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2012年2月23日

127時間(2010)

- 自由と代償 -

冒険に生きる自由人が主人公。誰にも行く先を告げず、荒野の探検をしていたら、事故に遭って動けなくなる・・・・

・・・・主人公がどんな生き方をしてきたか、その表現が上手かった。演出で何を使い、どんな音楽を流し、どのタイミングでどのエピソードを挿入するか、それらの判断が非常に上手く、出来の良い作品だった。

一部にはCGも使われていたようだったが、ロケの実写とスタジオ撮影と、古くからの映像手法とCGが混在一体となって、技術的な欠点もほとんど感じなかった。

子供が観る映画ではない。色気も不足気味。わずかに下着の女性たちが水遊びをしていたが、娯楽の面での魅力は期待できない。恋人と真面目な映画を、と思うなら良い作品。しかし、この作品の企画はよく通ったものだ。大ヒットは狙いにくいはずだが。

長い時間を一人芝居で演じたジェームズ・フランコが素晴らしい。演技派なので、演技クサイところが時々気になるが、やはり非常に上手い。個性も感じさせるし、色んな役柄を演じきれる本格派だと思う。

スパイダーマンの時代は、痩せ過ぎていた関係か、迫力に欠ける印象を受けた。SF映画だったから仕方ないかも知れないし、あくまで相手役、敵の役だったので目立ち過ぎても好感を持たれ過ぎてもいけないという制約があったので当然なんだろうが、消えていく俳優という印象しかなかった。予想を裏切る成長ぶり。成長と言うより、もともと実力があったのだろう。

演技中に涙が足りなかったような気はした。日本の役者なら、もっと泣いたのではないか?どれくらい泣けば良いのか、その点が難しいと思うが、よく考えて演技していたのだろう。あんまり同情を得ようとすると、あざとくなりがちとも思えるから。

実際に自分で自分の関節を外したり、骨を折ったりするのは難しいと思う。テコの要領で、一箇所に強い力が加われば外れるかもしれないが、支えている靭帯や骨自体の強度は、人間の力で破壊できるよりずっと上だと思う。

ナイフを利用しながら、靭帯を切って支えをなくしたなら、勢いをつけて折ったりすることも可能かもしれないが、痛みで失神する人が多いかも知れない。虚血状態で壊死に陥ったら、多少は痛みも軽減するかもしれないが、壊死部分より手前を切らないと脱出できない。大変な痛みだろう。

ひょっとして麻薬などは使わなかったろうか?少し可能性を疑った。なんと言っても、自由人だったから。

自由人。仕事や家族の世話に明け暮れる自分には、自由らしい自由がない。一日中診察をしているわけではないが、夜中にも患者さんから電話を受けないといけないから、拘束されない時間はほぼゼロに近い。何のために生きてるか考える時もたまにはあるが、多くの時間は考える余裕がない現状。

自分の性格もあるのだろう。あんまり勝手にすると嫌われたり、後ろ指をさされたり、無責任と非難されるのが怖い。関係ないような相手に対しても、何か譲って生きている。狭い道では後続車からクラクションを鳴らされることも多い。譲りすぎるからだ。

「ええい!人の目など気にしていても始まらんぞい!」と、ドライに割り切ってやりたいことだけやれれば良いのだが、やっぱやれない。

成長発展の時代は勝負もできるから、ドライで単純なほうが良い。発展の時代は去って、縮小に向かうことは明白。制度疲労も明白。先達の認識は通用しない時代が予測できたら、考えないわけにはいかないだろう。

家内は私と正反対の自由人。行く先を告げずにいなくなり、探したらディズニーランドに行っていたということが2~3回。行く先を言ったら文句を言うと考えて言わなかったらしいが、万が一私が病院から帰れない場合は、子供の世話はどうなると考えたのか?

呆れてケンカする気にもなれない。どんな思考回路をしているのか?

気にする思考回路が機能しないんだろう。自分の精神安定を優先するのは、理屈次第では正しい。ただし、結果に関しては責任を持たないといけない。子供達の精神には、必ず悪影響があると予想した。その責任を・・・と言っても、精神面に関しては責任のとりようがないと思うが。責任という文字が、頭の辞書にないのか?

この作品の主人公も、親達を傷つけたことを反省してたようだ。でも反省だけなら、サルでもできる。

 

 

 

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