映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主

  • 乙女座 AB型 どの占いでも最悪の運勢 内科クリニックやってます。

Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« ファンタスティックMr.FOX(2009) | トップページ | メカニック(2011) »

2012年1月22日

SUPER8(2011)

20centfox

- ETに至らず -

スピルバーグが製作、エイブラハムスが監督したSF。地球外生命体をめぐって、軍と少年達が互いに探りあい、騙しあい、スリル、友情、愛情が交錯する。

ヒロインのエル・ファニングが非常に魅力的。たいていの男の子なら彼女のファンにならざるをえない・・・そんな描き方だった。かわいらしいが際立つ美人ではないと思うのだが、演技をさせると実に表現力があって色気にハッとする、なにか香りまで漂ってきそうなほど女学生の魅力を引き出していた。

思春期の子なら、かなり共感できる映画ではないかと思う。若いカップルでも同様。小さい子供にとっては気味の悪そうなシーンもあったが、おおむね家族で観れる作品。

かってのETのような宇宙人ではなく、気味の悪いクリーチャーが登場していたので、これは地球人と宇宙人の心の交流をテーマにした作品ではないと判る。中心は主人公の少年と、美少女、父親との関係になる。そんなテーマで良かったのか?

この作品は「ET」ほどのヒットではなかったはずである。前評判は凄かったが、知らない人も聞きつけて見に行くという、メガヒット型の作品になっていない。

怪物なら徹底的に怖く、かわいい宇宙人ならとことんかわいく、中途半端は避けるべきだったかもしれない。宇宙人の気の毒な境遇に共感を得たいなら、姿を変えて共感を得やすい格好に変身することも考えてみるべきではなかったか?

もし可能だったら、ヒロインか主人公は死んでしまうべきではなかったか?悲劇的な結果だったら、話の美しさは比較にならないレベルになる。ハッピーエンドが好きなアメリカの観客でも、美しい犠牲の話だったら満足してくれたのではなかろうか?せめて、父親は犠牲になるべきだった。

主人公と親友が仲違いしていたが、親友役のキャラクターには疑問あり。主人公より体格が良くてハンサム、常に主人公を助ける人物、替えがたい友情をイメージさせる人物がどうしても必要だった。そんなよき友人を裏切ってでも助けたいヒロイン、そして友人も最後には協力してくれる・・・そんな話が欲しかった。

でも良い話だった。

列車から何かが逃げ出したようだという展開、親と子の感情的な反発、ヒロインの家族と自分の家族との過去の経緯、友人との関係などがよく配置されていた。

CGも悪くなかった。最近のCGはどの映画でも非常にレベルが高いので、ハッとするほど印象的だったとは行かなかったかもしれないが、高いレベルには違いない。

悲劇的な犠牲が、ぜひとも必要だったのだ。きっと。

スーパー8というタイトルの意味は解説部分を観てようやく理解できたが、映画のためには意味のないタイトルだったかも。一種の楽屋受けというか、映画好きな人達以外には理解が難しい思い入れが感じられる。

私達にとって個人的な映像と言えば、すなわち8ミリフィルムの映画のことで、スーパー8と言われても何のことか判らない。それに今はビデオの時代である。今の時代を舞台にすることが絶対に必要だったと思う。その最初の設定が、意外にヒット状況に影響したに違いない。

今と過去では随分と違う。作っている自分達と、観客達との感覚の違いがある。懐かしいと思うかどうか、甘酸っぱい初恋や、苦い対立の状況が実感として表現できるか、この点を認識すべきだった。

 

 

« ファンタスティックMr.FOX(2009) | トップページ | メカニック(2011) »