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2011年11月 9日

アンノウン(2011)

Warnerbros

- 大作ではない -

学会参加のために妻とベルリンに到着した主人公は、大事なカバンを空港に忘れたことに気づく。空港に急行する途中、主人公は交通事故で心停止し、部分的に記憶を失ってしまう。妻を探すと、なんと自分の名をかたる別人と仲良くやっている・・・

・・リーアム・ニーソン主演のサスペンス・アクション映画。ストーリーのアイディアは、どこかの映画で観たことがあるような感じもしたが、全体の雰囲気が良くて、最後まで飽きずに鑑賞できた。なかなかの作品と思う。

派手なアクションがないと満足できない人には、もしかすると退屈な作品かもしれない。カーアクションや逃走劇はあるにはあるのだが、最新の驚くべき技術によるものではなく、やや旧式でオーソドックスなアクション限定。

若い人には、興味がわかない性格の映画かも。批評されたら「二級品。退屈。古い。」などという意見が大勢を占める可能性もある。レビューする閑人は、基本的には若者が多いから。年寄りには、かってのサスペンス映画の謎解き、壮大な組織の陰謀といった懐かしい要素が受けるかもしれない。

子供には・・・たぶん向かない。教育上も良くない。恋人と観ると面白いか?・・・チャラチャラしたカップルでない場合は、非常に向いているかも。

ダイアン・クルーガーとジャニュアリー・ジョーンズが、ダブルヒロイン的に出演していた。両者とも美しく、表情も微妙な部分までしっかり演じ分けて、それぞれの役割をきっちり演じていたように思う。謎の鍵となる女性は、イメージのせいか金髪が美しくないと絵にならない。

美しい女優はいるだけでも効果的だが、画面を歩く後ろ姿も、どう振り返るか期待させる。美術館で敵の眼をかいくぐりながら女の後を行くシーンでは、美しい後姿も効果的。シャンプーのCMに使えないかしら?

主人公が、ややクタビレ気味のリーアム・ニーソンであったことは効果的だった。確かに大学教授に向いている風貌。腕力自慢のアクションスターが演じていたら、「なんで反撃しないんだよ!」という観客のイライラ感につながりそうだ。走る姿もややおかしいニーソン君が演じたことで、中盤までの逃走劇がリアルになった。

元シュタージ工作員だった探偵も素晴らしい個性が出ていた。セリフで過去を誇る演出がされていたのは、彼の存在感につながる。いかにも過去に優秀で、誇りを持って仕事をしていた人物という設定にしっくり来るセリフだった。

場所がベルリンというのも、よく考えてあった。東欧から移民が集まっていること、過去に怖ろしいスパイだった人間、虐殺から逃れた人間、それらが混在する街は、映画のよい題材になりそうだ。

実際に、元シュタージ組織の人間と、彼らによって虐待された人間がはちあわせたら、たぶん何も起こらないではすまないはず。ユーゴスラビアで民族浄化された関係の人間が、そのままドイツに移民していることもありえる。今日のアメリカではありえない話だが、ヨーロッパではありえる。

別な映画の設定に、今後きっと使われそうだ。

ボロなアパートが薄壁一枚で仕切られているという設定が面白かった。隣の情事が筒抜けなばかりか、乱闘で本当に壁が破れて隣に転げ込むところまで使われるとは。細かい設定だった。

大ヒットを狙える大作向きの企画ではなかったと思うが、よく出来ていた。

 

 

 

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