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2011年11月30日

トゥルー・グリット(2010)

- 斬新? -

無法者に父親を殺された少女は、復讐のために保安官コグバーンを雇う。しかし、この保安官はアル中で信用おけない。テキサスレンジャーのラブーフを加えた三人は、無法者がいると目されるインディアン居留地に赴くが、少女が拉致されてしまう・・・

・・・グリットという言葉は知らなかったが、勇者といった意味だそうだ。一般的な言葉かどうかは知らない。

Paramountpic_2 名だたるスター達が共演していたが、意外にあっさり殺されたり、撃たれたり、プライドを無視したかのような扱いに驚く。まともにスター級で扱っていただいたのは、主演のジェフ・ブリッジズくらいか?

ジョシュ・ブローリンはひどかった。コソドロに近い悪役である上に、あっさり銃で撃たれ、親分の言うことを聞かされて居残りを命じられ、しかも簡単にやっつけられてしまうという、ぜんぜん見どころのない役。なんで出演したのか、さっぱり理解できない。本物の醜い悪役ではいけなかったのか?せめて、ラストで決闘した上で死にたかったよう、といううめきが聞こえてきそうだ。

決闘の場面。4人の敵がいて、ひとりの相手に対峙したら、普通は両端の二人は大きく広がって、敵がいっぺんに攻撃しにくい態勢をとる。物陰に隠れながら、こちらからは狙える状況を目指す。荒野の中で突進していくなんてバカだ。そんなことだから、逃げ回るハメになるんだわい、と思った。

テキサスレンジャーを名乗るマット・デイモンもカッコよくはない。気取っているが、ベラベラしゃべり続けて、しかも自慢話くさい。本当に腕がよいのか不明な印象さえ受ける。クールな殺し屋を演じたボーン君役とは趣が違い過ぎて、ほとんど喜劇役者に近い役柄。これで良いのか?

銃の腕を見せるためだけに、二人がバンバン物を撃ち合う子供のような争い、くだらないケンカで敵に遭う前に別れてしまうアホさ加減。それだから話が面白くなるのだが、クールで抜け目のないゴルゴ13やジェームズ・ボンドとはキャラクターが違うヒーロー達だった。

監督のコーエン兄弟は、何を狙ってこの作品をリメイクしたのだろうか?独特の気味悪さ、怖ろしい設定、特徴が強調されたキャラクターなど、兄弟ならではの演出が味わえたが、本来なら斬新な兄弟のこと、新しい物語のほうがより特徴が出るというものでは?

アル中のガンマンといえば、初代のジョン・ウェインをはじめ、繰り返し演じられてきたキャラクター。極めて新しい役を今回演じきったかと言えば、確かに素晴らしい味のある、ジョン・ウェインよりリアルな、本物のアル中よりアル中らしいヒーローではあったものの、斬新とは思えなかった。

ヒーローは、やはり斬新であるべきである。原作の形を留めないほどの変化を期待したい。いっそ、アル中の保安官は最後まで飲んだくれてて役に立たず、少女とテキサスレンジャーだけで問題を処理してしまったら皮肉な話になって面白かったかも。

少女が金を捻出するために交渉するシーンは面白かった。この作品のハイライトだったと思う。いろんな条件を提示して、相手もかなりのタフな交渉をしてきたにも関わらず、当方のいいように物を売り、購入しなおしていた。おかしいし、キャラクターが感じられる良いシーンだった。

そもそも原作のストーリーが素晴らしい。設定からして保安官に期待が集まる上に、ヒネたヒーローらしくないヒーロー像がカッコイイ。最終的に、叙情性豊かなストーリーの流れは保たれ、西部劇の伝統に沿った作品に仕上がっていた。昔の西部劇の雰囲気が残りつつ、独特の毒もあるという、コーエン版西部劇はどうなるか?という興味で作られた作品か。

おそらく、受けたのは本来のストーリーゆえではなかったかと思う。毒の部分ではなく。

 

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