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2012年8月16日

プロメテウス(2012)

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- 伝説の終焉か -

宇宙人が残したと思われる情報から、異星人との遭遇を目指した宇宙船プロメテウス号だったが、遺跡の探索中に奇怪な生命体と遭遇した・・・・

・・・・宣伝で使われた画像に浮かぶ角のような構造物を見て、どこかで観たような形(上の画像)と気がつく、監督もリドリー・スコットとくれば、SF映画の傑作「エイリンアン」に絡んだ作品と判る。企画段階ではスピンオフ的な別の物語にするか、前駆的なストーリーにするか、迷いがあったようだ。構造物=宇宙船の倒れ方から考えると、この宇宙船がそのままシリーズ第一弾につながるのではないようだ。

冒頭に写された光景は、おそらくアイスランドの火山を撮影したんだろうが、今まで見たことないほど美しく、奇怪な光景だった。原始地球をイメージさせる意図があったんだろう。

この作品は先行公開を利用してレイトショー初日に観たのだが、客はいっぱいで、随分前のほうの席で鑑賞するはめになった。期待の大きさ、潜在的な人気ぶりが判る。すぐ前の大きなスクリーンの迫力が凄すぎて、目の前で気味の悪いヘビみたいなエイリアンがうごめくので、子供には向かない映画のような気がした。

恋人といっしょに観た場合、後でどんな印象が残るか考えてみたが、あんまり好ましい印象はない。子宮を取り出して、中の怪物をつまむなど、悪夢を見そうな気もする。あの手術シーンは、気分が悪くなる人がいてもおかしくない。SFオタクや、出産から時間がたった人が観る映画かもしれない。

エイリアンシリーズの魅力のひとつは、セクシャルで悪魔的なイメージを有する気味の悪い壁画、建物などの構造物。あの独創性が映画の人気を決定づけていたと思う。エイリアンの気味の悪さも強烈だったが、性器を堂々とイメージ化したセンスに驚いた。今回もその路線だったと思うが、さすがに新しい驚きはなかった。

もし、さらに斬新なデザインがあったら、新たなる伝説が出来ていたのかもしれないが、さすがに話がつながらなくなるのはマズイので、同種のデザインをつなげる必要はあったのだろう。

宇宙船が落ちて来て倒れるシーンの迫力、砂嵐が襲ってくるシーンの迫力などは素晴らしいものだったが、今の映画はどれも素晴らしいCGを見せてくれるので、際立っていたとは思えない。

この作品の主役は、女性科学者。演じていたのは知らない女優だったが、シガニー・ウィーバーだって、エイリアンまでは全く知らない新人のようなものだったから、驚くことではない。スターのシャーリーズ・セロンも結構活躍していたが、ヒロインほどの目立ち方ではない。

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この女優さん、非常に美しいとは思えなかった。よく鍛えていたようで、贅肉がほとんどなく、手術を受けるシーンでは腹筋が見事なのは印象的だが、表情や身振りで印象に残るヒロインとなったかは疑問。

かといって、じゃあ誰がヒロイン役にふさわしいかと言われると、よく判らない。この役は色気を要求されるわけではなく、意志の強さ、タフネスぶり、好奇心などをイメージさせる女優が望まれるから、たぶんアクション映画で殺し屋を演じるような女優の誰かが望ましいのでは?

ラストで、ヒロインは宇宙人の星を目指していたが、あれは言葉通りに宇宙人に会いたいという考えからか?もしくは怪物を持ち込んで、復讐しようという考えからか?よく判らなかった。

ヒロインとともに、この作品で目立っていたのはアンドロイド役のミカエル・ファスベンダーという人。「X-MEN・ファースト・ジェネレーション]に出演していた。無表情に近いが、時々笑ったりする。クールな悪役でもある。映画的には最も魅力のある役柄であった。こちらはクールなイメージがばっちり役柄とあっていたと思う。

第一作のアンドロイドも重要なキャラクターだった。同じように首だけで活躍してくれるのも、お約束だったのかも知れない。

生き返った宇宙人が登場していたが、地球に向かうという話は本当なのか、何を狙って向かったのか、これもよく判らなかった。地球に行くことが可能なら、さっさと冬眠を止めて行けば良い。今まで待ったことに何か意味があるのか?

彼らがなぜ急に乗組員を襲ってきたのかも、よく判らなかった。また、いったんエイリアンの幼虫のようなものにやられた乗組員が蘇って宇宙船にやって来て、激しく暴れて怪力を出すのも解せなかった。エイリアンにやられた人間は、今までは苦しんで死んでいくだけだった。怪力になるのは初めてのパターンではないか?

宇宙人達が事故で多数死んでいたようだったが、彼らを倒したエイリアン達は滅んでしまったのか?ホログラムのような映像で宇宙人達の行動が再現されていたが、それにどんな意図があったのか、そこも判らなかった。ただ観客を驚かせるだけの演出なのか?

「エイリアン」に絡んだ作品を作るからには、理屈の部分は観客が納得できるレベルに単純であることが望まれる。話のつじつまが判らない点があった。作り手の意図を観客が理解できた時に、観客は感動するものだ。

そもそも創造主である宇宙人の姿だが、怪物~怪力レスラーのような姿は、映画の魅力につながらない気がする。弱々しくてもいいから、威厳がある存在、高貴な仕草が欲しかった。何といっても創造主なんだから、何か尊敬できそうな雰囲気があったほうがいい。

外見上は人類と同じであっても良かったかもしれない。DNAが同じだと騒いでいたくらいだから、見た目も同じであるのが自然。彼らの意図すること、意図したことが明確に判らなかったのが残念。慈愛でも敵意でもいいから、判らせる工夫が欲しかった。また次の物語を企画しているからか?もういいと思う。私は食傷気味。

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セロン嬢は、体にぴったりした衣装で美しいスタイルを強調していた。役柄と関係ない部分で色気を強調するのは、「エイリアン」シリーズの特徴だろうか?何か新しいエピソードを加えるとしたら、セロン嬢こそラブシーンを演じて欲しかった。女性科学者はタフネスさを追求する必要があったのだから。

色気だけでは生き残れないことを明確に示すシリーズであって欲しい。タフな女性が怪物や仲間の背信行為を乗り越え生き延びるストーリー、それもシリーズのウリのひとつだったはず。

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