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2012年8月 4日

崖っぷちの男(2011)

Summit

- 凝った設定 -

刑務所に入所中の主人公は、父親の葬儀を利用しての脱獄に成功するが、なぜかビルからの投身自殺を図る。説得にあたった女性刑事は、ウラがあることを感じる・・・

・・・ビルの主人公と、同時進行で盗みを働く仲間の行動と、凝った設定が良かった。話はよく考えてあったと思うが、種明かしが早すぎて、流れが解ってしまったのは残念だった。盗みの手口が相当凝っていた。この作品で最も素晴らしかった点だろう。

レイトショーで観たのだが、観客は自分も含めて3人。人気のある映画ではなかったようだ。でも、かなり面白い映画だと思うんだが・・・

この作品は、恋人といっしょに観るのには向いている。子供には、飛び降りのシーンがあるので好ましくはないと思う。昨今は、中学生の自殺が多い。ヒントになってはいけない。それに、子供向きの映画ではそもそもないと思う。

サム・ワーシントンは最近SFの戦士役が続いているので、舞台風の大げさな表情が目立っていたが、今回の演技やアクションはなかなかのもので、今後も刑事役などで活躍できるかも知れない。ただし、ヘヤスタイルには改善の余地あり。

エリザベス・バンクスをキャスティングした理由が解らない。この役は、色気が要求される役ではない。仕事に懸命で、任務に忠実、でも心に傷を持つ、そんな役柄が要求される。もう少し年配でデブでもいいから、説得力のありそうな目力のある演技派女優が望ましかったと思う。

エド・ハリスの企業家は、ミスキャストだと思った。彼が出演した時点で、ああこいつが黒幕か何かだろう、と観客に思わせてしまう。好々爺風のしわがれた老人俳優か、キザな男前俳優をキャスティングして、しかも最初の方は出演させず、後半で意味が出るようにして観客の裏をかくことが望ましい。

ジェネシス・ロドリゲスという女優さん上の(画像)が色気部門を担当していた。彼女に焦点を当てようというスタッフの意図を感じた。ボディスーツ姿や下着姿を適時織り交ぜて、娯楽の色を強調しようという考え、かなり気が強く、盗みに入っても緊張したりせず、適当に言い合いもやらかす個性、やや場違いな印象の演出だったが、狙いは良かったかもしれない。

ロドリゲス嬢はセクシー系女優の新しい星かもしれない。水泳選手のように肩幅があって、かっこいいタイプだから、アクションものには最適だ。

この作品はもう少しで、「ダイ・ハード」ばりの素晴らしい傑作になっていたかもしれないと思った。盗みの手口、それを写すカメラの使い方、場面の切り替え方など、緊迫感の演出はなかなかのもの。悪者との対決を軸に、二つの戦いを交互に描くと、スリルが出る。ユーモアや、登場人物の個性の表現なども、手を抜かずにちゃんとやれていた。

悪役の力量が解るような、目立たせ方は必要だった。主人公のたくらみにいち早く気がつき、対抗策を練ってくる頭のキレを見せて欲しい。何か新しい悪の陰謀を計画している、誰か他の人物を抹殺している、そんなエピソードがあると解りやすい。そうすると、倒し甲斐があるというものだ。

倒し方も大事。ダイヤを奪って、やったぞ~取ったど~では、群集にまみれて何のことか解らない。誰が見ても一目瞭然、ダイヤは盗まれていなかったんだ!と、明確に公表しないといけない。ホテルの受付に預けて、そこから直接テレビ局、または内務監査局に届ける、そんな方法もあったのでは?

いけ好かないテレビレポーターを使って、テレビ中継しながらエド・ハリスのポケットからダイアを取り出す・・・動かぬ証拠だあ!てのはどうか?

だから最後のダイビングは無意味だった。あの程度のアクションは、この映画の場合は客を沸かせるアクションにはならない。何か頭脳的な再逆転の展開こそが意味があったと思う。

 

 

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