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2012年5月15日

テロマエ・ロマエ(2012)

- アイディアが素晴らしい -

古代ローマの浴場設計士がタイムスリップして現代の日本に迷い込む。日本のお風呂や温泉などを参考に、ローマに新しい浴場を建設し・・・という、バカバカしいお話。

濃い顔の役者を集めてローマ人を演じさせた中で、上戸彩の平たく簡素な(?)顔は、さながら属州に咲いた花のごとく、美しかった。テレビCMでしか見ない顔だが、アップでみると大変にかわいらしく、さすが選ばれただけのことはあると思った。

この話のアイディアが素晴らしい。誰が考えついたのだろうか?原作者か?それがマンガになるまでは解るのだが、映画化されるというのが不思議。どう考えてもシリーズ化は無理があるような話。次に何が・・・ということは考えにくい。それなのに映画化されるのも、誰かのアイディアだったんだろう。

まとまった内容で、バカバカしいのだが、ちゃんと作品になっていた。子供には向かない内容だと感じたが、ほぼ誰でも観れる映画ではないだろうか?爆笑シーンがやや少ない印象はあった。

阿部寛の演技は見事だった。真剣に演じれば演じるほど、この作品の場合はおかしくなる。生真面目なキャラクターを通した点は素晴らしい。できれば、生真面目過ぎてローマ社会でトラブルを起こす様を詳しく解説し、キャラクターとしての完成度を演出すべきだったようには思えた。

皇帝役の市村正親は、舞台風の演技で確かに皇帝のような迫力があったが、本物のイタリア人を連れて来ても良かったような気がした。もっとイタリアの俳優を増やしたほうがいい。極端な話、阿部以外のローマ人は全てイタリアの俳優のほうが面白味が出た可能性もある。

銭湯やトイレの品々が小道具となる部分が最もおかしい。「ケロリン」のマークが入った洗面器は確かに別な場所にあったら非常に違和感がある。風呂上りの牛乳、特に定番はコーヒー牛乳だと思うが、あれは確かに他の国の人には不思議な趣味だろう。

ウォシュレットは人類の大発明のひとつかもしれない。あれだけで映画を作ってもいいくらいの、素晴らしい機器である。あれを古代人が体験したらどうなるか?期待通りの反応が描かれていた。

この作品は、ひょっとすると海外でも受けるかも知れない。日本の風俗を知っている人が観たら笑えると思う。新幹線や携帯などの機器、アニメの世界の独特さを驚く主人公の様子なども挿入されれば、きっと外人もおかしいと思うのでは?

考えてみると、我々がなじんでいる習慣の多くは、海外の人や昔の人には奇異なものが多いだろう。我々が外国に行っても、そう感じる。

先日の連休にプサンに行ってみたが、お土産を売り込もうとする勢いが凄かった。勝手に買い物かごに物を入れてくるので、用心しないといけない。海苔を買わなきゃ、キムチはどうか?キムチもだめなら、カタツムリクリームはどうか?など、延々とつきまとう。昔の日本の商店街のような活気で、懐かしく感じられる雰囲気だった。

プサンの運転マナーは酷かった。横断歩道に突っ込んでくるのは普通の話らしく、皆も気にせず素通りしていくが、こちらは怖くて止まるから、後ろの人から進むように催促されてしまう。大阪と似たように、幅寄せ、割り込みが激しい。あちらの常識は、こちらには本当に判らない。

おそらく中国に行ったら、さらに激しいだろう。非常識の塊のように、互いに思えるかもしれない。

 

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