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2012年3月 9日

アルカトラスからの脱出(1979)

- 刑務所も金計算 -

クリント・イーストウッド主演の脱獄話。実話が元になっているそうだ。

手口が面白い。その工夫の仕方を見ることが、面白味になっている。脱獄計画は一種の作戦だから、工夫に対して尊敬のような感情を覚えてしまう。実際にも顔のマスクを上手に作っていたそうだが、限られた材料で上手く作り上げるためには、相当な芸術的センスが必要だったのだろう。

仕事を覚えさせるためと、経済的な理由もあるのか、刑務所内では工作がよく行われているようだ。時々、その製品を購買できる。でも、器具を持っていかれるから、やはり脱獄の道具を与える害はあるだろう。

脱獄には、まず体力が要る。経験も必要だろう。一回、壁を通り越えて部屋の外に出たら、喜びのあまり一気に脱獄しようとしそうなものだが、そうすると準備不足で見つかったり、海で溺れたりしてしまう。一度元の部屋に戻る慎重さ、経験に裏打ちされた総合的な能力が必要だった。

囚人仲間からの復讐から逃れる必要もある。一人では難しい。胆力、協力者、腕力も必要。協力を得るだけの人間的な魅力、迫力、そういったものも必要かも。そんな能力があるなら、なんで収監されたのかいな?

気になったのは、襲ってくる囚人が迫力不足だったこと。見るからに凶悪で狡猾だったら、もっと恐怖感が感じられただろう。確かに、あんまり極悪な様子を描くと、子供が観られる内容から外れてしまうとは思えたが。

演出も上手かった。犯罪者どもの話なんだが、なんだかヒーローばっかりが活躍しているかのような錯覚に陥る。凶悪犯でも、友情にあつい人物のように演出されていた。生真面目な看守達は、逆に脳なしの人非人のような酷い描き方。映画だから仕方ない。

娯楽作品になっていたので、子供でも観れそう。ただし、やや古めかしい作品になってしまった。恋人と観ても悪くないかと思う。

実際には、おそらく収監されている人間のほとんどは、人間性に関して問題がある人だらけだろう。看守達も彼らを相手にしていたら、徐々に人間性を失いそうだ。善良な小市民である私なんぞが入ったら、直ぐ殺されそう。文句を言える状況では全くない。口を開いただけでも、警棒で殴られるかも。

実際の事件で脱獄された看守達は、きっと処罰があったに違いない。可哀相に。

アルカトラス島は地図で見る限り小さな島であり、位置的な理由で昔から砲台が作られ、要塞化したのを監獄に転用したという歴史があったようだ。「ザ・ロック」でも要塞として使われていた。

サンフランシスコのすぐ近くに、わざわざ監獄を作らなくてもいいような気がするが、設備の堅牢さが信頼されたということだろうか?

熊本の拘置所から脱獄しかけた犯罪者がいた。住む地域の話なんで、少なからず恐怖を感じた。通常、脱獄を計画するのは無実の罪の男ではなく、怖ろしい本物の犯罪者なんで、やはり脱出不可能な作りにして欲しい。

その前には、拘置所か刑務所か忘れたけど、実際に脱走して飛び降り、足の骨を骨折した人物がいなかったか?

熊本の拘置所の場合、看守が仲良くなってノコを渡していたらしいが、何か魅力がないとそこまで仲良くなるのは難しいだろう。ただのコワモテの迫力だけではなく、看守の心に何かを見出し、つけ入るだけの要領も持っていたに違いない。偉いなあ・・・ではなくて、怖ろしい人物だ。

でも、警備を厳重にするために改装なんぞしていたら、維持費が高額になる。予算が充分にあるなら問題ないが、改装を遅らせようと考えると、壁が脆くなってしまって、この作品のように削られやすくなるという問題がある。

結局、改築されることなく、アルカトラスは閉鎖されて「ザ・ロック」で使われたように、観光施設になってるらしい。刑務所を無駄にしたという金の問題があるから、脱獄犯には国の税収に対する罪を上乗せする必要がある。もっとも、捕まらなきゃ課税のしようもないが。

いっそ、刑務所を外注したらどうだろうか?どこかの国の監獄に安くで収監してもらう代わりに、円高を利用した支払いですます。金銭面だけ考えれば素晴らしい節約になる。頼む相手国が北朝鮮だったりしたら生きては帰れないかもしれないから、これは無茶な発想だが、北朝鮮に送られるとなれば、さすがに悪事を思いとどまる人もいるかも。つまり、犯罪抑止効果抜群というわけだ!

 

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