映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主

  • 乙女座 AB型 どの占いでも最悪の運勢 内科クリニックやってます。

Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬(2011) | トップページ | バトルシップ(2012) »

2012年10月 3日

野郎どもと女たち(1955)

Mgmposter_2   

- サイコロとは・・・ -

MGMに吸収されたゴールドウィン・プロ製作のミュージカル映画。賭博に精を出す野郎どもと女達が繰り広げるコメディ。とにかく明るい話で、ポスターでも皆が笑顔だ。

・・・DVD版で初めて鑑賞。なぜ買ったかというと、ホームセンターのレジのそばに置いてあったからだが、置いてあった理由は判らない。誰かが買おうとして止めたのか?作品の名前は知っていたが、特に評価が高いようには聞いていなかった。でも、よく出来ていて、当時の映画らしい雰囲気のする面白い作品だった。

画質が良くなかった。韓国製で、権利が切れたのを利用して作ったのか?リマスタリングしないかぎり、画像のぼんやりした感じはなくならないのかも。でも音は非常に明瞭だった。画質や音楽の性質は、ちょうどクレイジーキャッツの映画と同じ。ストーリーがよく練ってある点と、ダンスがアクロバティックなことは全然違うが。

適度にロマンティック。フランク・スナトラとマーロン・ブランド双方が互いの恋物語を展開し、お茶目なミュージカル・シーンやバンドミュージックがあったりして、実に古典的な構成になっていた。

結婚できないでストレスがたまった女が慢性の鼻炎で苦しむといったエピソードは、当時の映画にありがちの話だったが、その表現は今の韓流ドラマでも使われているような気がする。古さを気にしなければ、今でも笑えるということだ。

救世軍の幹部として現れた女性のダンナが、バクチ打ちの一人だったら面白いのにと思ったが、そうでなくてもどうせミュージカル、流れに沿ってりゃいいのだ。

おそらく大きなスタジオのどこかで撮影されていたのだろうが、セットの中を大型バスが走行できるし、カメラが色々動いても立体的に撮影が可能なように、かなりの規模のセットを作っているようで、予算も凄いものだったろう。

ストーリーと連動した歌や踊りが、よく次々と作れたもんだと感心するが、舞台の案を練っている段階で、様々なアイディアと歌詞と踊りを盛り込む手馴れた仕組みがあったに違いない。誰かがピアノを弾き、誰かがダンスの構成を考え、互いの不具合を調整して・・・といった作業があったのだろう。

そして映画化権を獲得し、スタッフを集め、配役、映画用に曲を追加したり削ったり、そんな気が遠くなるような作業をてきぱきとこなすシステムもあったろう。当時の娯楽の頂点に位置する作品だったはずだから、才能が集まっていたんで可能だった。昨今はCGに、それが偏っているのかと思う。

歌や踊りが上手とは思えないマーロン・ブランドが、この作品になぜキャスティングされたのかは判らない。おそらく歌を自分でも試してみたいという考えと、まだ自分でも道を模索する意図があったと思うし、何か偶然もあったのでは?ボクサーくずれの用心棒の雰囲気に近い話し方が、ギャンブラーに通じるものがあったからか?

肝心の歌は、たぶん音響効果をフルに使っていたとは思うのだが、発声は本職に敵わないとしても、歌い方自体は結構上手いと思った。

シナトラは、この映画にはもともと最適な配役だったと思う。結婚を迫られて困った顔をする時など、プレイボーイだったらしい彼の場合は、実像とかぶさるものがある。ただ、やはりダンスは得意ではないようだ。

当時の航空機の性能はどうだったか知らないが、ニューヨークからキューバのハバナまで日帰りする手段があったのだろうか?劇中で賭けのためにデートする話があったが、いくら何でも忙しい話だと思う。

女性達の化粧や服装が整い過ぎて、現実感は全くない。ジーンズを履いた女性が出ていただろうか?男性達も帽子を被り、部屋を出る時には忘れずに持って出ている。タバコやゴミは、気にせずそこらに捨てている。いかにも時代を感じさせる風俗。

Mgmguys_and

上の画像も、今では流行らないポーズ。宣伝用のスティール写真だろうか?女性達は色っぽいが、今風の色っぽさと違う。ただし正直な話、この一見淑女風の女性達に囲まれたダンディ男には憧れる。いまどき流行らないとしても。

なんで下着姿なんだ?などと疑問に思ってはいけないのだ。

映画で出てくる人々は、基本的に皆が豊かそうに見える。なんといっても50年代のアメリカ、金がないと言いながら、レストランで普通に食事してるし、服装もちゃんとしている。ミュージカルだから華やかなのは当然だが、基本となる雰囲気が明るい。

本当にサイコロ賭博に熱中した連中がいたのだろうか?ギャグではないかと思えるほど。カード賭博のほうが格好いいし、既にラスベガスなどは大きな町になっていたのでは?サイコロで満足できるとは信じられない。

今の子供や若いカップルには、受けはあんまり期待できないと思う。でも、もしかして彼らが齢をとって、はるか古代の映画でも観る気になって観たとしたら、健全なギャンブラー達と、明るいダンスに好感をもてるような気がする。

この作品は古典である。豊かな時代のおとぎ話のようだ。

 

« ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬(2011) | トップページ | バトルシップ(2012) »