっくり過ぎるように見えて気になった。

この作品は、シリーズ化を考えるストーリーとは思えない。単発のラブコメとして最初から企画されたはず。どれくらいのヒットを想定していたのだろうか?熊本市では大ヒットした印象はない。公開されたかも覚えていない。でも結構面白かった。

主役二人の間では、最初にルールの取り決めがなされた。でも結局、それは壊れそうになった。圧倒的な野心の前では、条約や紳士協定も壊れやすい物らしい。それは仕方ない。ルールすら作らないのは最悪。

なぜか日本の法のことを考えた。いいかげんに、この手のテーマは諦めたほうがいいんだけど・・・

日本の法律は、そもそも憲法に無理がある関係でか知らないが、穴が多いように思う。領海侵犯した他国の船に、現場で何をするかに関して曖昧な点が残っている。どう対応するか意志を統一できていないとミスする。漁船に工作員を乗せているかどうか微妙なように、細かい抜け穴を狙って工作を仕掛けてくる相手に対して、事前に法的に武装する必要はある。

もちろん、相手が総てを無視して武装攻撃してきたら法律も無力に近いが、法的な対処さえしないで付け焼刃の対応をすると、自分らの権利を主張することすらできなくなる。戦闘が終わったら、正当性は法に訴えるしかないのだから。

超大国の場合は、多少の法の不備は大きな問題にならない。力で有無を言わせず敵を排除できる。でも日本の場合は、攻撃されたり言いがかりをつけられて反論する際の根拠が不足。おそらく対象が米国になるとマズイ点、例えば米軍基地があること、地位協定など、もともと不法に近い状態を保っているせいではないかと思う。 

医療現場でも法令がらみで困ることが多い。役人は責任をとる事を怖れるからか、曖昧にしたがる傾向を感じる。総て規定してしまうと、規定の不具合の責任を問われるし役人が裁量する領域が減る。自分の判断する仕事がなくなり力を失う。できれば法律には「・・・に関しては役所の指示に従うこと。」というに近い表現を盛り込みたい。事が起こってから役所の皆と相談して決めたい・・・でも、これは対外的には曖昧さを残すことになる。

例えば法令通りにやってると、警察から脅される場合もある。カルテを見せんかい!とか、書き直せ等、ありえない怒号を浴びることもある。多くは警察が法令の解釈を間違ってるんだが、法令の文章表現が曖昧で、誤解せざるをえないのも確か。

せめて外国と関係する領海の警備、空港や港湾での体外勢力への対処法に関しては、抜けの少ない対処マニュアルが欲しい。マニュアルを正当化できる法律も欲しい。現場が判断しようもない状況はマズイ。つけいる隙もマズイ。

排除すべき対象を同盟国以外に限定し、米軍をも排除する規定にならないなら、米国も納得し現実的で実行力ある規定が出来ると思う。そのために役人の裁量権は損なわれると思うが、今の状況では我慢してもらわないと非常に危険。敵を招いているに等しい。

対処は出来ると思う。他の国が作った規定を参考にすれば良い。私の言葉足らずで賛同をえられないかも知れないが、法整備は何よりも重要なこと。評論家や政治家のいかなる論評より、私のこの意見のほうがずっと大事。もう30年くらいそう思ってるが、この感覚は一般的ではないようだ。

つまり安全神話に酔っていて、起こりうる危機をイメージするより、日々の暮らしに眼が行くのが普通。それはそれで良いことだが、危機の認識が根底にあることをも忘れてよいというわけではない。少なくも役人や議員には、この認識が必要。それがないと、手痛い敗北が待っていることになる。

 

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