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2012年8月22日

団塊ボーイズ(2007)

Buenavistaco

- 冒険心にひびく -

仕事や家庭でトラブルを持つ4人組の中年が、ハーレーに乗って西海岸を目指すロード・ムービー。 途中でホモ警官やワル集団に絡まれてしまう・・・

・・・大物俳優達が共演したせいか、米国では相当なヒット作だったらしい。日本ではそれほど評判にならなかった印象だが、評論家達の評価は良かったように記憶している。劇場で公開されていた記憶がないのだが、確かに一般受けする作品とは思えない。基本的におじさん向けだろう。

この映画を家族で観るというのはイメージしにくい。子供に興味のあるテーマではないから。基本は中年の男が観客の対象で、若い男もまあまあ、といった印象。中学生以上になれば、バイクに興味を持つ男の子達の支持を得ることができそうだが、女の子は普通はそう何も感じないだろう。恋人と観る作品としては、たぶん悪くないと思う。爆笑ネタはないが、悪い話ではないから。

出演者の中で最もメジャーだったのはジョン・トラボルタ。この作品では、仲間のバイクをひとりで取り返しに行く活躍をしていたから、役割としても中心的だった。同じくメジャーなマーティン・ローレンスだが、やや控えめで脇役に近い存在だった。これは人種的なものが関係してそう。

ピーター・フォンダを出演させたりで、バイク・ムービーの金字塔的な作品「イージー・ライダー」を相当意識している。一種のパロディ映画とも言えるかも。実際の走行シーンでは、同じように広大な景色の中を走るシーンが美しい。ただし中心はコメディであり、4人組が失敗する部分が話のメインになっているから、叙情的なシーンは少ない。

4人組の中で最も頼りない存在のウイリアム・メイシーが、実は最も存在感があった。バイクの運転を誤って何かに突っ込むシーンは、お約束のギャグだったが、彼が担当すると笑える。いかにもやりそうな、情けない風貌が役柄に合致していた。彼が「ER]で上級医師役をやった意味がよく解らない。

もしかしたら、彼とマリッサ・トメイの恋の話を大きく取り上げて、心に残るラヴ・シーンにする手もあったような気がする。不器用で頼りなさそうな男が、懸命に頑張る姿に笑いながら同情する・・・それに成功したら、作品の印象は非常に良くなる。それこそ、本来のコメディの域を超えた壮大なラヴ・ストーリーになりかねない。他の役者達が嫌がるかもしれないが、このストーリーならできた展開だったと思う。

ただし、そのためには小柄でもっとハンサムな俳優が演じたほうが良かった。ギャグのままならメイシー氏のままで良い。

話に叙情性を持たせると、お笑いの部分の扱いが難しくなってしまう。ホモ警官の登場が、浮いた感じになって作品のまとまりがなくなってしまいかねない。だから、この作品のスタンスは正しかったのかも知れない。

大人のファンタジーを演出するか、軽いギャグの路線を保つか、ナンセンスコメディの路線で行くか、そのへんの勘は、よく解らない。この作品の良いところは、戦いが終わってラストに向かうとき、水着美女の姿で失敗する、または冒険に出発しようとする時に、バイクが暴走して失敗するといった、ギャグを上手く盛り込んだ点だろう。適度に笑わせる、その勘が良かった。

水着の美女達を眺めて、そろって転げるギャグはおかしい。でも実際の撮影は相当危なかったと思う。バイクが倒れた場合、何といっても重量級バイクのことだから、うまく逃げないと死人が出る話で、あんまり笑えない決死のスタントが必要になる。

大型バイクを自分で走らせたことはない。原付の中ではスピードが出る車種に乗っていた時期があるが、カーブを曲がっている最中に小石に乗り上げただけで転んだことがあり、怖くなって止めた。バイクは、気をつけていても転ぶ時には転ぶ。

でも、林道を行くときの爽快感は、やはり他では味わえないものだった。自転車も爽快だが、坂道ではそれなりに息切れするし、スピードにも違いがある。バイクは車よりも風を直接感じるから、いかにも走っていることを実感できる。ただし家族がいる人は、やはり事故の危険性を考えると乗らないほうがいい。基本的には自由な立場の人の乗り物だと思う。

自由と冒険、実際にそれを味わっていたら、仕事に支障が出るのが現実。だから、せめて映画で冒険を楽しみたい。この作品は、その気持ちを満足させてくれる。冒険心に響く。

 

 

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