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2012年10月19日

Glee(2009~)

20centfox 

- 次が観たくなる -

某高校に赴任した教師は、かって人気を集めたグリークラブの復興を計画し、生徒を集めた。しかし、個性派集団の対立と、反感を持つ連中の妨害などにより、問題が次々発生・・・

・・・受験生のはずの娘がさかんにテレビを観たがるので、興味を持ってDVDを借りてみた。歌と踊りのレベルの高い、完全にミュージカルと言ってよいテレビシリーズのようだ。20世紀フォックス関連のテレビ製作部門が製作している様子。よく考えついた企画だと思う。

中心となる教師役は、今までのミュージカルスターとはちょっと違うイメージ。派手なハンサムボーイではなく、どこか弱々しい印象の俳優。歌は上手そうだが、ダンスはちょっと古めかしく、動きも特に凄いとは思えない。でも、この教師のキャラクターの通りでもあり、良いキャスティングかも。

ヒロインの一人、スター気取りのユダヤ系らしき少女は、これも歌の力量は凄いが、ダンスはそこそこ、強烈そうな顔つきがなんとも印象的で、そこが強引そうなヒロインのキャラクターに合致していた。放送開始当時で23歳くらいだったようだから、随分と若く演じているものだが、その昔の「グリース」よりは自然。

ヒーローの青年、アメフトと掛け持ちでグリーに参加している愛すべきキャラクターの俳優も、体がごつすぎてミュージカルに最適とは言えないし、無骨で少し常識に欠けているが人が良い好青年というキャラクターに徹していて、元々の外見もあるのかもしれないが、非常に存在感がある。

演出の仕方次第では、全く目立たない外見とも思える。今後の彼のキャリアはどうなるだろうか?もし彼の踊りが上手すぎては、おそらくイメージ的に番組は本職のダンサーによるおとぎ話になってしまう。観客は、自分を投影して何かを感じることが難しくなる。何か下手なほうが良かった。

グリーのシリーズのメンバーがコンサートをやったものが映画になっていて、これも拝見してみた。例として出ていたファン達はサクラかもしれないが、自分達の悩みや弱点を、同じような問題を抱える出演者に投影し、力づけられたと繰り返し述べていた。確かに、そんな影響もあるかも。

その狙いが、「ハイスクールミュージカル」などの路線との差別化につながっているように思った。

脇役はキャラが立ち過ぎるくらい極端な個性の人間が多い。ドラマ的に作られた関係で、オーバー過ぎる。何かと邪魔をするチアリーディング部の顧問は見事な悪役で、彼女の存在なくしてシリーズの人気も期待できないほど素晴らしい。同僚の教員達も、それぞれにおかしい。

このシリーズは、基本としてはティーンエイジャーの好みだと思うが、40歳以下くらいなら、男女を問わず楽しめるように思う。物語はくだらない昔の学園もののままのレベルだが、ミュージカル部分の出来が素晴らしく、ミュージカル映画を毎回観れるようなオトク感すら感じる。恋人と観るのは楽しいかも。

基調が楽しいシリーズ。次が観たくなる気持ちも解る。曲の選択、アレンジの仕方など、音楽関係のレベルが非常に高い。YouTubeには番組のミュージカル部分がたくさんアップされているが、感心するレベルの高さ。企画した人たちに自信がなければ、とてもじゃないが製作には至らなかったろう。

このシリーズを作るために、ダンサーはどれくらい必要だろうか?チアリーダー役の女性達の中で、激しく踊る連中は本職のダンサーだと思うが、おそらくブロードウェイレベルのダンサーを引っ張ってきて、1~3日くらいで撮影してしまうのだろうか?相当要領よく撮影しないと、ドラマ部門とダンス部門を組み合わせて番組として完成するのは難しいだろう。

日本でも小学生時代からダンスを習う子供が増えてきている。知り合いの娘さんもダンスクラブに所属しているが、昔なら考えられない変化。彼らの後輩達は、凄いダンサーになって本場に出張するような子も出てきそうな気がする。EXILEなどに影響された子供が増えれば、レベルは上がるだろう。

そうなったら、日本でも学園ミュージカルが誕生しうる。今はまだ、おかしさが先に立つような気がする。レベルの高い踊りがカギになる。歌は、おそらくGleeもそうだと思うが、音響効果でかなり操作できる。声量の足りない歌手でも美声に変えることができる。ダンスは早回しくらいしか操作のしようがない。

グリークラブというと、ダークダックスのように多少の手振りを交えまがら、基本はコーラスをするものというイメージだったが、この番組の影響で、おそらく激しいダンスパフォーマンスをしないとグリーじゃない、ただのコーラスだという風に、もはや定義が変わっているように思う。

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