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2012年2月29日

豆腐小僧(2011)

- 戦略に難あり -

妖怪の一員である豆腐小僧は、陰謀によって閉じ込められてしまう。外に出てみると現代の都会。そこで彼が体験する物語・・・

非常に変わった企画で、誰の発案か解らないが、よく映画の製作の許可が下りたなと、いたく感心した。原作があったそうで、それを映画にして、一般公開に持っていく企画力と勇気に感心する。興行的に成り立ったのだろうか?

我が家の末っ子のたっての希望で鑑賞。ただし、劇場では観なかった。どう考えても映画代の価値は期待できないからと思ったので・・・

3D画像なんだそうだが、普通のDVDで鑑賞。劇場ではどうだったか知らないが、個人的な考えとしては「アバター」のような作品でないと、わざわざ3Dで観たいとは思えない。この作品でも、3Dと2Dが併映だったら、迷わず2Dを選ぶだろう。

Photo

死神の表現は最高に素晴らしかった。今までも似たような煙のようなイメージのキャラクターは観たことがあるが、この作品は特に出来がよく、鮮やかな動き、怪しさが出ていた。

興行面を考えると、一般的には登場するキャラクター同士の激しい戦いが要求される。子供達が満足できるには、やはりワクワクさせる必要がある。戦いはある程度は非情な面がないといけない。理不尽な現実世界の構図を持ち込んで、厳しく苦しい勝利をあげて、観客に感情移入してもらわないといけない。この作品ではどうだったろうか?

この作品で激しい戦いのシーンをやるとしたら、妖怪がバラバラになる、血みたいなものが飛び散るといった表現になってしまうが、それには無理がある。せいぜいタンコブを作るか、ウーッとうなって苦しむといった表現しかない。もしくは建物が派手に壊れるくらいしかない。怖さが意外なほど必要だと思う。

親子の対立と理解、小僧の成長、思いやりなどを上手く盛り込んだ素晴らしいストーリーだった。敵のキャラクターをどう設定するかが難しい。本当のズルさ、笑えないほどの怖さを出せば本格的な作品になるが、子供達が鑑賞するのに耐えられないような作品になりかねないので難しい。

ギャグだらけの路線を選び、敵達が繰り返し失敗をやっていると、こんどは大人に退屈な作品になってしまう。そのバランスについては解らないのだが、この作品が適切なレベルだったような気もする。

外国の人が観たら、幼稚すぎる印象を持つかも知れない。作品の意図を理解できるかも解らない。

家族で観れる作品。恋人と観るのも悪くない。幼稚な話だが、絵がきれいで主人公がかわいらしいので、女性側には満足してもらえるのでは?

豆腐小僧の可愛らしく、情けない姿格好はよく考えてあった。どこかのアニメスタジオが検討して作り上げたのだろうが、レベルが高い。深田恭子嬢が声優を担当したそうだが、声が良くて彼女の才能を再認識できた。彼女のファンではないのだが、彼女は確かに、ただのアイドルではなかった。生き残るべくして生き残っているのだろう。

武田鉄也が先生役のダルマの声を担当していたが、こちらはちょっと表現力に問題を感じた。やはり専門家に頼んだほうが良かったかも。

大ヒットを狙えるとしてアピールできる企画だったろうか?やはり解らない。冒険が足りなかったような気もするし、人間との関わり方、別な少年などが登場して何か諍いでも起こすなどの、サイドストーリー的な物があったほうが良くなかったろうか?

圧倒的にメジャーな路線でなかったにも関わらず、企画を製作まで結びつけることができたということは、企画力やプレゼンの力、実績などがあったからだろう。

でも何かの戦略的なものが足りなかったと思う。いっしょに行動するキャラクターであるドングリ型の小さな妖怪は、やや役不足だった。「鬼太郎」におけるネズミ男のような、主役を食わんばかりの個性があったら、話も面白くなったのでは?もしくは、裏切らざるを得ない弱い心に人が同情できるような何かの理由付けがあれば良かったのでは?

ひょっとして彼をメインに持って来て、裏切りを心から悔み、かえって熱い友情に進展する、最後に主人公を救うといった決定的な役割を演じさせるのはどうだろうか?原作に反してしまっては権利上の問題が発生するから無理だろうか?

 

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