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2012年4月20日

アーチスト(2011)

Lapetitereineetc

- アイディアの勝利 -

サイレント映画のスター、ジョージはエキストラの女性ペピーと知り合う。しかしトーキー映画の時代が始まり、ジョージはスターダムから転落する・・・

・・・アカデミー賞を取ったフランス映画、しかもサイレント。良い企画だった。まったくもってアイディアの勝利。もし、サイレントで作らなかったら、おそらく評判にはならなかったろう。似たような映画はたくさんあるから、ストーリーで売れる点はない。モノクロのサイレントが決め手だった。

それにしても、勇気の要る決断だったろう。反対意見はなかったのだろうか?そもそも、仮にサイレントで作ると決まったとして、ありきたりのストーリーで観客が満足するという自信がよくあったなあと感心する。よほど役者に魅力がないと、まあまあの映画だったねえ~くらいの評価しか期待できない企画のように思う。大掛かりなセットを組んで、古い自動車を調達して・・・などという発想は、自分なら浮かばない。

成功したから良かったものの、きわどい勝負だったのでは?例えばの話、この年のアカデミー賞は題材から考えると、「ものすごくうるさくて~」のほうがふさわしかったように思えるのだが、アカデミーを逃していたら、この作品は観客の大半が劇場では観てくれない。知らないまま終わる可能性だってある。

アカデミー賞を取れなかったら、あっと言う間に記憶から消えてしまう映画。相当な名作でも、残念ながらそうだ。3D大作SFでないから、仕方ないこと。

主演男優は良い顔だった。昔の俳優の笑顔を再現していたし、落ちぶれたときの表情も適格だった。ダンスはしかし、本職には敵わないように思えた。アステアのようにいくためには、本物のダンサーを選べば良かったのだろうが、そうなると今度は演技が難しい。

したがって、タップダンスのシーンはやりすぎないほうが良かったように思う。この作品のシーンごとの細かいセンスは本当にソツがなかったので、いかようにでもできたはず。ダンスのレベルが出てしまうのは好ましくはなかったと思う。

ヒロインはスリムで動きも良い女優だったが、見ただけで好きになるようなアイドル的な女優ではなかった。この作品の性格から考えると、ハリウッド作品ならばだが、見た目が重要だった気もする。

犬が小道具になっていた。大事な役割を多々こなして、アカデミーものの活躍だった。古い映画でも、大事な役割を果たす動物は多かった。この作品に、あの犬がいなかったら、随分と味気ない作品になっていたことだろう。

上の写真のシーン。主人公の服を小道具に使ってヒロインの気持ちを伝える手法は、モダンダンスのシーンで見たことがある。この作品では特に上手い演出だった。

犬も、ある意味では古くからの映画の基本に従っただけだったかも。シートをかぶせた家具が自分が持っていた家具だと気がつくシーンは、他の映画で観たような気がする。大事に持っていたフィルムには、自分が写っていた・・・そんなエピソードも何度か観た記憶がある。

オマージュとして、過去の古き良き映画を題材に、この映画でしか使えないような手法を思い切って使い、そつなく作った作品。家族で観れるし、恋人とも観れる。ただし、不朽の名作かと言うと、やはり楽屋受け的な性格があるので、そこまでは言えない。

不朽の名作である必要もない。重々しくなりすぎるより、ほんのり良い気持ちになれるほうが映画らしい。その点もソツがなかった。

 

 

 

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