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2012年8月13日

ペントハウス(2011)

Universal_5

- ミッション・インポシブルですか? -

高級マンションの職員達の年金は、ある投資家が管理していた。しかし、この投資家が資産を持ち逃げしていることが判明。管理人たちは泥棒の手を借りて強奪を目指すが・・・・

・・・・面白い企画だった。主人公はベン・スティラーで、泥棒役のエディ・マーフィーは脇役の扱いだったのだが、あのエディ・マーフィー様が脇役に甘んじるとは、時代の流れかも知れない。ただし、主役以上に目立った脇役だった。

他の人物もかなり有名な役者が多かった。マシュー・ブロデリックは、個性からしてはまり役だったと思う。 マイケル・ペーニャも、どこか役にたたなそうなトボケた個性が役柄と合致していた。もう少し大きな失敗をやって目立って欲しかったほど。

アラン・アルダの演技も非常に良かった。拘束されていても動じない、ふてぶてしい態度、計画性に優れた悪役のイメージがバッチリ出ていたが、本当の悪役のような殺気めいた印象が薄く、喜劇には最適の悪役の個性だったと感じた。

実際の投資家達も、こんな生活をしているのかもしれない。セキュリティがしっかりしたマンションは、金持ちには望まれる。ホテルを改装したのか、最初から分譲用に作るのか知らないが、一般のホテルに暮らす富豪もいるそうだが、ホテルよりは安全と思う。でも、スタッフに侵入されるのを防ぐのは難しいだろう。

実際の詐欺師も、こんな表情で仕事しているのかも知れない。あちらでは資産管理は証券の形にするから、珍しくないパターンなんだろう。法律を上手く使えば、資産は確保して司法取引が成立し、客の金はどこかに消えてしまっているという不思議な現象が起こりうる。最初の設定がリアルだった点は良かった。

例えばの話、悪役をロバート・デ・ニーロが演じることも考えられる。マフィアのボスめいた人物なら最適の配役だと思う。でも、投資家達は相手を殺して目的を達するようなヤバイ雰囲気はしていないと思う。裕福な生活がにじみ出て、よく遊んで健康的な外見をしていて、まさにアラン・アルダ風の外見がパターンだと思う。役柄から考えて、デ・ニーロタイプでは不適。

さらに例えばの話、マイケル・ダグラスが迫力ある投資家を演じることも可能だった。金を隠そうと手の込んだ画策をして、主人公達を何度も窮地に陥らせる、そんな敵役もありえた。逆転につぐ逆転のアクション・コメディでも話は面白かったと思うのだが、そうなると主人公達による笑いの要素は減る。それは困ると思ったのか?

疑問はベン・スティラーの役割。彼の本来の役目は、ひどい目に遭うことである。敵からやられ、仲間から裏切られ、四面楚歌であり、しかも良い人間過ぎてバカを見てしまう。そんな役割が望ましい。

だから別な恋人役が必要だった。人の良いドジな主人公に愛想をつかし、途中で去っていくような恋人が。最後の逆転で勝利と愛を勝ち取る・・・そんな流れなら拍手喝采だったはず。それこそ、弁護士役が恋人だと最高だった。

主人公の窮地を際立たせるためには、敵が主人公の口座に偽りの振込みをして偽装工作をする、または元々の仕事のパートナーで罪をなすりつけられる、そんな展開も可能だったはず。ビルの管理人であることは、話の流れから必ずしも必要だったわけではない。

スティラーの役割が少し曖昧だった関係で、最後の爽快感が不足する結果となった印象を受けた。私だけだろうか?それに、エディ・マーフィーも、やられないと話しにならない個性。やられ役が二人必要とは思えない。もし二人ともやられるなら、徹底するべきだった。

FBI捜査官のティア・レオーニも、よく解らない個性。色気と男勝りの性格を期待しての配役だろうか?キスくらいはやって欲しかったが・・・

奪った車が見つからないはずはない。館内を徹底的に探しても解らないように、奇想天外なアイディアで隠していたなら、作品の評価も上がったかも知れない。そもそも、車の秘密にFBIが気づかないはずがない。もう少し、設定に工夫があると良かったろう。

この作品は、家族で楽しめる作品だと思うが、大興奮の傑作という評価は得られにくい印象。恋人と気楽に楽しむ映画としては悪くない。毒が少なく、えげつないシーンもない。

コメディなんだが、高層ビルでのスリルあるシーンもあり、騙し騙されという展開もあり、いろんな要素があって悪くない作品だと思う。家族で楽しめるのでは?

ペントハウスに住むということに、自分は憧れない。ニューヨークだと感覚が違ってくるのかも知れないが、同じ金額をかけるなら郊外の一軒家の豪邸のほうが豊かな感覚がある。ただし、セキュリティを完璧にするのは難しいだろう。

日本にも数億円クラスの高級マンションがあるが、住む人の気持ちは解らない。特に東京の場合は空気も水も汚いし、今は放射能汚染の問題もある。国際的な価値は下がったに違いない。

都心の便利は良いだろうが、地方都市の郊外でも買い物にはそう困らない。私の生活レベルだと買える物も知れているので、特に何か買いたいと切実に願う物がない。資産家の感覚は違うのかも知れないが、高級品をしじゅう買える人は少ないし、いかな巨大な資産と言えど、放蕩すれば直ぐなくなるだろう。

別荘にも興味はない。別荘は、よほど丁寧に管理しないと、カビやコケ等でいっぱいになるだろうし、草むしりなど時間の無駄でしかない。管理人を置くと、その管理にまた手間がかかる。別荘より、たまにホテルに行くほうが現実的。

今の自分の場合は、巨額の資産を得る可能性もない。その希望もない。子供達が大学に進学できて、就職が何とかなれば程度の願いしかない。そんなことでは大きな仕事ができるはずもない。

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