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2011年12月24日

三十四丁目の奇蹟(1947)

- 展開が上手い -

サンタを自称する老人が登場。デパートのサンタ役として人気を呼び、広報担当の女性と、その娘、近所の弁護士らと知り合う。しかしサンタに対して、精神鑑定人が激しく敵愾心を燃やし、ついに裁判に持ち込まれる・・・

・・・うまい話の流れに感心した。このストーリーは、後年何度かリメイクされているようで、たぶんリメイク版を観ていたので自分の納得がいったのではないかと思う。つまり半分くらいは事前の知識があったような感じか。オリジナル版らしい本作は、裁判に持ち込まれる流れが、実に自然にできていたと思う。

サンタが実証されるかされないか、何か奇蹟を起こすか起こさないか、そのへんは深く検討されていたように思う。特殊効果を使うかどうか、敵が懲らしめられるかどうか、その描き方によって大人っぽい作品にも、子供映画にもなる。いっぽうで、奇蹟が起こらないと観客はシラける。

もし今、スピルバーグが映画化したら、CGは絶対に出てきそう。ミラクルのオンパレードで、敵の鑑定人は徹底的にたたかれ笑いものになる。きっとそうだ。奇蹟が一目瞭然にならないと観客がどんなに失望するか考えたら、普通の対応は決まってくると思う。

娘役をやっていたのがナタリー・ウッドとは驚いた。栄養失調気味に見えるほど。キャリアウーマン役が西部の女傑が似合うモーリン・オハラ嬢とは。でも結構自然な感じは受けた。

裁判のシーンがかなり長かった。裁判長の表情を中心として、役者達の演技は全体に古く、舞台仕込の俳優のようにオーバーで、ややシラける部分も感じたが、この作品の時代、40年代を考えると普通だったんだろう。

この当時、全く真剣に裁判のシーンをやっていたらどんな作品になっていただろうか?観客は笑っていいのかどうか解らないような、散々な評価を浴びる結果になっていたかも。オーバーな表情でわかりやすく、演劇や映画に向いた表情、仕草をとらざるをえない。流行は無視できない。

でも、もし余裕があればだが、画期的な作品にして欲しかった。古い映画に何を今更だが、サンタがリアルに男を殴るような、笑いの少ない映画を、大コケを覚悟で。裁判では屁理屈をこね回して、サンタが実在しないことを証明できない限り、被告は有罪にできないという論調を貫いて欲しかった。そして悲劇として終わらせて欲しかった。

皆がサンタに感謝し、サンタを信じるようになった。感謝の意を伝えに行ったら、彼は雪の中で冷たくなっていた・・・そんな話は無理だろうが。

この作品はちゃんと節度を保って、娯楽性と教育的な面をバランスよく保っているので、良い子にはお勧めとなる。でも小学校高学年になれば、もうバカにして観てもらえないような気がする。CGがないとガッカリしてしまうだろう。恋人と観る映画として特に悪いとは思わないが、当時の演技のクセが嫌になる人もいるかも。

 

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