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2012年2月 5日

世界侵略:ロサンジェルス決戦(2011)

- リアルさに感心 -

突然人類を襲ってきた謎のエイリアンたちと米軍の戦いをリアルに描いた作品。

戦闘するのは生身の人間で、激しいアクロバットを演じる奇跡ではなく、リアルな戦闘行為であるので、動きの面での迫力は流行のフルCG映画には敵わない。でも、リアルさに徹したことで、非常に臨場感のある作品に仕上がっていた。

アーロン・エッカートのキャスティング理由は解らなかった。演技力を買われたんだろうが、迫力ある顔つきのタフネスではなく、内面に問題を抱えた人物ということで、やや弱そうな印象もある配役を考えたということかも。前半はだらしないような印象も受けたが、後半は非常にカッコイイ。

共演者では、人類にとって大事な戦いでは必ず登場すると思われるロドリゲス女史が印象的。「アバター」でも「バイオハザード」でも凄かった。小柄なんだが、たぶんあんな顔の女性兵士は実際にも多いのか、女性兵士といえば彼女と相場が決まっているかのような活躍ぶり。

敵の姿、動き、敵戦闘機の動きがよくできていた。無人の攻撃機が集まったり離れたり、3次元で移動する仕組みなども理解しやすかった。流行のニュルニュルした軟体動物系統の宇宙人ではなく、武器と一体化したエイリアンという設定もまずまず。

Columbiapic

そして何より、戦闘のシーンで手を抜かず、爆発や壁に銃弾の痕がいちいち付くことまで再現し、無理な活躍をするヒーローは最小限にして、リアルさに徹したことが素晴らしかった。核爆弾みたいな圧倒的な火力で攻めてくる敵だと、迫力は凄いが、それで終わってしまう。画面からはみ出さんばかりの巨大宇宙船が登場して、いかに上手く描かれていようとも、やはりリアルさは損なわれる。対等に近い戦力の敵は良い材料だった。

しかも、戦いがまだ続いていた。延々と戦場のシーンが繰り広げられた関係で、敵を殲滅するには時間切れだったようだ。ロスアンジェルスだけは互角に持っていったが、他の都市ではおそらく敗退しているだろう。いかに勇敢な中国、韓国軍と言えども、あの敵の武器には勝てるのか?日本の自衛隊は、戦わずに逃げるだけかも。

・・・ってことは、残念ながら公平な立場で考えれば、他の都市を攻め終わったエイリアン達がやってきて、この作品のヒーロー達は皆殺しになりましたとさ、という展開が予想できそうだ。それなのに、まるで攻めているかのような展開で描ききっている。素晴らしい宣伝映画。さっすが米軍は宣伝効果に敏感だ。海兵隊入隊の希望者が増えたかも。

映画で出てきた米軍の武器は凄いものばかり。実際に米国が何かに襲われることは考えにくい。同時多発テロは、本当に考えられない作戦だった。

もし万が一だが、強力な兵器を持った敵がやってきた場合も、レーザーで照準を合わせながらミサイル攻撃をしたら、たいていの構造物は破壊できそうだ。逆に、敵の側が同様な兵器を持ったら、アメリカ軍がいかに巨大な空母を持っていたとしても、守り抜くのは難しいかも知れない。陸地に近づけば、直ぐ誘導ミサイルが飛んできそうだ。目視できない位置に止まらないといけない。

おそらくロシアにもレーザー誘導ミサイルの技術があるはずだし、中国や北朝鮮だって研究していないはずはない。イランもそうだろう。

もちろん米軍も空母の周囲に近づくものは許さないだろうが、上空を複数の探査機に飛び回られたら、すべてを撃ち落すのには時間がかかる。無人探査機からレーザーを照射し、照準が合ったらミサイルを撃ち込めばいい。数十のミサイルを撃ち込めば、少なくとも空母の動きを止めるくらいはできるだろう。そうなると、米軍と言えど戦い続けるのは簡単ではない。

映画で中心となっていた海兵隊は、地上を制圧するのには必要な組織だが、数が数十倍の敵と戦ったら、さすがに苦しい。武器は優れているだろうが、一対十で銃撃戦をやったら徐々に兵力を失ってしまうだろう。この作品でも敵に上空から探索されてバスを攻撃されるのが普通の状況だったはず。本当はやられるはずだった。

人海戦術を採ってくる軍隊には、さすがに厳しい状態がありえる。ちょうど古代ローマと似ている。戦術などで圧倒していても、機動力があり、数で勝る異民族に結局は撤退を余儀なくされる。

敵の大事な指令船の警備が甘かったが、実際にはアリの子も通さないような厳しい警備をされて近寄ることもできなかったはずだし、指令船は普通大きなものを一つ作るより、複数作ったほうが安全と考えるのが宇宙人の常識だろうから、一個壊しても直ぐに別な船が代用する指令のクラウドネットワークを作っているだろう。この作品で大きな戦果を挙げることができたのは奇跡だった。

所詮は、ありえないヒーロー物語だったってわけだ。宣伝に騙されてはいけない。

 

 

 

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