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2012年10月17日

ロラックスおじさんの秘密の種(2012)

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- iPS技術に関連して -

木が一本もない街に住む少年が、憧れの娘のために植物の秘密を探る。木がなくなった理由は、ひとりの人物が過去になした事業が関係していた・・・

・・・このごろ観たい映画がなかった。子供が観れる映画がなかなかなかったので、ようやく観れた子供映画という印象。ただし時間の関係で3D作品にしたら、途中で子供は眼が痛いと言い出した。3Dは眼の負担が大きい。もう観たくないと思う。

映像は非常に美しく、3D効果も充分に感じた。全体の色調が明るいので、他の3D映画に比べれば見やすかったし、時間も短めで子供には向いていたと思う。恋人といっしょに観る作品としては、さすがに幼稚すぎる。子供~家族向け。

声優が誰かが大きな宣伝材料だったらしく、英語圏ではザック・エフロン君とテイラー・スィフト、ダニー・デ・ヴィートなどが担当し、日本語は志村けんが初めて声優に挑戦というのが話題を呼んでたが、日本で大ヒット中とは聞いていない。アメリカでは相当なヒットだったらしいんだが。

志村けんのセリフ読みは、意外に真面目な話し方で全然面白くなかった。専門家に任せたほうが良かったようだ。

問題のロラックスに特殊能力はないようだ。森の番人といっても、何かの超能力で人間を懲らしめるわけではない。そのへんが今までのアメリカ映画とは違う。東洋系の哲学にかぶれた人間が作った話かも知れない。原作があるそうだ。

人間達を懲らしめる設定になっていないのはなぜだろうか?懲罰のスペクタクル映像をついつい期待してしまうのは、考えてみると甘えているというか、神風願望にも似た都合の良い考えである。自分達が何かしない限り、悪い行動はそのまま悪い結果になって出てくるという真実を、そのまま伝えるべきと思える。その点では正しい。

作品の人気、売り上げのためにロラックスに怖い力を与えるのは、ちょうど売り上げのために約束を破る都合の良い理屈と通じるものがある。利益を目指して何が悪いんだ?木は誰でも利用する権利があり、それを侵害するのは罪といった理屈。でも、それはおかしいと感じたのだろうか。でも、そんな考えはアメリカ流ではない。なんで向こうでヒットしたんだろうか?

町の人たちが簡単に意見を変えて主人公を支持するのも不自然。利益追求のために何でもやってしまう多くの米国人は、あのような場合に賛同するはずがない。全くのおとぎ話で、いくら子供映画であっても不自然。もしやアメリカ市民も、グローバル企業の横暴に違和感を感じるようになってきたのか?ちったあ反省したのか?

今までなら、映画の中で悪役が述べる意見にこそ多くの人々が納得し、今後もそうであるはず。少なくとも作品の主張をティーパーティーの会合でやったら、石か銃弾が飛んでくるだろう。飽くなき権利意識に、相反するキリスト教精神を同居させる不思議な存在がアメリカ人の特徴と思う。ビジネス優先で、なんにせよ主張が強烈で力の行使を迷わないはず。その点を中国人に譲ったのか?

あくなき成功意欲、野心こそが米国を作った力。それを否定して、いったい彼らはどこに行こうというのか?いやいや、そう簡単にビジネスマン達が趣旨替えするはずはない。莫大な金の動き、広大な土地、そびえ立つ摩天楼を眺めながらまず木を植えようなどとは考えない。金を諦めるはずはない。グローバルに展開して何が悪い?儲けを独り占めして何が悪い?利益を損なったら責任を取れ!と、考えるだろうに。

木の映像も少し違和感を感じた。普通の木の形ではいけなかったのか?それに草は関係ないのだろうか?あのような木の形に設定する意図はなんだろうか?単に毛が多いという理由か? ともかく、言葉では木を大切にしようと言っていたから、その主張はマトモ。

植物の種の価値は、企業家なら充分に解ったことだろう。映画の悪役も頑張って奪おうとしていた。大事な商売に関わるタネだから、必死になるのも当然。

京都大学の山中教授がノーベル賞を取ってから、iPS細胞に再び注目が集まっている。どこかの研究員が臨床実験をやったかやらないかという妙な話題も報道されている。真偽のほどは解らないが、たぶん研究費を国からいただいているから成果を焦って虚偽報告をやったか、誇大妄想にはまったか?もしくは意外にアメリカ側が倫理規定に反する行為をやって揉み消しを図っているのか?

iPS細胞の技術には驚く。私達が昔やっていた手技とほとんど同じことをやってるのに、細胞が変性してPS細胞化するなんて未だに信じがたい。細胞の分化は、何万もの遺伝子ドメインと核内蛋白が複雑に絡んでいると思っていた。幼弱化がそんなに簡単に起こるとは驚き。

本当にPS細胞であることを、どうやって確認しているのだろうか?外見ではもちろん判らない。表面マーカーを総て調べることは無理。核内蛋白を分析しても、微細な蛋白については解りようがないと思う。擬似PS細胞であり、癌化や異物化した細胞を作っているに過ぎない可能性はあると思う。

しかし、もし本当に商品化できる技術が開発されたら、凄い価値がある。特許を取って大儲けしたい欧米のベンチャーが、とんでもない実験をやる可能性はある。あくなき成功の野心があれば、マヌケな日本人研究員の発表は黙殺して実験を隠す可能性はないか?平気で「そんな記録はない。」などと言うし、マスコミにも告発者を攻撃させる。真相は解らない。

植物の種を狙って、カーチェイスやお婆ちゃんの激しいアクションが展開されていたが、iPS技術についても眼を血走らせた研究者、企業家達がバトルを繰り広げていることは間違いない。来年ころにはiPS心筋細胞注入に関して特許を取ったベンチャー企業が出るかも。そう怖れることはない、巨額の金と壮大な名誉が期待できて、ロラックスに特殊能力はないからと思っているだろうか。

 

 

 

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