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2012年2月26日

ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011)

Paramount_pic 

- スタントに意味あり -

政府の秘密機関のメンバーが、ロシア警察、秘密の犯罪組織、殺し屋などと戦いながら、核戦争の危機を回避しようと苦闘する物語。

1ヶ月くらいのロングラン上映になっていたので、レイトショーを利用して鑑賞することができた。かなりヒットしていたようだ。評判良かったんだろう。家族は公開直後に見ていたが、誰も悪く言ってなかった。

見せ場の多い快作。特に主役自身が高層ビルに登って挑んだアクションは実に印象的で、映画にインパクトを与えていた。高さが売りになっていた。ビデオ化されたらメイキング映像を見てみたい。一部は公表されていて、ちゃんとしたワイヤーでつられていることが解るものの、それでも超高層ビルから飛び降りたりするのは勇気が要る。

トム・クルーズは、この作品に賭けていたのだろうが、それにしてもマトモな感覚ではやれない仕事だった。もともと障害を持っているそうだから、考え方は普通の人とは違うんだろうが、良い意味で挑戦的になれているようだ。

おそらくしっかりワイヤーで固定した実写で撮影して、ワイヤーは後のCG処理で消すことができる。スタジオや下のほうの階で撮影した映像と合成すれば、全てを超高層の場所で撮影する必要はなくなるだろうが、危険度を最小限にできるというだけで、かなりの緊張は避けられなかっただろう。

トム自身にも高額の保険がかけられてたに違いない。制作費の大半を保険料が占めるほどまでとは思えないが、かなりだったろう。彼が早い段階でケガでもして撮影が不可能になれば、映画自体が行き詰る。危険なシーンは、おそらく最後に撮影されたのではないかと思うが、それでも費用的な危険度を考えると、数十億単位の保険でないと他のプロデューサーは撮影を許可する気になれないだろう。

カーアクションもハイレベルだった。特に砂嵐の中で敵を追うシーンは、撮影も大変だったろうが、今までの映画とは違うシチュエーションなので、迫力が違った。実際の視界がどの程度ある状態で撮影されたのだろうか?大型の扇風機などを使って砂嵐は再現できるしCGで砂の濃度は調整できるとしても、自然な表現は至難の技。誰のアイディアだったのだろう?

駐車場で敵の首領と戦うアイディアもどこから出てきたのだろうか?誰かが駐車場を見て、立体的アクションが可能であることに気がついたんだろうが、良いアイディアだった。いつもならベルトコンベヤーのある工場を舞台にするだろうが、もう飽きている観客も多いはず。駐車場は珍しかった。

ロケ地の選択、アクションの舞台となる建造物、具体的なアクション内容と、その展開の仕方、どれもが高度なレベルで、よくまとまっていた。技術的レベルの高い、本当の専門家達が集まっていたのだろう。高度な技術で作られたアクション映画だから、家族で観ることができると思う。ほとんどの観客が満足するのでは?

主演は、さすがに年齢的には無理が来ていると思えた。でも代わりにイーサン・ハントを演じる役者はいないだろう。イメージが固定されてしまったので、他の若い役者が演じたら違和感を感じるに違いない。かと言って、数年後にまたトム・クルーズがアクションを演じたら、さすがに観客も呆れてしまうのでは?

クレムリン宮殿内を歩く姿は、お世辞にもカッコイイとは言えなかった。品がないし、力が入り過ぎて妙だった。走り方も明らかに変。

だから、この作品がシリーズのラストであろうと個人的には思った。トム君自身はおそらくマトモじゃないから、また作ろうとするかもしれないが、マット・デイモンかダニエル・クレイグに主役を譲って、キャラクターの異なるヒーロー像を探すべきだ。

ヒロインは美しい黒人女優で、最近よく見かける。アクションもこなしていたと思う。色っぽい女優だったが、今回はラブシーンがなかった。その点は作品の魅力を減じていたかもしれない。主人公の妻の話との絡みがあったからだろうが、今回の設定が良かったのかどうかは疑問。

共演になる技術者と分析官はなかなか味が出ていた。分析官が裏切る、または真犯人、黒幕という展開を期待してしまう人が多かったと思う。それではいけなかったのだろうか?次回作への布石か?

敵役の教授は、タフ過ぎた。教授だから格闘は苦手とは限らないとは思うが、自分で現場に行って変装までするとか、車で激しくぶつかっても逃げおうせるシーンなどは、やっぱり無理な話。そもそも最初から軍の関係者として設定したほうが自然だったと思う。それに演じていた俳優も、非常にタフな個性をイメージさせる役者ではなかった。走ったら直ぐ息切れしそうな体型。

今回はBMWとの間で契約されていたようだった。砂の街でFRの車は性能を発揮できるのだろうか?スリップ気味に、後輪が沈んで満足に走れないような気もするのだが、砂場を走ったことがないので解らない。

製作はパラマウント映画だった。トム・クルーズは自分の会社も持っているようで、20世紀フォックスなどとも仕事をしていたが、このシリーズはパラマウントが権利を持っているのか、シリーズの中で別な会社が製作したりはしていないようだ。ヒットシリーズだから、かなりの収益になったことだろう。

映画会社はバクチのように高額の金を動かすので、失敗すると一気に経営が傾くらしい。ユナイティッド・アーチストのような伝統ある会社でも、今は他の会社といっしょでないと動かせない状況だと報道されていた。トム君がもしケガでもしたら、傾く会社も出るのでは?

逆に言うと、命がけでヒットを狙う必要もあるということかも知れない。成功したら、その分、達成感は凄まじいものになるだろう。

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