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2012年6月25日

リアル・スティール(2011)

Dreamworksco

- アイディアがいい -

ボクサーくずれで、今はロボットのボクシングを扱う主人公が金目当てで子を預かることになり、仕事に精を出そうとするが・・・

・・・面白い企画だった。人間のボクサーと子供が共に戦う物語はいくつかあったが、まさかロボットが戦うなんて。しかも、その名前が「アトム」とは!冒頭で現れたロボットも、体に漢字が書いてあり、明らかに日本のアニメやフィギュアの影響が感じられる。アイディアが素晴らしかった。

でもやはり、ちょっと子供だまし的な作品であった。恋人といっしょに観る作品としては、やや不向きな印象。「チャンプ」「ロッキー」といった感動路線とは違う。「レイジング・ブル」的なものとも違う。父が子供のヒーローとなるまでが、マンガチックに描かれていた。

スピルバーグ監督がタッチする映画には、何か子供っぽさが感じられることが多い。何かの障害を持っているらしいので、その関係かも知れない。この作品のスタッフも、似たような個性があるのかも知れない。

発想としては、大人向きの普通の作品を作っても、感動を狙い過ぎた失敗作になる危険性もあり、適度に子供に受けるような作り方をするのは、適切な判断だったのかもしれない。もう少し涙を誘う方向に工夫していたら、もっとヒットしていたかもしれない。

でも、この作品は大人でも充分に楽しめる内容。ロボットの動きは実に自然で、CGの技術も完全に近い域に達していると思える。重量を感じさせる迫力が、あえて軽めに設定されていたように感じたが、自然さは凄いレベルだった。

メイキング編には、アトムを探し出すまでのシーンが解説されていたが、周到な準備をして崖から落ちるシーンが作られていた様子が解った。大がかりすぎて呆れるほど。日本の映画なら、たぶんスタジオで小規模なセットを作ってオチャを濁すだろう。迫力が違うと思った。

この作品の流れなら、主人公は暴漢にやられて動きも難しい状態になり、とてもロボットの操作などできないはずなのに懸命にやる苦しい表情・・・などというシーンが続くはずだったが、意外に元気な姿で試合場に現れ、いくらなんでも非現実的だった(非リアルなリアル・スティールだった)。

子供を主な対象に作られた映画だから、あんまりエゲツナイ傷は見せられなかったのか?長期間入院してしまっては、ストーリーが成り立たなかったのか?

戦いのシーンを、もっといろいろ設定することも可能だったかも知れない。個性的な敵を次々登場させ、苦しい戦いの中で、父子が工夫し合い、協力し合うことで逆転勝利となる盛り上がりが期待できたが、いきなりチャンピオンと戦うのはもったいない感じがした。

主人公達がアイディアを出し合い、アトムが何かの武器、もしくは必殺技を編み出し、一躍スターダムにのし上がる・・・工夫と成功、これは観客に訴えかける要素である。この作品では、音声入力システムと視覚情報を真似るシステムがそれにあたっていたようだったが、派手な技はダメだったろうか?

どれくらい感動の路線を狙うか、やり過ぎるとクサイ話になるし、足りないと当然ながら観客は感動しない、演出のバランスが難しい。

主人公のキャラクターとしては、いかにもだらしなっそうな、スレてそうな、別の俳優のほうが良かったかもしれない。悪役かコメディアンでも良かった。ヘヤスタイルに乱れがなかったが、キャラとしてそれで良いのか?無精ひげぐらいはあったほうが良い。嘘っぽい印象を受けた。

 

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